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2007年08月26日
利益の価値
いやはや…サブプライム問題急落後の相場の戻りは芳しくありませんね。半値戻しは全ね戻しと言いますが、半値戻りを達成したのは建設機械のコマツだけです。新日鐵はかなり良いほうで39%も戻しています。しかし概ね市況ものは弱いようですが…果たしてこの後どうなるか? ビスタニュースで考えて見ました。
私は最近の現象に落胆しています。今週は内閣の改造が実施されるようですが…現内閣は防衛庁人事などを見ても分かるようにブッシュ政権と同じく弱体化していますね。やっていることはある程度納得できます。もう少しアピールをしないと下手ですね。組織が大きくなると演出と言う作業が必要なのでしょうね。如何にやっていることを、綺麗に分かりやすく皆さんに解説するか?
同じことを言っていても、グラフや表などを使えば分かりやすいですが、具体的な事例を挙げずに、言葉だけで解説すると聞いているほうはチンプンカンプンです。やはり映像は必要ですね。いつも思います。NHKの朝ドラのあの冒頭の映像を撮るだけでどのくらいの予算を使い時間をかけるのか? プロは凄いですね。素人のレベルは限られます。私もこの業界ではプロのはずなのに…今度はロング・アンド・ショート戦略を実践してみようと考えています。
面白いのですね。原稿を書いてみていて思ったのですが、やはり安値はみんな8月17日なのです。ところが高値は、それぞれ若干、同系列の銘柄なのに違うのですね。多くは7月20日なのですが…あれから僅か1ヶ月です。下落率が大きいのはやはり市況ものです。住友鉱山は41%の下げです。大きな下げですね。通常は追証が入りますね。しかし既に28%戻しました。コマツは凄いですね。通常の下げになりましたね。高値が3990円で安値が2870円と千円以上下がったのに、現在値は3510円ですから…
この違いは市況ものの利益と建設機械は設備投資絡みですが、自前の営業網構築によって利益をあげられますからね。自動車のように大衆的な消費財ではありませんが、市況価格に左右される利益の質ではありません。そう言う意味でこの戻りの差が生じたのですね。皆さんも一株利益を見る上で価値のある利益なのかどうか?同じ一株利益でも違うのですね。おそらく市況ものはPER10倍、普通の生産活動はPER20倍、成長を感じさせる利益はPER30倍、高成長は成長の度合いにより40倍にも50倍にも評価されます。
最近はなくなりましたが、ネット産業で成長があるものはPER100倍以上に評価することもあります。一株利益が20円なら、市況ものなら200円、高成長産業なら2000円と10倍に違いが生じるのです。分かりますかね?この違いが…今日は書くことがないので…この辺で。。。
投稿者 kataru : 12:41
2007年08月19日
急落相場
今日はビスタニュースに急落した相場とこれからの相場観を書きましたので、コラムのほうは簡単に終ります。サブプライム問題から急落相場になりました。しかしアメリカ株以上に日本株は下がっています。理由は定かではありません。幾つかの理由をビスタニュースで掲げ検討してみましたが、分かるわけがないですね。やはり複合的な要素なのでしょう。基本的にかなり下げがきついので、一度はリバウンドをするように思いますが、週足の日記絵平均株価を見ると、戻ってもまた売られるような形に見えますね。

オレンジのラインは円ドルのラインですが、円高に触れ輸出にGDPの成長を頼っていた日本経済は危うい成長ですね。この辺りをどう考えるか? 個人がかなりFXに参入しているようで、大きなレバレッジをかけた取引なので、一方通行に動いているようです。過去、このような経験はあまりないですね。いやはや…今週は日銀の動向が注目されますが、どんな行動をとるのか? 23日に政策会議があります。
相場はアメリカの公定歩合操作により、ある程度落ち着きを取り戻すのでしょう。何処まで戻るか? そうしてその戻りのあとにどう動くのか? 金利水準、為替、原油価格、ヘッジファンドの動向など、色んな要素を考え相場をみると良いでしょう。僕には僕なりの見方はありますが、当たるかどうか分かりません。私は相場の流れが既に変っていると思っています。果たして明日以降の相場でどのような展開になるのか?
昔、サラリーマン時代に上司はこう言いました。このような下げの時は大きく動くなと言われました。彼の発言には一理ありますが、私は波乱の環境は嫌いではありません。多くの人が追証などで投げるということはチャンスだと考えています。私は強気に対処。銘柄の選択が重要になりますね。注意深くこれからの相場展開を見つめていきたいと思います。ごめんね。ビスタニュースにはかなり色々書いたのですが…此方はこの程度で留めます。
投稿者 kataru : 19:59
2007年08月05日
サブプライムローンを考える。
NY市場が急落し心配の人も多いでしょう。本来ならビスタニュースの原稿は有料のために公開はしませんが、全文ではなく前半の部分だけ公開する事にしました。NY市場は下げているようでそう下げているわけではありませんね。下のチャートを見てください。

