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コラム

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質問から…(2011年06月05日)

今日は読者からメールをいただき、少し株式相場について考えてみます。
質問の内容は…「ダウとVIX指数の関係はダウが上昇すれば、VIX指数が下がり、ダウが下落すれば、VIX指数が上がると思っていたのですが、ここ2日ぐらいですが、ダウが下落しているのに、VIX指数も下げています。 どう解釈したらいいか解らず、何か不吉な予感を感じます。解る範囲でいいので、教えてもらえないでしょうか? よろしくお願いします。」

先ずは、この内容が事実かどうか?
NYダウは30銘柄の合成株価ですね。それに対しVIX指数はS&P500のオプション価格を基に計算されています。別に株が下がればVIXが上がる訳でもなく基本的にボラティラティー〈変動率〉が高いとVIX指数が上がるのですね。だから株が上がってもVIX指数は上がるのです。要するにS&P500種のオプション価格の推移を示しただけです。近年、VIXだけに限らず…オプションもCDSも金融機関の規制により取引高が減っています。火山活動と一緒で金融取引の活動が鈍っていますから、派生商品の取引は低調なのでしょう。

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でも質問の内容は当たり前なのです。日本の報道機関はVIXを取り上げるときは株価が大きく下がった時に取り上げますからね。人間は恐怖を覚えるときに過剰な反応を示し、楽観視されている ユーフォリア状態のときは過激な行動をとらずに時間を楽しみますからね。事実、過去のVIX指数が大きく跳ね上がるときは必ず危機状態にあります。まぁ、何れ株価が下がればVIX指数も反応するでしょうが、僅か2日程度では何とも言えません。それにNYダウは下げていますが、S&P500は大きく下げているとは言えません。もう少し総体的に判断した方が良いでしょう。でもこのような僅かな疑問を抱くことは大切です。きっと相場が上手くなります。良いセンスをしています。先ず、何かを感じようと常にアンテナを張り努力することです。やがてその経験が蓄積され役に立ちますからね。頑張ってください。

まぁ、日経新聞を読めば日本人のイワシ民族の心を揺さぶります。楽観する材料より、今のデフレ経済下では、悲観する材料の方がうけるので記者魂もそちらにウェートがかかります。全ては時代の選択なのでしょう。でも米国より怖いのは中国です。過剰な引き締めが物価を気にするあまりに、続いているように感じます。規制統制経済も弊害を生んでいるようで順風満帆に経済が拡大する道理がありませんからね。でも日本は駄目な状態が長く続き、これ以上悪くなりようがないところまで追い込まれており日立が注目されますね。

米国株は横這いの可能性が高いと思っています。雇用統計の過去の数字を見ると…希薄ながら季節要因もありますね。5月、6月は弱い統計値が多いですね。

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