思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

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千秋楽(2009年05月24日)

東京は雨もあがり空が明るくなってきました。先ほど日馬富士が初優勝を決めました。
本割りは琴欧州との一番でしたが、立会い後、不利な姿勢から首投げの捨て身とも思われる技で、あのタイミングでしか決まらない絶妙な技でした。流石に相撲の技を知り尽くしたと言うより、小兵ゆえ、かなり相撲を事前に勉強するのでしょうね。色んなパターンにも耐えられるように、技を普段から磨いているのでしょう。朝青龍と白鵬の一番は傷めた腰の傷の為に朝青龍は力が出ませんでしたね。万全でも五分五分なのに…、不利を抱えての相撲で…。おとうと弟子とも言える日馬富士に、初優勝をプレゼントしたいのが朝青龍の胸の内でしょうが出来ませんでした。決定戦で見事に優勝した日馬富士は立派でした。

もう一つのドラマは千代大海です。
大関在位62場所で、13回の角番を経験する千代大海は転落のかかった最後の一番でした。弱小の大関の代名詞のように批判する声が多くありました。安美錦に敗れた11日目の相撲で、負け越したら引退をすべしとの声が多くありましたが、本人は琴欧州に負けた相撲後、大関を陥落しても相撲をとり続けると述べていました。この声にたいする批判はかなり多かったですね。負けたら潔くは…一つの美学です。しかしだからこそ、負けても頑張る相撲をとるというのも、一つの選択肢ですね。大関と言う地位を汚さぬ為にも潔さを求める声、その背景には、まぁ、これまでの布石はあるのですね。

日馬富士の登場で本場所が盛り上がりましたが、毎場所、勝ち越しだけをするような不甲斐無い相撲をとる大関達には、以前から、不満が充満していました。人間の感情と言うのは面白いもので、一つの現象は、積み重ねの中で成り立っています。爆発する切っ掛けは些細なことで、その現象だけを追っても意味はありません。長い時間の流れがあり、その過程に色んな思いが積み重なっているのです。

相撲と言うのは面白いですね。白鵬は24歳、朝青龍は28歳、日馬富士は25歳の若さです。千代大海は33歳で、魁皇は36歳ですね。このような若い世代が実績を争って世間の風の中で揺れているのです。どの世界も一緒の流れがありますね。株式相場の世界でもそうです。一気に株価が上がるなら面白さがありませんね。株価が上下する事によって、投資家の心情が、その動きの中で垣間見られます。仕切りを続けるなかでの、にらみ合いなど…力士の心情を察すると、色んなドラマがあります。14連敗で今日を迎え、18年ぶりの記録か?と不名誉な記録を騒がれた豊真将は、あとのない千秋楽で貴重な1勝を上げたあと、土俵で涙ぐんでいました。彼の心情はどんな思いなのでしょう。

株価も一緒です。調整の仕方が問われるのですね。上がっている時より休んでいる時間が大切なのでしょう。この動きに貴重なドラマがあります。