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市場の役割(2009年10月04日)
何時の時代も生きる術があるのでしょう。
成長論を求める市場原理は行き過ぎると反省が生まれます。株式が上がる過程と同じですね。現代では米国の市場主義が行き過ぎてその反動から多くの人に困窮を強いているから、当然、当事者は反省させられると言う世論ですが、金融デリバティブはある意味で時代の進歩を助けているのでしょう。亀井大臣の国民新党では日経平均株価先物取引の廃止を述べていました。日本の終身雇用や年功序列を支えた二つの原理である土地神話による銀行融資と株式持合いによる作られた株価が資本の円滑な調達機能でした。
しかし「プラザ合意の罠」で金利平価説を重んじた元日銀総裁の澄田さんが過剰融資を見逃し資産インフレを容認したので、土地担保融資の論理的な成長を逸脱してバブルが生まれ、その反省に立った三重野日銀総裁が今度は過剰な引き締め策を実施したので、益々、経済は混迷し疲弊していきました。今ではリストラや希望退職は当たり前ですが、当時は、人員削減などは有り得ない選択でした。このミスに市場が日経平均株価の先物売りで、日本の根幹を揺るがす試練を与えました。国民新党はここを言っているのでしょう。古きよき時代か…。
長らくの日本経済の低迷の元凶は、銀行融資と株式市場の衰退です。何故か、誰もここを問いませんね。悲しい事です。新政権に一番大切なお金の流れを考える人が居れば良いのですが…。幸い、新内閣は市場との懇談会を持つと言います。果たしてお金が回ってない原因である金融検査がどうなるか…。確かに官僚政治により腐敗した資金配分バランスが崩れたことも日本の混迷の原因ですが、1400兆円にものぼる個人の金融資産が円滑に動かない現実があり円高が進行しています。可笑しな話ですね。
銀行貸し出しと、企業が円滑な資金調達が出来るように活況を呈した株式市場は、非常に重要です。東芝の社員を救ったのは株式市場の資金調達能力ですね。株で儲けると言う行為が、円滑な資金調達の場を支えています。今、一度、我々は市場の役割を考え直さねばなりません。