« トリミング | 最新の記事 | ディトレ復活か? »
007ことユビキタスの決算を見て…(2011年05月15日)
今日は久しぶりに個別株の決算を見てみました。ベンチャリの損を取り戻す代替えの銘柄がなかなか見つからずに、ようやく可能性をある株を見つけたのが昨年の2月でしたね。あの相場環境下で株価が強かったのが007ことユビキタスです。最初は、何故、株価が上がるのか不思議だったのですが、調べてみるとQBの開発でした。省エネ環境下の中で高速起動はすごい材料だと思い、最初に買ったのが確か10万円前後でした。その後、人気になり37万まで行きます。しかしどうしたことか…昨年の10月には、また出発時点に近い12万円まで戻ってしまいました。あれれ…原因はQBの技術開発の遅れです。

もともと、すべての家電はリナックス対応で待機電力必要とする家電製品は多く素晴らしい発明だと思ったのです。携帯端末機に採用されれば数百万台の出荷が見込まれロイヤリティーはどのくらいになるのか分かりませんね。10億円ほどの売り上げの会社なので、株価は10倍も20倍もなると期待を賭けました。この業界は日進月歩で、ある日、突然業界の勢力図が変わります。既にマイクロソフトやグーグルはクラウド分野を利用する方向性に向かい高速起動ソフトはいずれ陳腐化するでしょう。時間との闘いですね。でもQBの応用範囲は広く、この会社にとって将来的に豊かな利益をもたらすでしょう。
おそらく想像ですが家高社長が退任されたのは、任天堂の3DS戦略への失敗かと推測されます。もともとこの会社は任天堂依存度が高く2008年が77%、2009年75%、2010年は68%、そうして今年の2011年は58%と依存度が高いのです。でもこの依存度の低下でも、金額は伸びており他の製品の売り上げが上がる過程で依存度が低下しています。売り上げ推移のグラフは下のようです。四半期ペースで上下が激しいですが右肩上りですね。金曜日に決算発表がされ、前期までの数字はマズマズの増額修正でした。実績値は過去最高利益の2008年の259百万円を大幅に上回り着地して382百万円でした。でも今期の会社予想は非常に悪いものです。売り上げは実績値の1422百万から1122百万円に…、営業利益は653百万円から、なんと170百万円です。勿論、最終利益も382百万円から110百万円です。


残念ながら、これでは月曜日に株価が売られるのは仕方ありません。しかし最も心配していたQBは継続開発をしている様子です。依然、過去と同じアナウンスがされていますね。今期の減収要因は任天堂関連です。前期に間接的にエコポイントの恩恵を受けて、大きく伸びたネットワーク分野も減収を見込んでいます。期待されるQB関連は下期から売り上げ計上となっていますが、あまり多くの計上を決算に見込んでいませんね。
さて不可解な点は売り上げの割に利益計上が少ない点です。かなり、のり代を用意した数字に見えます。理由は販売及び一般管理費の伸び率はそんなに多いのでしょうか? そこで過去の推移をみると…2008年は3億4713万円、2009年は4億2983万円、2010年4億7039万円、2011年は5億3678万円です。ざっくりですが、仮に会社側の売り上げ予測は11億2千万円と20%減っても、原材料費は2億円ほどで一般経費が6億に増えても3億円ほど営業利益は上がりますね。つまりどう考えても一株利益が1285円の予測の根拠が乏しいのです。加えてQBの開発期間が既に1年を超えています。いつ技術的な問題が解決され製品化されても不思議ではありませんね。もし昔に抱いたイメージの予想通りなら期間が若干ずれましたが、今期は007にとって飛躍期になる筈です。
まぁ、どうしても目先筋は存在し、期日の関係もあり株価は売られやすい展開でしょうが…久しぶりのワクワク感が出てくる株価になれば、面白いですね。一旦は売った株ですが…最近の上げを見て新規の参入筋を感じていた次第で…この筋はどうも会社側に繋がっている節があります。まぁ、株価は正直で、一旦は売られるでしょうが、ひょっとすれば…売られた株が宝物に変化するのでは…との期待感も依然、消えていません。故に僕は株価が落ち着けば、いずれ本格的に参加するでしょう。楽しみ、楽しみ。
最後に村田との新規の提携に見られるように、この組立ソフトの業界は年率で20%成長している成長分野です。故に任天堂向けの売り上げは、過去、681百万、710百万、790百万、833百万…と増えているのですが、依存度は先ほど指摘したように77%から58%に下がっていますね。この理由はこの会社の持つ魅力である組立ソフトの開発力ですね。かりにアップルに何かの製品ソフトが採用されただけで…売り上げが何倍にも膨らみ、その売り上げがそっくり利益になりますね。その収益構造です。だからこそARM社の存在が気になります。勿論、リスクを取りたくない人はARM社を買っても良いのですよ。さて皆さんの判断はどんなでしょうか?