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コラム

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心を自然へ(2009年03月01日)

客観的にみるならば、こんなに面白い場面は一生に一度、味合えるかどうか…。人生の転機と言っても過言ではありません。しかし当事者の心の中はひどいものです。
日本が先行してバブル崩壊し、その処理に追われ、なんと未だに掛かっているのです。20年ですよ。一般的には2003年に終ったと思われていますが、みずほをはじめ、りそななどは未だに公的資金の返済が済んでいませんからね。みずほの場合は公的資金の返済は済みましたが、2003年に募集した1兆円の優先株の処理が済んでいません。同じことがアメリカ発で起こりました。サブプライムローンから金融デリバティブの処理ですね。この対応をアメリカでは模索している最中ですが、イギリスではバッドバンク構想で対応しているようです。今日の日経新聞にはRBS方式が載っています。10%は銀行の責任で、残り90%は政府の責任。良い方式です。何故なら金融機関の自己資本比率規制は概ね10%だからです。

昨日の日経夕刊を読んで思わず笑い転げました。FRBの元理事のフレドリック・ミシュキン氏がNYで講演をして、「日本は大馬鹿やろうだ」と日本の金融・財政政策を批判したというのです。まさに市場原理を無視した非効率な政策運営をするから、日本の社会はどんどん萎縮していきます。行動が制約されれば、国は疲弊するしかありませんね。サラ金法の改正に始まり建築基準改正法、金融商品等の販売法など…数え上げればキリがありません。今、問われている薬事法も確実にネット販売は禁止になるしょう。

法律制定の狙いが違うのでしょう。
国民生活を豊かにするためではなく、自分たち監督者に害が及ばない為の後ろ向きの法律だから、全ての行動が制約されるように作られるのです。金融商品販売法下で、投資信託を買ってみれば分かります。この商品は元本割れの可能性があり、利息ももらえない可能性があります。お金にしたくても出来ない可能性があります。…など、さんざん脅してそれでも欲しければ署名、捺印をして購入は自己責任です。一度や二度ならいざ知らず、なんども繰り返し問われるのが金融販売です。何処の世界でこれほど馬鹿な販売をしている国があるのでしょう。家電製品を買う時に性能説明のほかに、この商品が火を噴いてお宅が火事になっても我々の責任ではありません。爆発の危険があります。などと言って書面の提出を求めますか? いやはや…。株が下がると愚痴ばかりで…。

景気を回復させることは簡単です。政府はなんだって出来るのです。
今、僕らはネットのおかげで世界中の株を買うことが可能になっています。しかし概ねアメリカのユダヤ金融が試練を受けていますから駄目なのですが…チャンスでしょうね。シティーバンクは自分で犯した過ちですが、バンカメはメリルを買収した為に苦境に陥っているのです。だから救われる可能性が高いと思います。そう考えると、今、ファイナンス中の野村も同様ですね。しかし日経ヴェリタスが主張する純資産価値など意味がありません。日経新聞は野村の朋友ですから…。テレビ東京を見れば分かります。三菱銀行が純資産価値を下回り、しかも僅か10%の希薄化で下げたのですから…野村は40%ですからね。あと数日ですが…恐い株です。だから野村の手腕が問われます。

この純資産価値を大幅に割り込む会社がたくさんあります。歴史の古い企業は簿価も低い筈です。更に良い場所に資産を持っていますね。メーカーより非製造業の方が消費者に近い場所に資産があるでしょう。私には三菱銀行が純資産以下に置かれている現状を思うと、異常な株価に見えるのです。三菱銀行は都心の一等地に、自前で店舗を構えていますね。みずほのようにバブルの清算に苦しんでいるわけではありません。ガードが甘いとすれば高値で株式の持ち合い要請に応じたことでしょう。この程度は許される。同じく日経を読むと郵貯が民間企業の要請に応じて出資すると言います。

ここが重要です。
郵政民営化の素晴らしい点は、預かり資産が効率的に運用されることです。1989年までは政府に任せておけば大丈夫だったのですが、1985年前後を境に日本の官僚はアホになりました。大蔵省のノーパンしゃぶしゃぶ事件を見れば分かります。モラルを欠いて国のお金の統治能力を失ったのです。だから郵政のお金を財政投融資に回し続けると、日本国が疲弊する時間が早くなり、すぐに駄目になるのです。郵政民営化の一番良い所は、資産運営の効率化されることです。何故、未だに郵政民営化を巻き返そうと、彼らが企んでいるのは予算配分権の問題ですね。小泉改革の行き過ぎもあるでしょう。私も当時、竹中批判をしていましたが、それは方法論の問題であって、考え方の根底は変わりません。

日経ヴェリタスのGSのアビー・コーエン氏の見方を支持します。その通りだと思います。彼女の意見をずっと読んでいますが、彼女の主張は正しいと思いますね。確かにGSやMSに比べ商業銀行の株価は弱いので、同じく日経の高井さんが「カード大国、仁義なき回収合戦」の懸念もあります。しかし彼は市場の動きを見ているでしょうか? やはり株価は時代の鏡です。JPモルガンの株価背景を良くみるべきですね。読者に誤った判断を与える内容の報道を取り上げるべきではありません。常に人間の気持ちは、目先的なものにとらわれ、その間違った現象を判断材料に使います。分からなければ時間を置けば良いし…。自然に還れば心が安らぎます。疲れたら自然が心を癒してくれるでしょう。何れ正しく見えるようになります。今日のビスタの原稿はこんな延長戦で、お約束したリストを含め書いていきます。