政策の選択(2011年07月24日)
おはようございます。今日は政治について所感を述べようかと思っています。
でもその前に…中国の高速鉄道で不幸な事故が起こりましたが、日本人の感情は面白いものですね。先日、高速鉄道の車両特許問題が日本のメディアで取り上げられ、心の中では「ざま~みろ」と喝采を送っている自分が存在します。他人の不幸は蜜の味とは、よく言ったものだな。それに引き替え、事故になれば大々的に報道されたでしょうが、当然、事故になっても不思議ではなかったのですが…、あの大震災で事故にならずに安全が確保された日本の新幹線は素晴らしい技術力ですね。
この二つの事象は別の視点からも、問題を捉えられるかもしれませんね。日本は新幹線などの高速車両技術を、長~い時間をかけて開発してきました。ところが中国は安全な開発より、実績を重視しスピードを問うたのでしょう。多少の犠牲は予定の範ちゅうなのかもしれません。それより進化のスピードを優先した政策を採用していると考えると…見方は逆転しますね。勇気のある選択とも言えます。
最近僕は、日本は臆病になったな。…と思うのですね。1億総クレイマー時代と言う不平不満をよしとする社会構造を感じます。おそらく森内閣のゆとり教育の弊害でしょうね。受験勉強がおろそかになり、我慢とか忍耐とか言う言葉が軽視されているようにも感じます。市場もそうですね。短絡的な値動きをするようになりました。昔の相場の方が味はありました。投資家心理を巧みに動かす株価の動きは、株価操作が背景にあったのでしょうが…。今は直ぐに規制、しかも一度、規制の基準にふれると何年も株価が下がってもマニュアル通りの規制のかけ方ですね。USENなどは、何故、ずっと注意喚起なのかな?日経新聞に信用残が載っていますね。この辺りを見れば日本社会の歪みは分かりますね。
メディアが一方通行の放送をして、国民感情を悪戯に煽るから、国民は洗脳されていくわけですね。これが1億総クレイマー社会を構築しているのでしょう。企業は安全の為に電話録音をして経過を記録します。無駄なお金をかけて安全・安心を維持するわけです。しかしその陰で開発スピードが遅れ、技術が陳腐化し無駄なお金を捨てているのかもしれません。ある程度の犠牲を社会が容認すれば、天災だから仕方がない。東電も被害者だと責任転嫁をしない方向に行くかもしれません。でも人災だと、幹部が発言したような癒着が存在したのでしょうね。55年体制の弊害ですね。
だから今回、迷走する民主党政権をみて「災い転じて福となす」と述べたのですね。前原さんの前評判は高いですが、僕にとって危険分子の一人と考えますね。余りに考え方が短絡的です。中国漁船拿捕は、あの現象だけを見れば、至極当たり前の行動で、正しい判断でしょう。しかし対中国との領土問題を抱えた場所で、中国の戦略を考えれば、容易にその後の中国の対応は予想できたのではないでしょうか? 問題の幕引きを、どの時点におくか考えていたのでしょうか? 大げさですが、戦争まで考えていたのでしょうか?
もともと日本は太平洋戦争でも同じ間違いをしています。負けると分かっている戦いを始め、線引きを模索しているのでしょうが…その手段が欠けていましたね。まぁ、海軍と陸軍の対立もあり難しいのでしょうが…
菅さんは民主党から孤立して見え、ある意味で滑稽な存在ですが、彼の思いはよく分かりますね。民主党政権は岡田幹事長にしても真面目ですね。ただ政治の世界で一本気の体質が成功するのでしょうか?人間社会の意見対立とかの調整は容易ではありませんからね。正論が正しい道を歩ませるとは限りません。だから方法論は問わないが、理念が大切になります。最終目標の理念さえ、確りと確立されていれば方策は二の次です。多少、迷い道に嵌っても、迷子になっても諦めずに努力を続ければ、やがて道が開けるのでしょう。
菅政権の孤立をみて、多くの人は彼の行動に対し共感も、ともにしているのではないでしょうか? あの震災地を訪問し、被災者の言葉を直接きけば、考える方も変わるでしょう。至極、自然な成り行きです。しかし国家は、今、生きているわけで30%の電力を止めれば節電などと言う清貧思想に押しつぶされますね。当然、米倉さんが烈火のごとく怒るわけです。企業経営者は社員の生活の糧を得なくてはなりません。ただでさえ、方向感を失っている船で苦しい戦いをしているのに…。当然、空洞化現象は加速しますね。
でも日本企業はもともと村意識が強く、土着性が高い国民性ですから、グローバル化が遅れました。最後の際において、震災から始まった原発の対応は、日本社会を一気にグローバル化に目覚めさせている印象です。決してバラ色ではありませんが、グローバルと言う武器を手にすることになります。ピジョンやハニーズなどの企業が注目される所以でもあります。相反する戦いの構図は面白いですね。日産のタイへの移管は2年前に…トヨタは再び組織改革で…心情的にはトヨタに軍配をあげたい心境です。ただ下請け苛めは凄まじいでしょうね。むしろ無理なく成長を模索している日産系の部品メーカーの方が株価は上がるでしょう。鬼ゴムが上がっているのは、そんな背景もあるのでしょう。
菅政権の迷走を見るとやはり日本も総理大臣は国民投票で選ぶべきでしょうね。そうすればリーダーの権限は、より強固になり責任が生まれます。意見対立する未来に対する選択が政策ですから、優劣と言うか評価がハッキリしますね。失われた時代がこれほど長引いているのは、責任の所在が明確でないからです。何が悪くて失敗したのか? 誰も検証していませんよ。敗戦した太平洋戦争の検証も国家を上げて研究されたことはありませんね。
あの大震災でも安全を確保した日本の新幹線は素晴らしい技術ですが、脱線し犠牲者を出した中国の高速鉄道も、見方を変えると素晴らしい選択なのかもしれません。