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素晴らしい投資銀行の力(2009年02月01日)

何故、皆で金融の世界を苛めるのでしょう。
おかしな動きです。確かに金融の世界は一人のアイディアが莫大な資金を生みますから、成果型の報酬制度を採用するアメリカは異常なボーナスになります。中には暴露本に出ているように悪いことをする連中もたくさん居るでしょう。日本にもたくさんいます。しかしマイナス面ばかり強調しないで欲しいのです。ソフトバンクは日本の社会を変えていますし、小さな例でも僕の友人は日本の地域医療に貢献しています。あの時、外資が彼のビジネスに800億円もの資金提供を申し入れてなければ、彼の今日はなく、日本の地域医療の再生もなかったでしょう。金融でデリバティブが発達したおかげで、これまで取れないリスクが取れるようになり、絶対に資金が回らない場所にも、意欲と熱意があれば資金が回るようになり、10年、20年も掛かっていた事業が、僅か5年ほどで世の中に貢献するのです。

バブルの崩壊で打ちひしがれた日本経済に光明を与えたのは投資銀行の存在ですね。誰も買わなくなった土地を収益還元法と言う考え方を用いて買ってくれたのは投資銀行です。決して大蔵省でも日銀でもないですよ。日本の政策は無力だったのです。その活路を開いたのは投資銀行の力です。ほれ見たことか、所詮、金融なんて…不労所得だと製造業回帰を思うのは自由です。しかし金融がなければ動きません。どんなにいい技術進歩があっても大量生産する資金を誰がくれるのですか?

日銀はコマーシャル・ペーパーを買ったようですね。しかし…一社あたりの制限があり成果が出ていません。AのランクでCPを出している企業は限られます。しかも格下げに見込めるから、皆が売りたい企業は集中します。当たり前の事なのです。量的緩和まで追い込まれた事態を放置したのは日銀でしょう。金利を下げても資金提供できない仕組みを作ったのは金融庁と日銀でしょう。黒字倒産の社会を創ったのは政策ですよ。ここまで悪化したのだからリスクがあるのは当たり前。どんどん格下げされる企業を減らす努力しなくては、みんな倒産します。資産デフレが進行している以上、不退転の決意でデフレを止めるのが中央銀行の役目です。本当に…サラリーマンは困ったものです。自分で責任を被ることをしない。

FRBは果敢にやっていましたが、どうも新政権の意向が反映しているような…果たしてオバマさんは金融経済を理解できるのかな? 小さな悪行よりも全体の動きを見て政策を実行して欲しいものです。