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基準やモラルとは…(2008年09月23日)

小さな横綱で偉大な記録を残した朝青龍が追い込まれています。ある意味で身から出た錆と言う評価もあるでしょうが、私には日本社会の恥部のように感じます。何故、あれほどの偉業を成し遂げた人間がこれほど叩かれるのでしょう。彼に非があるのも事実でしょうが、それ以上の実績を残している筈です。相撲協会にしても恩恵の部分が大きいと思います。異国の地に来て業界のトップまで登った彼はどんな心境なのか…頑張って欲しいものです。

日和見主義の日本。
株式市場でも値動きだけを追う動きが盛んです。しかし年老いた投資家の中には、私が証券株をお薦めした時「わしゃ、証券株は嫌いだ」で一喝されたお客様がいらっしゃいます。同じように同僚が東芝を売りましょうと声を掛けると、ある投資家は「わしゃ、東芝が好きだ。だから売らん」と言われたそうです。こうなると理屈じゃないですからね。仕方がありません。そのお客様には以後、その手のはなしはタブーになります。最近の市場を見ていると、いくらグローバル化の世界でもNY市場と同じように上下する市場には飽きがきますね。

今でも不思議に思うのですが、グローバル化と言う割りには、現実は違うのですね。アーバンと言う会社は素晴らしい経営者だと思うのです。(客観的な数字だけの判断でみれば…)だって、あの数字の伸びをみれば、素晴らしい経営者ですね。しかも赤字でない黒字企業がいきなり資金繰りで倒産するという前代未聞の現象が現実となりました。この事例は、今の日本を物語っています。金融に人がいませんね。役人に縛られていると言うか…仕組みがおかしいなら文句を役人に言えば良いのです。ところがUFJの現実を見て萎縮したのでしょうね。これでは国が良くなりませんね。現場が指導者に現実を伝えることが出来ない。政治家もだらしがないし…落ちぶれる日本。働く若者を痛めつける日本。ライブドアとIHIの違いを説明して欲しいですね。悲しい国ですよ。

アメリカがダブル・スタンダードの疑いで叩かれています。確かにリーマンとAIGは何が違うのか? 謎です。リーマンは儲けに対し、なりふり構わず…節度がないと言われていました。確かにお金を貸して、その会社を応援すると思ったのですが、違いました。内情を知った彼らは、増資で得た株券を売り更にカラ売りを掛けます。トコトン搾り取るのです。だからグリード(貪欲)と呼ばれるのでしょう。効率主義のアメリカでも儲け方に注文をつけるのです。市場主義のアメリカも二重基準の疑いがもたれると信用が失われます。日本の場合はケース・バイ・ケースでどうなるのかサッパリ分からない始末です。日本人の私が分からないのだから、海外から見れば奇異に移るでしょう。きっと大きな価値観の変遷が背景にあるのでしょう。江戸時代から明治に移ったような…だから混乱をしているのでしょうね。

最近、思うのです。些細な現象が大きな現象になり、本来は間違っている筈なのに、それが市場に反映されるのですね。ネット社会について、よく考えるようになりました。どうやって僕等は、ネットを利用するか? 利用する側に節度が必要だと考えるのです。そうして儲けに対しても節度があるのかもしれないと…。行動の価値観や基準は人によりマチマチです。社会起業家と言う言葉がはやり、その精神を根底に社会が変化すれば素晴らしいなとも考えますね。しかし現実は三笠フーズに、中国の牛乳問題。企業のCS(Customer Satisfaction)活動が重要な価値観の一つになるかもしれません。

揺れ動く市場を考えると、株価の位置を決めるのは大変なことです。