思わぬ相場の真実が発見できる

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ビスタの原稿3(2009年12月06日)

前2回で、時代の背景を見ながら現代との関連付けを考えてきました。 景気には波と言うのがあります。太陽が東から昇り西へ沈むように、森羅万象にはリズムがあります。そうして相場にも同じような波が存在します。歴史の流れもそうですね。長州藩は尊皇攘夷派だったのですが、やがて列強諸国との技術力の違いを見せられ開国に傾きます。現代社会の日本も、世界から「奇跡の復活」と賞賛されたのに、その立役者の肥大化した組織が崩れそうになっています。ベルリンの壁崩壊を切っ掛けにBRICsは躍進を続けているのに、先進国の争いでも、置いてきぼりを食らっているのが日本の現状でしょう。このような環境下で体制転換を成し遂げ、成長できる芽はやはり「技術革新」だと思います。

 
 

スティーブンソンの蒸気機関車 産業革命期のイギリスの躍進は素晴らしく、その輪は広がっていきます。日本の転換にもベルリンの壁崩壊と同じような決別が14年遅れて2003年に起こっています。それまで仲良しクラブだった「政・官・民の癒着構造」の崩壊が始まったのが2003年です。仲間だった銀行の経営陣と、責任を取りたくない官僚組織が仲違いするのです。無論、この過程で政治家の裏切りもあり、鉄壁を誇っていた組織が崩壊するのが2003年であり、郵政の民営化は一つの現象なのですね。仕方ないのです。肥大化する組織が維持できなくなったのです。ルイ16世がもっていた馬車は217台、馬は1500頭、狩猟犬は1万匹だというのです。それだけの勢力を維持する財政的な背景がなかったから崩壊したのでしょう。現在、金融制裁を受けている北朝鮮は金を売却しているそうですが、何れ破綻するでしょう。すべての源はやはりお金なのですね。少し残念だけれど本当の話です。日本の財政も破綻寸前です。やがて気づくでしょう。夕張市の現状は何も他人事ではないのです。明日のわが身ですよ。  
 

このような歴史的な背景が理解できれば、その流れに沿った銘柄を買えば儲かるはずですね。時代の要請に基づいた産業は伸びるのです。蒸気機関車はあの時代の社会の要求に合っていたのですね。

 
 
ヤフーのチャート  
 

過去の日本の成長株をみると東電通(現在のソニー)トヨタ、松下など素晴らしい成長をしたのですね。近年ではセブンイレブンの株式も併合されましたが大きく成長しました。最近では任天堂やヤフーでしょうか? 数億円の付加価値を生むんですね。70万円のヤフーは5億円になるのです。(初値を買うと200万円ですが…)このような成功体験の輪が連鎖現象を生み時代を進めるのです。

 
 
インターネット利用者と所得  
 

しかし残念な事に、日本は村社会の論理が強く、成功者を称えるより妬むのが社会の構図です。画一教育からマスコミの情報操作を通じて意識の画一化が計画されて、中流意識を持つ日本人の大衆化が定着しています。問題はここにあります。国民が時代の進歩を実感しないと選挙を通じた政治も変わらないし、官僚社会主義の政策も変わらないのです。その変化を与えるのがインターネットなどの自由な意見発言の場なのです。個人が自らの力で情報を発信できますから、信頼性の優劣はありますが、規制されない真実が発信されているのです。創作されてない真の情報の価値がここにあります。ビスタニュースには、是非、この役を担って欲しいものですね。

 
 
ジニ係数  
 

ジニ係数とは:イタリアの数理統計学者ジニが1936年に考案した指数です。所得に関するジニ係数なら、「その国や集団の構成員の所得格差が、全体として、平均所得に対しどれだけになるか」を表します。たとえば、平均所得が500万円でジニ係数が0・4の集団なら、構成員どうしの所得の差を全体としてみると、500万円の40%にあたる、200万円の格差があることになります。格差がない完全平等な集団ではジニ係数は0となります。一人だけが全所得を独占する完全不平等の集団では、ジニ係数は限りなく1に近づきます。通常は0と1の間の数値をとり、数値が大きいほど、構成員相互の格差が大きい不平等な集団だということになります。

ネット利用者の所得水準が高いことは、データから証明されています。また今のうちに正しい情報をもとに行動すれば、年老いた時に所得の格差を実感しないで済むでしょう。ジニ指数の推移を見ればわかるように、世代間の所得格差はこれからも開くでしょう。この違いは何か? 情報の価値観なのでしょうね。株で儲かる事は働く以上に大切ですね。大きな富は豊かな生活を約束します。情報の価値観がどんどん増すのです。ネット取引により株式の売買手数料は下がりましたが、逆に情報の価値はどんどん高まっています。時代を見失わない真の情報が最終的に勝利をもたらすのです。



みずほのチャート  
 

2003年の株価が急落していく最中、大新聞は銀行の苦境を連日報道し、みずほは倒産すると書きたてていました。丁度、ゴールデンウィーク中に行われた統合によるシステム障害が重なり、事態をより悪化したのです。割れる筈がない10万円を割れた株は下げ続けるのです。しかし私はこんな馬鹿なはずが…と思い、一人で果敢に立ち向かいました。銀行の復活がなければ日本の復活もないと考えていたからです。あの当時は本当に苦しかった。自分の生活も大変だったのです。目の前に迫る借金の返済、悲観的な論調を繰り返すマスメディア。誰も味方がいません。しかし誰が考えても正論は一つのはずです。大銀行が倒産すれば日本はもっと大変になると…。だから、下がり続ける株価を買い続けたのです。最近の楽天の三木谷氏の逮捕の週刊誌報道も、あの当時のみずほと同じ手の報道です。  
 
同じことが、今、再び起こっています。インフラ整備など必要もない産業の株が統合期待?M&A期待で上がる? おかしいと思いませんか? M&Aとは何か? 組織が疲弊し社会に必要ないから、併合し効率化を図るのですね。日本の建設業も大変な時代を迎えるでしょう。勿論、M&Aには成長を加速させる為に、統合し時間を節約する意味もあります。しかし新日鉄に起こっている現象は明らかに違いますね。相場は間違っています。このエネルギーを新興産業に向けるのが市場の役目のはずです。  
 
相場の世界でも行き過ぎと時間の調整があります。イギリスもフランスも王政復古した時代がありました。何故、私達は歴史に学ばないのでしょうか?  
 
仮にこのまま揺り戻し政策が加速するならば、日本国を維持できなくなりますね。すべての国民は日本の夕張化に備え自衛手段を求められます。日本からの脱出を考えないといけません。私達は世界共通語の英語を学び、外貨預金をして向こうで暮らす術を身に付けなくてはなりません。グリーンカードを手に入れるために、子供を留学させたり、早めに手を打つ作業をしなくてはならなくなります。円は更に急落するでしょう。  
 
安倍政権の役割は非常に重要ですね。時間がないのです。少子高齢化に向け政策の失敗は既に許されないのです。果たして2007年は、どんな年になるのでしょうか? 日本が正しい道を歩むなら新興株の復活が約束されます。故に株価の下がった新興株を中心に業績のいい銘柄をピックアップしておけば良いのです。後はチャート波動を観察し、移動平均線が上向きになりゴールデンクロスをするような銘柄を中心に買っていけば成果が約束されますね。一目均衡表でもいいですよ。雲を抜けた銘柄を中心に取り組めば良いのです。  
 
それでは次回はスクリーニングをして銘柄を選ぶ作業をしてみましょう。誰にでも簡単にできるスクリーニングを、ともに勉強しましょうか? それとも統計から見る株式相場を考えましょうか? どちらにしようかな?