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コラム

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迫る選択(2006年04月09日)

最近は新潟に帰る機会が増えました。
桜は東京では既に散りましたが、新潟はまだのようです。お客様より「尊厳死」に関するビデオをもらい、一昨日、見ていました。私の母は75なのですが、既にあと数ヶ月の命だと宣告されています。国家の利益と言う観点から考えると、延命させることは、明らかにマイナスですね。年金をもらい、医療保険を使い、社会の世話になっています。同じように、赤ちゃんも生産をするわけでもなく、親の世話になって日々を送るのですが、将来は働き税金を納めるわけで、貯金のような存在ですね。

年寄りは医療面でも老人保健扱いになり自己負担が一般人より減ります。多くの老人は税金を納めません。…と言うより少ないのかな? 固定資産税などは納めるのでしょうが…と言うことは、効率化社会の観点から言えば、生産性がなくなった段階で、ロボットだったら破棄処分になるわけですね。社会のお荷物にならずに、人間が働けるのはどのくらいなのでしょうか?

単純労働はそうですが、年寄りを見るといろんな事を考えさせられるし、豊富な知識がありますね。この知識はある意味で財産ですね。この財産を生かせないものでしょうか? 彼らは時間がありますし…なにやら、この辺にもビジネス・チャンスが生まれそうです。お荷物世代の老人を活用する社会の構築か… 

私の父は1989年に死にました。大腸がんの発見が遅れ肝臓に転移しており、既に手遅れの状態だったのです。あの時、父が死ぬ姿を見ながら考えたのです。人生は短い、何れ、みんな死ぬんだと…そう思ったら、やりたいように生きようと心に決め、その次の月に会社へ辞表を書き、東京に出てきて歩合セールスを始めたのです。あれから既に17年の歳月が経過しました。喰えない日々が続き、相場の低迷を考えていたのですが、対処療法ばかりの経済政策が空回りしたのです。日本の低迷は政策ミスなのです。

既に決着しているはずの政策に、再び拡大論が出てきています。与謝野が率いる官僚社会主義派の巻き返しです。廃止になったはずの高速道路建設が復活したり、社会に元気が戻ると亡霊が出てくるようです。冒頭に私の母の例を出したのは、日本には時間がないということなのです。団塊の世代が続々と退職を迎えるのに…低金利、高成長の効率化社会を目指す政策を採用するなら、消費税の引き上げも僅かで済み、株価も更に上を目指せるでしょう。しかし大幅増税で非効率な社会の構築を選択すれば、株価は既に買えない領域です。

新日鉄やフジテレビのような保身経営者ばかりが日本に存在すると、世界競争に負けるようになります。日本は未曾有の不況を経験しましたが、当たり前の選択をしていたのです。実力のない仕組み社会から指揮官を選び続けたのですね。政治家に官僚、日銀総裁など…指揮官に本物の能力がないのだから、部下である国民は悲劇を味わうのは当然の帰結です。日商岩井を倒産企業に変化させた速水が日銀総裁ですからね。恐れ入ります。三重野は株など経済活動に関係ないと言い切った人物です。兎に角、酷い人事ですね。

もう直ぐ、株主総会ですが、TOBを恐れ、保身を図る経営者が、何故、信任されるのでしょうか? 良く考えたほうがいいですね。高値で会社を買う買収者は、既存の経営者に能力がないため、自分が経営をすれば、もっと利益を上げられると算盤を弾き、買収するわけですよね。日本ボーダーフォンを買収したソフトバンクの孫氏はそう思ったのでしょう。ドコモの失った投資責任はどうなったのでしょうか? 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、何故、経営に失敗した立川さんを理事長に迎え入れたのでしょう? あそこには郵政省のOBがかなり天下りしているのでしょう。

日本と言う国は本当に、株価に見合う成長を遂げられるのでしょうか? 日本料理の創作性を考えると日本の潜在成長率の高さは群を抜いていると思いますが、何故か、成長率が低いですね。少子高齢化社会を迎え、我々一人ひとりが考え、株主総会には反対票を入れ、選挙には投票に行き、考えながら生きないといけませんね。

やはり、世に出る成功者は努力していますね。のほほんと生きては居ませんね。最近の報道を見ていると、金融庁はつまらないことで、職権を乱用しているようにも感じますね。さわかみ投資が営業自粛に追い込まれているのは、「平成9年から平成15年に海外顧客に対して行った助言業務に関して、顧客の利便性のために、法令で認められた範囲を超えて売買発注に係る業務についてまで行ってしまったこと。ならびに当該取引に関して法令で定められた書面の交付および保存を怠ったことです。」だそうです。

本質に対する処分なら仕方ありませんが、何やら、この文章からは職権の乱用のように思えますね。日本と言う国は難しい国です。一所懸命にやる奴の足ばかり引っ張る社会構成になっているようです。鹿島建設が、先日、談合を認めましたね。ようやく、官の呪縛から解放される画期的な事象でしょう。このような例を見るとGDPを大きく上回る時価総額も有り得るかな? と考えますが、与謝野のような談話を聞くと、逆にぞっとします。

果たして、少子高齢化社会を迎え、日本はこの秋にどんな政策を採用する総理大臣を選ぶのか? 民主党には本格政権派の小沢氏が党首になり、自民党はどんな選択をするのか? 一筋縄ではいかない官僚社会主義派の連中を押さえ込めるのか? それとも、高速道路のように傀儡政権の誕生になるのか? 日本の株価の行方を決めるのです。所詮、努力しない奴には、どっちでも関係ないでしょうが、一所懸命に生きようとする連中にとって、この選択は大問題なのですね。僕らは、もっと、もっと日本を変化させられるのか? それとも日本が世界の藻屑になる選択を迫られるのか? 大げさに考え過ぎでしょうかね…?