価値観(2010年04月29日)
最近、良く考えるのが「価値観の相違」と言うテーマです。
人それぞれに選ぶ洋服が違うように、ものに対する評価基準は違います。生きてきた時代により価値観が変化しますし、育ってきた環境にも大きく価値観は影響されます。株式市場はみんなが感じる心を育てる場。こんな国になって欲しい。こんな企業が育って欲しい。だから応援する…そんな場だと考えてきました。かたる君が歩合セールスになった動機は「加藤あきら」と言う歩合セールスが市場を席巻した時代があり、その影響もありますが同時に浜松ホトニクスのような研究開発型の企業を応援したいと考えた気持ちもありました。世界的な会社を育てることが出来れば嬉しいな…と思います。
日本には国際的に育った数多くの会社が存在します。
先人達の努力により世界市場を開拓してきました。企業が育つ影で働く金融の力を軽視し始めた為に日本は没落してきたのでしょう。土地担保金融や持ち合い株の崩壊は目には見えませんが需要な要素だったのです。金融の力を軽視する偏重した考え方が指導者になされ日本は没落し、優れた日本的制度の終身雇用と年功序列が崩れ、儒教の秩序が失われ、崩壊する過程が「失われた時代」なのでしょう。時代錯誤思考の政治家や役人達が過去の蓄積を食い潰しているのが今の時代なのでしょう。
でも最近、変化を感じるのは、民主党政権の誕生が切っ掛けになり、新たな行動を起こした企業経営者がテーマなのかもしれません。最後の賭けを野村證券や日立は実施しています。私の目から見ると両社とも、後がなくJAL化寸前の会社です。構造改革が出来れば新しい時代を築くことができます。日本の財政もギリシャ化寸前で、民主党の膨らむ予算構造を見ると大丈夫かな?…と恐い想いを抱きます。幸いわが国には過去の蓄積がありますが、郵政民営化の逆行をみると悲しくなります。価値観が違う人が大勢いるのです。
価値観が人により違うのは当たり前ですから何も共有する必要はありません。日本人は画一化された教育制度で育った為に、非常に流行に流されやすい人種になっています。だから株式市場の人気を見ると一方通行に流れますね。
こんなことを書くとまた怒られそうですが、小沢一郎幹事長に私欲などあるのかな?と感じますね。彼はたぶん真剣に日本を憂慮して行動しているのでしょう。その手段の取り方に違和感を感じるだけなんじゃないでしょうか? 検察審査会が「起訴相当」を決めたといいますが、僕は地検の判断が正しいのでは…と感じます。こんな事に力を注ぐより新しい法律を作り、政治と金の問題が起きないようにすべきだと考えます。過去の教訓を生かし善処すべきでしょう。むしろ鳩山さんの政治献金の脱税問題の方が、納税者としては違和感を感じています。贈与税の脱税です。金額により実刑判決がくだる世の中なのに、何故、知らないというだけで無罪なのでしょう。まぁ、細かいことより日本を正しい方向に導いて欲しいものです。
オバマ大統領の評価は、後世にならないと分かりませんね。偉大な大統領として評価されるかもしれない医療改革、今回の金融規制を無難に乗り切り景気をダウンさせなければすごい力量です。あとは世界中にうごめく反米感情の克服、イスラム教徒との調和かな?
しかし悪戯に金融デリバティブを悪者に仕立て上げるのは危険な発想ですね。過去の歴史を見れば、バブル期に文化は飛躍します。清貧思想の反省も必要ですが、人間は未来を見つめ生きる動物ですからね。明日への希望が活力になって行動の糧になります。日本は完全に市場の活力を奪った政策を実行しています。だから潤いがない社会になっていますね。ライブドアの堀江さん、ダヴィンチの金子さん達を許容できる社会構造なら面白いのに…と感じる次第です。
市場には様々な考え方があり、だからこそ躍動感が生まれます。
この考え方が正しいと一方的に決め付ければ変化する余地がなくなります。先程の野村や日立と、ダヴィンチは何が違うのでしょう? 仮に日銀がインフレターゲット論を採用し市場に潤沢な資金が流れる構造を作れば、今はゴミ屑のダヴィンチの保有する土地は宝物に変わります。野村や日立はブランドで資金調達が出来て生きのびて再チャレンジが出来るのに…ブランドがないダヴィンチは消える社会構造が何故か悲しく見えます。市場は大企業を育てる場ではなく資金調達が難しい新興企業を育成する場でしょう。頑張る新興企業の株価を高くしてあげて資金調達を助け、更なる飛躍のために必要な資金を提供するのが市場機能です。決して、負け組みの延命を援助する場ではありません。大企業らしいモラルが欲しいものです。是非、市場関係者には聴いて欲しい…。