雑感(2005年12月18日)
姉歯問題はいろんな事のヒントを与えてくれます。先日IRNETの仲間と忘年会をしました。そのなかで、それぞれのメンバーに意見を聞いてみたところ、人それぞれの色んな意見があるものだと思いました。現代社会はコラボレーション化されていますからね。複雑な利害関係があるようです。東証の理事長が先頃の取引中断やジェイコム事件により引責辞任しました。…前後して、黄金株に反対していた東証が条件付きながら、容認する事になりました。日本的な流れです。
姉歯問題は設計当事者の責任割合は非常に重いのに、何故かマスコミの論調は総合研究所の黒幕探しに迷走している感じです。誰が悪いといった犯人探しは、あまり建設的な意見ではないですね。二度とこのような不幸な事件が起きない仕組み作りに、議論を向けさせるべきなのに、責任論のなすり合いが論争の焦点になっているようです。同じことが電通事件でも問われたのに、再びジェイコムの事件が起こるのは、基本的な問題が解決されてないのでしょう。売買単位を統一すれば、かなり改善されるはずです。
しかし気の毒だな。今回の取引所の機能問題は、富士通のプログラムミスといわれています。膨大なシステムを考えれば、ミスは有り得るし、その度にトップが責任を取っていたら大変だし、富士通に損害賠償などを請求すれば、これから開発されるシステムは異常に高い価格になるだろうし、費用対効果のバランスが取れるのだろうか? 如いては日本のシステム構築技術が、海外との競争に負ける結果にならないのだろうか?
個人情報保護法案の過剰な取り扱いで、国勢調査などが難しくなったと報道されていましたが、なにか日本全体が、ぎすぎすしたユトリのない社会になってないでしょうか? マスコミの改革が必要なのに、既得権圧力は強くM&Aが上手く運びません。経営者が変わらないと報道姿勢は変わらないでしょう。最近は景気が回復してきたせいか、危機感が遠のき、改革精神が薄れてきたようですね。だれも血の流れる改革は好みませんから…いやだもんね。
株式市場も少し異常な形が冷やされています。個人投資家が何十億円も儲かる相場は異常な現象なのでしょう。浮かれた構図が多少感じられます。市場経済がちゃんと機能するような公正な社会形態が理想ですが、資本家は際限のない利益を求めるようになるし…世の中には適正利潤と言う考え方があるのでしょう。安ければ、なんでも良いのでしょうか?姉歯事件は買った個人にも多少の責任があるように考えます。可哀想だけれど、周辺マンション価格と比べて、問題物件はどうだったのでしょう?
昨日は高島屋で作ったワイシャツのサイズが違っており、大きかったので直してもらおうとしたのですが、全部、新しいものから作り直すそうです。流石、一流デパートです。3枚とも、全部、仕立て直しです。先日、松下のストーブ事件がありました。流石、松下です。あの初期の対応は褒められたものではありませんが、最終的な責任の取り方を見て、逆に松下を応援したくなった次第です。株式市場は自己責任の世界ですから、儲かる情報などを捜し求める行為などより、自分自身の価値観を磨くことが非常に大切なのでしょう。
昨日は「ベニスの商人」と言う映画を東京テアトルで、株主優待を使って無料で見て、近くにある安い洋食屋さんのツバメグリルと言うところで飯を食ってきました。不思議ですね。何故か、ただで映画を見て、安い食事をしたけれど、費用対効果からの満足感が幸福感を運んでくれるのです。株式市場にも適正株価と言うものがあるのでしょう。短期的に市場は間違うが、長期的には市場は正しいのだといわれています。
取り留めのない話は、何か皆さんのヒントになったでしょうかね?
あとで「かたるクラブ」を更新します。