世界の相場の景色図(2009年12月13日)
世界の実際の景気回復のスピードがかなり違います。
日本はバブル崩壊の影響を色濃く受け冷戦終了後の市場経済化に大きく遅れています。欧米の金融力に頼り、市場化経済化に向ったのが2002年の小泉内閣誕生です。そうして軌道に乗り始めたのが2003年からの3年間ですが、2006年に日本特有の揺り戻し作業が入り、現在、民主党新政権下で新しい動きを模索しています。
BRICsを代表とする中国などは、当初、欧米金融の力を利用し成長を加速しましたが金融危機によりやはり打撃を受けました。しかし共産党一党支配の為に、統率が取れて世界でいち早く成長路線に入り始めました。4兆元と言う巨額の財政出動により、現在でも世界が真似をする経済政策である家電下郷や汽車下郷を率先してやり遂げ、民需に繋ぎました。
一方、金融危機の当事者の米国なども、まだ中国ほど確かではありませんが、雇用統計に成果が現れるほどまで回復しつつあります。金融機関の公的資金返済を考えると分かりやすいですね。日本では「りそな」は未だに返済していませんが、米国のバンカメは返済に目処をつけ、あのシティーまでもが返済を検討しています。このスピード感の違いは日本が既得権力者との利害調整に戸惑っているからです。諸外国は市場原理で物事が決まっています。金融危機を利用して市場原理主義悪玉論が日本で沸き起こっていますが、間違った報道ですね。市場原理は行き過ぎもありますが、常に修正されているのです。故に金融のレバレッジが改善の方向性にあるのです。それが日本で問題とされている銀行の自己資本問題で増資問題に繋がっています。清貧思想の日本は投資銀行業務が皆無です。
中国は金融相場が終了し業績相場に移行していますが、米国は金融相場半ばです。日本はまだ金融相場にも入っていません。入り口にいます。その為に世界経済を相手にするグローバル企業の株価は高値圏にありますが、内需産業の株式は空前の安値圏に位置しています。このような景色図を読み間違った為に、昨年からの相場に乗り遅れました。
全ては政策次第なのです。
政策が金融拡大に方向性を向け、内需振興を目標にすれば、当然、これからは日本も金融相場に入る事になります。果たして民主党政権が正しい政策を採用できるかどうかが相場の分かれ目となります。既に中国は業績相場、その様子はわが国の統計値に表れ始めています。中国は空前の設備投資ラッシュになっています。今日はそのグラフを日本工作機械工業会の資料より伝えます。内需の伸びはさほどありませんが外需は順調に伸び始めました。
(ビスタニュースの読者の方へ…このように相場の焦点を何処に置くかにより銘柄選抜が変わります。前者が日本で後者が中国の銘柄選別です。どちらを主眼に選ぶか?二つの銘柄によりますね。)