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コラム

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新しい時代(2009年09月20日)

誰しもが思う「うつむき加減の日本」。だからこそ、日本が輝いた昭和30年代への郷愁が蠢くのでしょう。しかし時代の変革は、過去への憧れとは別の形で進みます。そのことは歴史が証明していますね。貴族から武士、江戸から明治と…、体制転換はかなり時間を要しています。やはり「パラダイム・ショック」(枠組みの再構築)は世代交代で完了するのでしょう。一部の大臣から時代ボケした発言も聞かれますが、法案の一元化や情報の公開など、開かれた政府の印象を持ちます。今までの55年体制は、全ての決まりごとが妥協の産物で、整合を保とうとした為にケース・バイ・ケースの曖昧な裁量行政でした。

一例を挙げれば、粉飾決算への対応ですね。企業のより上場廃止になったり、管理ポストの反省期間を経て復帰できたり、後出しジャンケンが、まかり通る不可思議な現実がありました。基準が曲がっているから市場が歪むのは当然ですね。このような現象は小さな国で生きる知恵ですね。みんなが共存できる体制を作るために「暗黙の秩序」が生まれ、その秩序の為に裁量権が生まれました。しかし時代の変遷で、この「暗黙の秩序」の体制を維持できなくなりました。代表的な例は終身雇用に年功序列でしょう。

「暗黙の秩序」の維持をする為に無理をしてきて、多くの社内失業者を生みました。しかし無理は続きません。その一例が「リストラクチャリング」を断行した新日鐵などの鉄鋼業でしょう。鉄鋼業は今でこそ高収益体質ですが、空前規模のリストラを実行しました。1973年から2001年まで年率1%程度しか伸びない産業なのに多くの社員の要求を受け入れる為に無理を重ねてきて、遂に破綻状況になったのが90年代のリストラです。1989年に釜石製鉄所の高炉が止められますが、なかなか体質転換できなかったのです。6万人いた社員を2万人に減らす作業をしました。年収600万円の社員を4万人も減らしたのです。勿論、大企業なので子会社へ配置換えで半数以上の社員の雇用を続け、年収を300万円程度に落としたのですね。実体は30%程度の削減なのでしょう。

巨大化した官僚システムにメスが入るかどうか…
新日鐵が改革してから10年以上が経過します。ようやく日本の本丸にメスが入り、いろんな問題が表面化することでしょう。民主党案の2割の公務員削減はある意味で当たり前の水準です。何故、今、久しぶりにワクワクしているのか? それは長年、願っていた構造改革が本当に出来るかもしれないからですね。小泉改革は郵政民営化を旗印に、古い体質の55年体制の構造改革に乗り出しましたが、途中で妨害にあい腰砕けしました。だから自民党から民主党に政権が交代したのでしょう。1985年のプラザ合意を、何故、転換点にしているのか?と問われれば、日本が加工貿易で世界から、お目こぼしの享受を拒否された転換点だからです。あの時から産業構造を変えて構造改革すべきだったのですが出来なかった。

半導体産業は昔、日本がトップ企業だったのです。ところが台湾や韓国に奪われました。おそらく車も…可能性がありますね。残念ながら、民主党案は、未だに新しい日本の形を見せていません。やっていることは小手先の子供の遊び程度の話しですが、大きなシステム転換を実行しています。官から民への政権を移転させています。おそらく法案の一元化が実現し情報公開がなされれば、新しい時代が見えるでしょう。さて株価への影響の考え方はいくつかあります。それをビスタニュースでは、これから考えて見ます。