思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

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影響の輪(2008年06月29日)

「人格教育への挑戦」(キングベア出版)小林忠嗣を読んで…

やはり僕はベンチャーリンクと言う会社がますます好きになりました。この本は実話を元に構成されているようです。ベンチャーリンクが取り組む「七つの習慣」の事業ですね。僕は今の日本にもっとも欠けている部分は勉強なんかより、基本的な考え方だと思っていました。昔の修身という教育制度があったそうですが、それに似ているのでしょうか。勉強なんかより、一番大切な「心の教育」なのでしょう。「七つの習慣」はそれをマニュアル化した教育スタイルです。参考に…

北海道に住む仮名未来ちゃんが、中学生3年の6月に「七つの習慣」の教室に入ります。そうして「終わりを考えてから始める」と言う授業で、先生は未来ちゃんに「何か夢はある? 」と聞いても、頭をひねるだけで何も話そうとしませんでした。

はじめは「帰りたい」を連発し、それ以後も先生は「将来は何になりたい?」「夢をはなして」と聞いてもただ、首を振るばかり「ふん、別に」って冷めた返事ばかりでしたが、先生は根気強く聞きました。「未来ちゃんの夢は何かな?そろそろ教えてよ。」と聞いたら、未来ちゃんは「私、ケーキ屋さんになりたい」と小さな声で言ったそうです。

こんな感じで綴られていくのです。多くの子ども達が立ち直って大人になる姿がこの本には描かれています。涙が出そうになる場面もあります。誰もやらないから日本には必要なのですね。たしかベンチャーリンクはこの部門はまだ赤字の筈です。ようやく黒字になるかどうか…

僕はこの本を読んで自分を見つめ直していました。
IRNETでは、度々、政策批判を述べています。日本のGDPが成長しない理由が幾つか指摘されていますが、自分にはどうにもならない部分です。僕が努力をしても体制が変化するわけじゃありません。

この本の中で義男君のケースで離婚する両親の狭間に揺れるケースが描かれています。「影響の輪」と言う授業だそうです。自分の影響が及ばない領域をクヨクヨ考えてもしょうがないという話しです。義男君は両親の離婚問題は関心の輪ではあるが、自分が影響を与えることの出来る影響の輪以外の分野だから仕方がないと諦めて、自分自身が影響を与える問題に取り組むようになったのだそうです。

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なるほど…。株が下がるは政策責任で清貧思想の蔓延が原因だと思っていても、私自身がいくらこの主張をしても、世の中が変わるわけじゃありません。僕は日本を良くしたいと思うけれど、仕方がない問題。だから自分の生活やお客様の利益だけを考え、カラ売りでも銘柄間裁定でも、なんでもして儲けるべきなのかもしれません。先ずは自分達の利益がなくては大きなステップは踏めませんからね。この基本的な考え方の発想を変えることが出来るかどうか…。駄目なら駄目と素直に認められるかどうか。政策に逆らわずに株の売り買いを、自分の理想とは違っても成し遂げるべきではないか?と考え始めています。

実は1989年以来、カラ売りと言うものをした事がありません。ずっと買い続けてきました。でも長い下げ相場で…ようやくITバブル、再生相場と立ち直りかけたのに…再び失政の為に、日本経済は下げています。今回は恵まれた環境でチャンスなのですね。どうなるか分かりませんが、1998年、2003年そうして2008年はチャンスの年ですが…。新しい相場に入ってほしいが…駄目なら素直に認めてカラ売りも視野に入れるべきなのでしょう。ビスタニュースの原稿では、今度からは売りの対象も研究してみようと考えています。

さて、気になる作家が居ます。今井敏「隠蔽捜査」はお薦めの一冊です。