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揺り戻し(2009年01月18日)

2006年が転機だったと思うのですが…
森政権は当初は馬鹿な内閣かな?と思ったのですが、しかし彼のおかげで情報インフラ整備が進みました。下地があったためにインターネットを中心とする新たな産業が雇用を支えているのですが、2006年のライブドア事件からブルドック、グッドウィルと小泉政権で抑えられていた反体制勢力の巻き返しが始まり、麻生内閣の誕生は55年体制の公共事業投資を復活させるなど…傾斜しているように感じます。古きよき時代が復活できれば良いのですが…そんな幻想は早く明らめたほうが良いでしょう。既に日本は労働生産性から見てグローバル競争に勝てない体質なのです。高い法人税に色んな規制をクリアできるほど余裕はありませんね。社内失業者を雇用できるゆとりなどないのです。仕事をしない連中を雇用できるなんて思わないほうが良いでしょう。

日産自動車が国内消費分まで生産活動をタイに移管するそうです。始まりましたね、いよいよ…。国内で生産コストが見合わないから移管します。空洞化の再現です。実は以前にも似たような現象があり、パイオニアが終身雇用制度をやめる時に国内で大問題になりました。経済を認識できない官僚や政治家は時代遅れの精神論を翳し社会を混乱させます。厚生労働省のグッドウィルへの仕打ちはどう考えても現場の意見を汲んでいない役人の横暴でしょう。内部事情を良く知らないから一概に言えませんが客観的に見てそう感じます。だって24時間介護を謳って努力したのはグッドウィルだけ…。厚生労働省が定めたあの基準賃金で介護の仕事を黒字にさせるのには至難の業でしょう。それを都合の悪い部分だけ巨大化させ清貧思想を押し付けるのです。社会全般の利益を考えた場合、どっちが正しいのでしょうか? 二重派遣が問題化した件もそう思います。法律がおかしいと…考えるのです。

役人の言い分も分かります。事故が起きるたびにエイズ問題のように責任論を押し付けられる。米国で禁止されていた事例を直ぐに日本でも取り入れれば不幸は起こらなかった。しかしあのような積み重ねが、役人の行動を加速させたのではないか? 小さな痛ましい交通事故で幼い命が失われ、両親の気持ちは痛いほど分かりますが、その為に交通違反の罰則は重くなり多くの人の輪が切れるのです。田舎では交通手段がなく、「まぁ一杯、やんなせい。」と、もてなして人の輪が広がるのに…。車に乗っているというだけでコミュニケーション機会が失われる。全てがマニュアル化し社会常識がルールに決め付けられる。人間の思考がロボット化しているのでしょう。社会に失望し若者はジレンマを覚えるわけです。

2006年から色々考えさせられています。自分の愚かな行動を含めて…。フジテレビの日枝さんのような考えかたが一般的なのでしょうね。しかしマスメディアのあり方を変えないとなかなか社会は変わりませんね。極端な例を誇張しすぎです。隣の外務員の奥さんが介護の仕事をしていて、若者の応募がないと嘆いていました。200万や300万の条件では労働のきつい仕事に応募がないのです。適当に稼いで遊びたいから契約社員に応募したのではないでしょうか? 学校を卒業して本当に働きたいなら、いくらでも正社員の道はあったでしょう。契約社員の派遣村などと…やらせの戦略に嵌まっているように感じます。厚生労働省の資料を見ればパート社員の雇用機会が失われたイオンの例の方が悲惨の筈です。でも日本は製造業の国でリストラをしなくてはならないから、スケープゴートが必要だったのでしょう。だから仕方がないと国民の感情を変えるための報道かな?と考えています。

日産自動車のタイ移管はあまり問題化されていませんね。経団連もその方向で動くのでしょう。国は国民の財産と命を守ると長年考えていましたが、国家は国家の存続を一番に考えるから官僚の抵抗が当たり前なのでしょう。総務省はその為のお目付け機関なのでしょう。基本的に市場原理が働かない国だから正論を翳しても無駄なのでしょう。最近は五木寛之の考え方に傾いています。既得権力者の巣窟を崩すのは大変です。オリックスのかんぽ問題も、なんとなくそんなイメージかな? 宮内さんは市場原理の考え方ですからね。西川さんもそうです。小泉内閣のメンバーは殆んどが、市場原理派でしょう。その揺り戻しが起こっているのでしょう。