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市場主義を考える(2005年12月25日)
クリスマスか…子供も大きくなり恋愛にも疎くなった世代としては、商業ペースの現実しか見えないのが悲しい感情かな? 最近は市場経済の方が、効率がいい社会が実現するとずっと信じてきましたが、豊かさを感じられる社会なのか?と言う点では、疑問を感じ始めました。何故なら、仕事が出来る人は良いですが、中には与えられた仕事も満足に消化できない人もいるわけで、その人にも人権はあるのですから、市場主義のような弱者切捨て理論が正しいのかどうか…市場主義は成功者を称え、みんながそれに向かって努力する形態ですね。
しかし効率化を求めると、高い効率を発揮する為に、非効率な仕事を削るようになります。採算の悪い店舗を閉鎖して、採算の良い店舗を残すのですね。これは生産者側の意見ですが、一方、閉鎖された地域にも利用している消費者がいるわけで、その消費者の生活の豊かさを奪う事になりますね。みんなが豊かな社会と言うのはどんな社会なのでしょうか?
先ほど、テレビを見ていたら、我孫子市の地域ボランティア団体が地域を支える現状を報道していました。定年退職者が助け合う社会の実現ですね。この市長は若いのです。48歳と言っていましたね。この地域ボランティアが、市の行政サービスを市民団体が奪って欲しいと…、官と民の融合を模索している行政展開を始めていましたね。最近は、この我孫子だけに留まらず、定年退職者が様々なボランティア事業を展開し、地域密着型の社会を創りつつあります。昔の村社会の復活でしょうか…? 我孫子市のホームページへ
マスメディアの役割は残忍な事件などを報道する役目から、みんなに役立つ情報を提供する役目に変身しないとね。同じようなニュースや同じようなお笑いばかりが、世論の風潮を悪い方向へ導いているのでしょう。視聴率と言う基準が堕落の基準だからね。政治が少しずつ変わり始めているので、マスコミも少し社会正義性に目覚めなくては…スポンサーが良識のある番組作りを応援すべきですね。
でも、やはり市場経済の競争原理は人類の躍進の為には必要なのでしょう。お金(所得)は一つのバロメーターなのでしょうね。お金儲けできる人は確かに皆さん頭が良い人が多いですね。学歴じゃないのですよ。私のお客さんの一人、材木屋さんは秋田の次男坊なのですが、東京に出てきて全ての儲けを土地の投資に充ててきました。時代が高度成長時代などですから、インフレに助けられ地価が急騰し大きな財産を築いたのです。時代の変化をよく見ておられ、私の相場観の形成にも役立っているのです。
証券マンの相場観と言うのはお客様と共に育つのですね。自分の意見を相手に伝え、その意見を相手が考え異論を挟む、それに明確に応えていくと相手も納得し、投資を始めるのです。先日、グッドウィルをお奨めしたら、介護の世界は競争が激しいから利益が出ないだろうから、株式の購入を見送る。と言われました。その通りですね。介護のビジネスで大きな儲けは得られません。社会保障費の増大が懸念され、儲かれば料金が削られます。更に比較的に参入がしやすい事業なので、マンション業界と同じように参入が多くなり競争が激化しています。
しかし僕は違うことを考えています。やはりプライスリーダーと言うのは価値があるのです。業界で一番と言うのは価値があるのです。名門企業になれば多くの人が就職したがります。だから人件費は業界でも安く済みます。そうですね。これは道理です。同じ賃金なら有名企業に就職したいのが信条でしょう。同じことが利用者にも言えます。同じサービス内容なら、有名な企業を選びますね。名も知れない企業に頼むより、一部上場企業に依頼するのが人情でしょう。だから折口氏は成長を加速させ、業界NO1を無理して作ったのですね。業界が加速して成長していくわけで、社会が求めている企業なので株価が上がるのは筋でしょう。
このように市場経済と言うのは、求められている企業を育てるのが役目だと考えております。市場経済の素晴らしさは優先順序が高い企業に資金提供するという原理から成り立っているのです。ところが官僚共産主義は必要のなくなった産業に予算をつけていたので、矛盾した利権が生まれ非効率な社会になったのでしょう。この打破へ動きが始まり、だから、日経平均株価が上がりました。結果、株成金が多く誕生するのも頷ける自然現象なのでしょう。ところが最近市場ではモラルと言うか、投資姿勢に節操がなくなりつつありますね。ここが気掛かりな部分です。なんとしても市場を豊かな形に変えて行きたいと思うのです。儲かればなんでも良い。値動きが信条の動きしか目に行かない市場は必ず自己崩壊します。
最近ではITバブル時の光通信が良い例です。少し前には兼松日産や宮地鉄鋼と言う意味のない現象がありました。豊かな市場とは何か?
確りと夢を持ち頑張る経営者を応援する仕組みです。NTTと言う利権構造に挑んだソフトバンクの株が上がるのは理解できます。しかし最近は少し行きすぎですね。理屈に合わない過度の期待を経営者に求めるのは酷というものです。経営者は常に株を見ていますからね。孫さんに株価1万円に見合う利益を計上しろと言うのは、現状では先を買い過ぎているでしょう。せいぜい2年なら分かるが、5年も10年も先のことは誰にも分からないからね。期待値が大きすぎます。
グッドウィルの折口さんは野心家ですが、これからどう変わるのでしょう。現状は応援してみたい経営者の一人ですね。一方、自己保身型になった経営者の株価を上げるのはどうでしょうかね。ビジネスには儲けもありますが、やはり社会的な使命感がないと…面白くないですからね。豊かな日本にするための経営を、豊かさを模索する社会の実現を考えないといけませんね。どんなに儲けようと、反社会的な会社の株は買うべきではないでしょう。