思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

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揺れる心(2008年05月18日)

微妙な心の揺れ具合が株屋にはあります。
例えば今人気の三菱商事ですね。今年1月にオーストラリアで洪水が発生しました。この被害は深刻で資源輸出国のオーストラリアは壊滅状態です。復興には数ヶ月かかるとの話もありました。毎年4月になると資源の価格交渉が行われます。新日鐵とBHPビリトンなどの資源鉱山開発会社は高値での契約となりました。この背景には1月に発生した自然災害が大きな影響を持っています。そのツケが来週、自動車や造船と製鉄会社で決着します。新日鐵が高値で受け入れた理由は明確で、中国が先に契約を高値で結びました。その価格交渉の最中に新日鐵の在庫が尽きそうになるのですね。現在、川上の資源開発会社はどの国も挙って新規開発に乗り出しています。この需給バランスが何処で逆転するか? 常に火薬を抱えながら株を持っているようなものです。

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捕まるまで突っ走るか? それとも自重して参加しないか? どちらかの選択を迫られるわけです。4月7日頃だったと思います。原料炭の価格が3倍になったと伝わったのは…株価は3400円前後です。最初は「えっ?」と思いました。これは、すごい事になると思ったのですが、みんなが持っている主力のコア銘柄なので売り物も多いだろうと考えましたが、昨年来の高値3810円は抜くだろうと考えました。まぁ、そこで売ろうと思ったのです。状況どおり株価は上がり買い増しを続けました。ところが全体相場は、どんどん水準訂正をするのですが、買った商事の株価は先駆しており利食いに押されます。買った瞬間から1ヶ月程度、足踏みの相場です。全体の手詰まりから、先週末、物色が再開されました。業績予想は控えめに出されており、当然、増額修正は必死です。ひょっとすれば…とも思いますが、来年度は、確実に価格交渉は下げ方向でしょう。株価が6ヶ月先を織り込むなら、今年9月までの期間限定商品になります。

デフレ政策が継続されれば内需への期待は掛けられません。最近の傾向を見ると官の締め付けが大きいですね。どんどん民の行動を規制と言う形で縛っています。民間銀行が自己勘定で融資を実行しようとすれば、金融庁が危ないと言って通達で止めるのです。行動にはリスクが付き物です。安全な生活などないのです。何かしら目に見えない危険が常に存在しますね。一部の現象を、さも規制するのが当然なような考え方が、日本を暗くしていますね。船場吉兆の報道の仕方など、何故、小さな料理やそんなに大手マスコミに何度も何度も繰り返し叩かれるのでしょうか? どうもその背後に消費庁の設立を狙う官の野望が見え隠れします。自分達の考えが正しいと思っているようです。彼らの推し進めた政策の為に、これから彼らの失敗のツケを払わされるのですね。消費税が上がり、公共料金は上がり、社会負担はどんどん増大します。一見すると正しいと思う行動の影には、常に反対の動きがあるのです。