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ぶつかり合い(2011年08月07日)

自立、自律できない日本人。
ミルトン・フリードマンか…市場原理派の総帥であるシカゴ学派の中心人物で1979年にノーベル経済学賞を受賞。ブキャナンは1986年に公共選択論を提唱しノーベル経済学賞を受賞。今日の日本の財政赤字を考えるとケインズ経済学に侵された宮沢喜一の為に日本は間違った選択をして数々の失政を重ねてきました。もともとマクロ経済学は成長過程なのでしょう。それにしても実験にしては高い代償でしたね。今回の米国の連邦債務問題の背景にはブキャナンとフリードマンの対決姿勢のようなものを感じます。

(少し解説は必要ですかね?…フリードマンは基本的に小さな政府と規制緩和を目指し自由主義です。ブキャナンの公共選択論では、選挙民から選ばれた政治家は、利己主義的行動の結果として、選挙民への利益還元となる公共事業を選択し、結果、財政赤字を膨らませると言うものです。)

実は恥ずかしい話ですが、僕は最近まで共和党の主張も、民主党の主張の違いも分かりませんでした。しかし近年、色んなニュースに接し、ようやく少し理解してきました。小さな政府や規制緩和などを主張する改革派、日本では小泉・竹中改革ですが…これはフリードマンの学説によるものですね。極端な話、政府は何もしなくていいと言うものなのでしょう。先日の連邦財政赤字問題で、勝利した共和党の極右勢力と言うのかな? ティーパーティーの戦力が勝利したと言われていますね。

ただ米国債を人質にしたやり方は、ドルの威信を傷つけ、得したのはどうか分かりませんが…、S&Pのみが米国債を格下げし、その主張のなかで今回の一連のゴタゴタが理由の一つと述べていました。株価の下落要因は様々で、きっといろんな要素が絡み合っているのでしょう。テレビは景気減速の二番底懸念を主張していますが、明らかに異質のものを感じますね。僕の印象はS&Pの主張の一つに掲げられた国家の凋落ですね。信用を築くためには何年もかかりますが、一夜にして崩れるものです。

ずっと批判しているメディアの在り方ですね。
久米宏から始まった一連の批判報道ですが…みのもんたさんのように、彼らの年収は5億円ほどと、何処かの本に書いてありましたが最もお金持ちの人達が、庶民の味方を演じるわけです。一方、一般的な人の年収平均は400万ぐらいのものでしょう。メディアの年収は高く雑誌の編集長クラスになれば1500万ぐらいかな? 高級官僚と同じですね。テレビなどの業界も高いですね。しかし多くのメディアは同時に派遣と言うかフリーのルポライターを使っており、正社員との給与差は歴然としています。5倍以上違うでしょう。こう考えると自由を得るのはお金がかかりますね。

権利と義務か…。
原発事故を見て色んなことを考えますね。農家の人達は明らかに善良な第三者の被害者で国家補償が適切だと思いますが、国家は責任回避から東電に責任を押し付けました。民間企業との補償問題は時間がかかりますね。結果、泣き寝入りのようなものでしょう。100%のカバーは期待できませんね。これが東電ではなく、東電を免責にして国家責任にすれば、円滑な賠償がなされたでしょう。この辺りの先の考え方が民主党政権にはありませんでしたね。突然の浜岡原子炉の停止は全国の原子炉に広がり、議論のないまま結論が優先された結果、企業は仕方なしに空洞化論に向かっています。

ようやく最近、相対論の主張を見るようになった為替問題、世界はインフレなのに日本はデフレ状態。清貧思想が蔓延り、規制を甘受している国民がいます。やり過ぎとは感じ、竹中の手法を批判しましたが、ショック療法が必要だったのでしょうね。でもおそらく目に見えない駆け引きがあり、小泉首相は退任したのでしょう。関係者に聞いてみたいね。まぁ、どっちにしてもリーマンショックの金融危機によって市場原理は歪みの是正を強いられたのでしょう。借金で生活をする経済が正当とは言えませんからね。でも成長が続くなら理論的に妥当なのですが…、面白いな。日本のバブル時代と同じように正論が勝ち、市場は是正を迫るわけですね。

今週も混乱が続くとFRBはどう対処するのでしょう。期待インフレ率はなかなか高まりませんね。フリードマンの学説を支持しているバーナンキ議長は更なる金融緩和であるQE3を実施するのでしょうか? 最後は日本と同じようにリートやETFを買うのでしょうかね? 資産インフレと言うか、資産の上昇を実現すれば、お金の価値は失われ手持ちのキャッシュが投資に回り、次なる成長に向かいますね。方向性はスマートシティーですね。お金など…所詮、紙くずです。皆が信じるまで挫けずに実行しなくてはなりません。

ファニーメイが51億ドルの支援要請をしていましたね。鍵はここにありますね。これらGSEが正常になるときまで期待インフレ率を高めねばなりません。そうすればフリードマンの勝ちですね。ところが市場原理主義を批判する輩が、混乱期を迎えると騒ぎ始めます。不思議なことで…僕の心の中には清貧思想を批判しているのですが、一方ではお金も批判しています。「幸せの在り方」が違うのではないかと思っているわけで、この世で最も素晴らしいのは人々に感動を与えることが出来る文化だとも思っているのですね。非常に複雑な心境なのです。