普通の国(覇権の転換)(2010年09月05日)
米国の凋落と世界経済の躍進が鮮明になってきました。
ブッシュ政権下のイラク攻撃前後から、基本的に米国は凋落の道を歩んでいるようです。思い返せば2001年9月の同時多発テロは、米国の覇権政策へのジレンマの表面現象とも捉える事が出来ます。米国は世界の警察官を目指し、市場原理重視の自由主義(自由経済)を広めました。
一方、中国では天安門事件から南巡講和の転換は見事な変身振りです。(共産国家から市場原理重視への転換)中国は巧みな政策実行を成し遂げています。例えば自動車産業ですが、多くの国は単独の乗り入れを認めています。しかし中国は外国資本を導入し技術力を継承しましたが、経営権は中国側が握っています。この技術の移転によりBYDなど単独資本の自動車会社が躍進しています。本日、報道された自動車生産などの管理なども共産国家らしい計画性です。官僚主体で成し遂げた計画経済で成長した日本が失った良さを取り入れ発展しています。昔の日本だって、効率的な資金配分で官僚主体により発展しましたね。あの頃の大蔵省は賞賛に値します。
一方、米国は増え続ける覇権経費を埋めるために財政は疲弊し、強いドルを堅持する(基軸通貨の堅持)為に、内需拡大を実行します。その為に金融資本の力に頼りました。サブプライムローンだけならまだしも…、金融デリバティブの拡大により、レバレッジを掛け過ぎシステム崩壊したのが、リーマンの破綻などの金融危機なのでしょう。普通の国になるのは日本だけでなく、米国も普通の国に成り下がるのです。その表れが株価面にも、くっきり現れています。その現象の一つが低下するPERでしょう。

日本は何故、バブル崩壊からの立ち直りに、これほど長い時間を要するのでしょう。りそなは構造改革の象徴的な銀行です。バブルの清算を未だに完了していません。日本は劇的な変化を避けるために時間をかけながら構造改革を実施しています。空洞化もその流れの一環でしょう。民主党が仕分け作業を実施し、今年から特別会計にもメスを入れると言います。
今は民主党の代表選が行われていますが、基本的に菅氏は官僚主体の政策堅持で(アメリカ主体の政策)、小沢氏は政治主導の政策(普通の国を目指す)を実施するのでしょう。だから、この選択をどちらにするかでしょう。この動向は一般会計予算と特別会計予算の二本立ての比率が一本化できるか、どうかなのも一つの目安でしょう。おかしいですね。国民の税金の配分権を、官僚の手に委ねられている現象は明らかに異常です。地方交付金も中央官僚の配分で決定される仕組みは異常な光景です。
既に構造改革に20年が費やされています。いい加減に官僚主体の政策から脱却したいと考えています。だから小沢さん支持なのです。しかし私の意見は市場原理派ですから、小沢氏とは意見相違がかなりあります。しかし小さな点に目をつぶり、先ずは小沢氏が目指す政治主導を実践すべきだと考えています。
株価面を考えると、歴史的な安さに日本株はあります。PBR1倍以下の比率が70%もあります。単純平均株価なども考慮しても、2003年時と比較し株価は安いですね。でも先が見えないから、株は買われません。目先の二番底懸念に、中長期の日本のあり方が問われています。優柔不断な菅氏が総理に再任されれば、失われた時間が、更に失われると考えている次第です。