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コラム

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公正な社会へ(2006年01月15日)

最近は幾つかの現象に、考えさせられることが増えたかな? 株と同じで、なかなか結論が得られません。一つは金融庁の検査姿勢です。UFJ問題は明らかに経営権への越権行為だと思うのです。何故なら、自由な市場取引に官が自分の意見を、検査権を盾に押し付けたように思うからです。押し付けが厳しいから検査忌避が生じたのでしょう。しかし最近の市場動向を見れば分かるように、あの時の過剰債務問題は、明らかに行き過ぎだったですね。まぁ、考えてみれば、その意識があったおかげで、逆に、その行き過ぎ行為が、今日の僕らの利益を生んだのは皮肉な巡り会わせですが…当事者は大変だったでしょう。官の権力増大は、市場経済の自由を奪うので、この問題は重要だと考えるのです。この行き過ぎた行為に市場は反応し、ある証券会社では電話の盗聴をし始めています。検査が産んだ弊害でしょう。

更に年末起こった姉歯問題です。個人的なエゴが様々な矛盾を生んでいます。検査すべき機関が役割を果たしていない。何のための検査なのか? 何故、職業意識を欠いた欠陥マンションを作ったのか? モラルはなかったのか? 
カネボウの粉飾決算も同じ次元の話です。公認会計士の役割や会社経営者は自らの責任をかぶる勇気がなかったのでしょう。責任ある地位の人がその責任を意識していない。何故、このような人物が社長になりえたのか? 社会の仕組みがおかしいのではないだろうか?

最近は暴力に対する風当たりが強くなってきました。当たり前のことです。力のない子供を虐待する親が大勢いるのでしょう。しかし反面、あまりそこを強調すると、子供を叱らない親が誕生しないか心配です。先生が生徒を真剣に叱るから手が出ることもあるでしょう。なのに、そのような行為までを縛る傾向が社会にあります。無力感を感じる先生に増長する生徒。少し社会が行き過ぎてないでしょうか? 先生の暴力は、多少は許せるのではないでしょうか? そのような先生の方が教育に熱心なのではないでしょか? この加減は難しい。

個人情報保護法案、この法律はなんなのでしょう? 病室から患者の名前が消えたり、多少の情報漏れを、さも悪いことをしたように、報道する社会は行き過ぎてないでしょうか?自分の名前や生年月日や住所、電話番号などが個人情報で守られて欲しいのでしょうか?そりゃ、個人によっては預金残とか、犯罪歴(交通違反記録)だとか、知られたくない人もいるでしょう。しかし些細なことまで守る、明らかに行き過ぎた対応を、社会は容認してないでしょうか?

年金や健康保険を払わない人が増えてきました。NHKの受信料などもそうです。日本人としての義務はどうなのでしょう? 毎日使っている電気や水、ガスなどインフラ整備は僕らの先輩が作ったものです。何気なく歩いている道路は税金で作られています。電車は、バスは…これらの生活基盤は、僕らの先輩が働いて作ってくれたものなのです。だから年金を払うのも、健康保険を払うのも当たり前の義務なのに…権利の主張をする人は、当然、義務もあるはずです。最低限の義務も果たせない人が権利ばかり主張する。悲しい現実です。

脳外科医で有名な福島孝徳先生のことが、月刊文藝春愁に載っていました。彼は明治神宮の神官の次男なんですね。この文の中で、日本では名医は育たない。と言うくだりがあります。そうですね。その通りでしょう。日本の医学界は遅れていますからね。
文中で良い言葉がありました。流石、一流の人物ですね。名医の条件の中で、一に努力だといっています。二に良いコーチ。それから自分の才能と親切だそうです。朝7時から夜の8時まで手術をこなし、夜に手紙を書いたり、メールの返事を書いたりするそうです。すごいなぁ~。僕にはできない努力ですね。上には上がいるものです。

日本には「いやらしさ」があります。努力し福島先生の手術を見学に行こうとすれば、教授から村八分にされる閉鎖的な医学界の仕組みがあります。政・官・民の癒着構造は、どの世界にもあります。公正な競争社会でないから、カネボウのような不幸な事件が起きるのでしょう。社会を公正な仕組みに変えねばなりません。

財務省は赤字ばかり強調し、消費税値上げを目論んでいます。しかしその前に資産を売却して、債務を返済すべきでしょう。非効率な官庁などの土地を有効利用すれば良い。PFIを使って、高層ビルに建て直し、その建築費を産み、尚且つ、余った資産を売却すれば良いのです。そうして国債を減らしてから、増税を考えれば良いのです。債務があるからには、その債務に見合う資産があるはずです。自分達は安い料金の官舎を使い、所得補償をしているのに、改善しようとしません。何故、都心の一等地に、彼らの住む官舎が必要なのでしょう? しかも非効率な使われ方です。無駄を徹底的に省き、努力してから増税すれば良い。ボーナスのカットに応じれば良い。給料のカットに応じれば良い。全てはそれからの話しです。

ようやく、北海道などの地方公務員の削減が実施されます。地方の交付金が減り、三位一体の効果が表れ始めています。僕らは真剣に社会の構成を考えなくてはなりません。誰かがやらなくては…いつまでも、この国は落ち込むばかりです。改革は僕ら若者の使命だと思います。(既にかたるは若者じゃないけれど…)福島先生は後進を育てる為に、努力していますね。彼は63歳です。負けられないね。