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コラム

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成長戦略(2009年11月08日)

サブプライムローンから金融デリバティブの問題に発展した当事者の米国は景気回復の途上にありますが、市場の二番底懸念を打ち消す形で追加の景気刺激策を発表しました。
マスコミの総合評価は、減税策では雇用の改善を打ち出すには力不足との評価が多いようですが、流石、市場経済の国ですね。羨ましい限りです。

この追加対策は今年の夏ごろから指摘されており、株式相場を支える原動力になっていたようです。先週末、株価が確りしていたのは、この追加景気対策が理由ですね。金曜日の「今日の市況」の冒頭で、「NY市場は失業保険申請件数が減ったとか…、労働生産性が上昇したとかと言う理由で株が上がったと言いますが…どうしてなのかな?」と市場の解説に疑問を持ち調べましたが…こういうことだったのでしょう。如何に市場の解説がいい加減なものか、お分かりいただけると思います。マスコミの言葉など当てになりません。

11月末で切れる予定になっていた住宅取得者への減税措置を来年4月まで継続することや失業保険の給付期間の延長を柱とする法案を賛成多数で可決し延長が決まったようです。この背景は改善しているとは言え、弱い景気回復の梃入れです。その様子は少し長い期間の失業率の推移を見れば明らかですね。1982年から1983年にかけて米国は深刻な経済状態でした。その時以来ですから…26年ぶりになるのでしょう。

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日本は政権交代により、本格的な効率化社会に向けた第一歩を踏み出しました。しかし現在までは予算の見直しが中心で、株式市場は現政権の政策を及第点と見なしていないようです。2006年に、わが国は折角のチャンスを生かせずに既得権勢力の圧力に屈して構造改革を成し遂げられませんでした。今回は政権を変えて再挑戦です。今のところ内需振興を謳う新政権のプロセスは具体性に欠け、市場は評価していません。

日本政府が東南アジアのメコン川流域5カ国と初めて開いた「日メコン首脳会議」は7日、長期的なビジョンとしての東アジア共同体の設立に各国が貢献するとした「日メコン首脳東京宣言」を採択し閉幕しました。また鳩山由紀夫首相が6日に表明した3年間で5千億円以上の開発支援の具体策など63項目の行動計画にも合意した。…と発表されています。参加したのはタイ、カンボジア、ラオス、ベトナム、ミャンマー(ビルマ)。
タイは2008年の調査で6338万人。カンボジアは2006年の推定で1332万人。ラオスは2006年で621万人。ベトナムは2009年の調査で8578万人。軍事政権下のミャンマーは5322万人だそうです。何故かこのような成長戦略の報道は少なくマスコミは報道姿勢を変えるべきでしょう。

少子化高齢化など、経済成長の阻害要因になりません。経済圏を融合すれば問題は解決できます。日産自動車は来年の3月から世界で売り出すコンパクトカーをタイで生産します。IBMの株価はこの金融危機でも意外に確りしています。世界戦略を的確にこなしていれば株価は下がりません。この一例ですね。IBMは早くから実行部隊をインドに移管しています。この例でも分かるように日本でも同様の動きが現れ、ホンダは寄居新工場の稼動を延期して、わが国でいち早く世界戦略対応に乗り出しています。今日の日経新聞にも掲載されていましたね。実は日本精工なども動き出しています。

成長戦略が垣間見られる民主党政権の政策が、どう開花するか? 
今日のビスタニュースでは、アジア戦略を含め具体的な銘柄を検証します。同時に短期戦略も…考えて見ます。

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