そこで今回の急落の原因の一因と思われるサブプライム問題を中心に考えて見ました。サブプライムローンの住宅ローンに対する比率はおよそ昨年末では13.6%と言われます。
この融資額は1兆3千億ドルでおよそ155兆円です。このローンに対する延滞率が昨年後半から高くなっています。
この延滞率は今年1-3月期では13.77%だそうです。つまり21兆円ほどの融資が焦げ付き始めているわけです。
しかしサブプライムローンと言っても、住宅を担保としたローンですから融資額がまるまる損失になるわけではありません。アメリカの住宅価格は近年低迷していますが、未だに上昇しています。一部地域、サブプライムローン利用者の多いカルフォルニアやフロリダでは下落しているようですが、全体的に見れば取り立てて騒ぎ立てるほどではないと思います。週末のNY市場は引け間際に下げたといいます。故にパニック売りが入っているのでしょうね。

アメリカンホームモゲージの話題を良く引き合いに出されるようですが、この会社の規模は10位程度の会社だそうです。債券で言えばBBBクラスなのでしょう。しかし安心しているわけではありません。ABX指標(サブ・プライム住宅ローン抵当証券に対するクレジット・デフォルト・スワップ)をみるとAAAクラスも、最近売られ始めました。この現象を波及拡大のシグナルと見るのか? それとも最終局面とみるのか? 意見は分かれます。私は一時的に行き過ぎていると思いますが、再び問題化されるのだろうと思っています。理由はサブプライムローンの性質と残高の推移です。

サブプライムローンは最初の2年間は金利(5~6%)が低いのですが、その後、金利が上がる構造(7~15%)になっています。その為に住宅価格の上昇が見込めないとサブプライムローンは焦げ付く可能性が高いからです。因みにプライムローンは6~8%の固定です。
この問題は2008年の半ばまで続くという一般的な指摘がありますが、私はローンの残高がピークを迎える来年の1-3月期より前に、山場を迎えると推測しています。サブプライム問題はFRBのバーナンキ議長が指摘しているように、それほど大きな問題ではありませんが、複合的な問題が波及し始めており、株式相場に影響を与えると思っています。(こちらの解説は前回のビスタニュースで解説済み)
ここ1~2週間の株式市場の日本、および、アメリカの株価の下げは当然の調整局面で、そう取り立てて騒ぐほどの事態ではないと思っています。理由は懸念が広がっているとはいえ、実際の企業業績は好調だからです。来期予想PERは18.36倍です。4-6月期の企業業績は新興国の需要や為替差益により19%増となったようです。しかしPER18.3倍の背景にある企業の通期予想は据え置きが多く、4.2%の増益しか見込んでいません。のりしろ部分が多く存在するわけです。
8月は総じて相場が弱い時期ですが、これより大きな下げはないと思っています。ただ調整局面には違いなく、今までのような大型株式がガンガン上がる構図を望むのは無理でしょうね。部分物色に留まることでしょう。相場の流れを見極める必要がありますね。さて我々は今後どのような対策で望むべきか? BRICs相場を全面に捉え、ビスタニュースでは数回にわたり特集を組んできました。今こそ、その前に調べた新興株グループの動向が注目されます。
しかしインドの安倍首相訪問にあわせ、経団連が使節団を派遣する構図は、「アジアの隆盛」が消えたものではありません。ようやく日本企業はこの流れに乗ろうとして投資をし始めましたね。グローバル競争を念頭に置き競争に向かったようです。先日の川重、今日の住友化学など…今のところ前向きに考えています。
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投稿者 kataru : 10:59