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小さなことから…(2011年09月18日)

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1989年歩合外務員になる為に上京し証券営業を続けてきましたが、この22年間の株は一貫して下がり続け、失われた時代を形成してきました。戦後の復興から見事な立ち上がりは大蔵省の計画経済の政策手腕による実績が大きく、必要な箇所に的確に資金をつぎ込み生産力を上げ、一人あたりのGDPを押し上げました。

ハーバード大学の社会学の教授で東アジア研究所長でもあったエズラ.F.ヴォーゲルが著した『ジャパン・アズ・ナンバーワン(Japan as №1)』がベストセラーになったのが1979年です。教授は、日本の企業が業績を上げている原因として、終身雇用、年功序列賃金、企業と協調的な労働組合作り、企業内福利厚生の充実、目先の利益でなく長期的な利益を上げることの重視、比較的小さい賃金格差等を詳細に説明していました。企業と一体化して「その働きぶりと自尊心」のある「会社人間」からなる日本企業は、効果的な近代組織であると評価していました。高い教育水準、治安の良さなども紹介しています。

後進資本主義国家として出発した日本は、官民一体となって欧米に追いつくことを目標に突き進んできました。その過程で、内外の多数の論者は、終身雇用、年功序列賃金、企業別組合という日本型雇用慣行や、それを基礎にした企業への強い意識は日本の大企業が資本主義の論理から逸脱し、遅れている現われだと見ていました。また企業の株主の発言権は弱く、会社の経営者の多くは株主の代理人というよりは従業員の代表という性格を持っており、これも本来の株式会社のあるべき姿を歪めているものと見られてきましたね。

1985年のプラザ合意辺りから…奢りと傲慢な政策運営が崩れ始め、その当時、疑問に思われた懸念がバブル崩壊により噴出します。株式市場では先物市場が生まれ既存体制の矛盾を崩す原動力になります。この戦後の復興からの成功体験が「鉄は国家なり」「モノづくり大国 日本」と言う認識に繋がっています。更に2006年のライブドアやブルドックソースなどの一連の現象も、既存概念と新興勢力の意見衝突です。
長い失われた時代でしたが2003年から2006年まで小泉・竹中改革により、ミルトン・フリードマンの小さな政府で、効率化社会を目指す動きがありました。郵政民営化です。この意味は資金の移動ですね。財政投融資に寝る資金を生かそうとするアイディアです。しかし亀井氏をはじめとする時代錯誤の人達が復活したのがライブドア事件なのでしょう。地検は国策を決める決断をします。

現在は失われた時代の延長線上にあり、金融危機に見舞われた欧米もデフレ社会に突入し始めたところでしょう。先進国と新興国の富の分配が変化していますね。過去の歴史を見ると様々な困難を乗り越えてきましたが、詳しく調べないと分かりませんが、現代は産業革命の時代に似ているのでしょう。アメリカ合衆国の独立からフランス革命が起こり、農業から工業への産業構造が大きく変化したのが産業革命ですね。ナポレオンの敗北であるワーテンローの戦いを利用し、財を成したロスチャイルド家がやがて世界金融の中心になってくる原点になりました。

産業革命と言っても非常に長い時間をかけて社会構造を変えています。聖職者や貴族が政治の主導だった農業の時代から、産業革命が工業化による都市化を進展させ社会構造を大きく変えました。要するに資金の投資先が問題なのでしょうね。失われた時代は、時代遅れの公共事業投資をしてきましたが、資金を効率配分すれば良いだけの問題なのです。スーパーコンピュータ「京」の誕生は、創薬に新しい道を示しているようですし、既に富士通は京のさらに上を行く光コンピュータの開発をしています。凡人には分かりませんが実験をコンピュータが補うようですね。予算は未来へ。

目先の震災復興をモデル都市として、国が主導するのではなく民間の採算ペースでそろばんを弾き、地方自治体に交付される時間も使い道も制限されない資金3兆円を元手にして、金融デリバティブ技術を駆使し、資金を拡大させ10兆、20兆単位の広大なスケールのモデル都市を構築してほしいものですね。福島は格好の場所です。あの周辺一帯を全て一旦は国で買い上げ、開発を進めればいいのです。新未来都市建設は日本人に希望を与えますね。キャッシュレス、GPS、ITS、共同溝から、道路なんか必要ないんじゃないかな? 公共的な乗り物だけで利便性を高め、個人の所有する車を排除すれば良いですね。未来都市に必要ないですね。何か未来都市のイメージを考えるだけでワクワクします。

独立宣言やフランス革命と同じようにジャスミン革命が起こり、情報化の進展が、世界中のグローバルの仕組みを変え始めています。今の金融危機、第二弾はステップアップの条件の一つなのでしょう。要するにお金なのですね。このお金が動くような新しいワクワクする資金の受け皿を提供すればいいのです。

鉄は国家なり?

半導体は日本が守るべき産業?

車は重要な産業なの?

既存の概念を先ず捨てることが、あたらしい時代に向かってのステップなのかもしれませんね。松井証券が株屋の手数料概念を打ち破ったのが1999年の10月の手数料の自由化で、株屋の概念も大きく変えましたね。本当は同時に相談料などの情報化も進むべきだったのでしょうが…カタルの経験では情報にお金を払うと言う概念は日本人には希薄です。情報の意味を取り違えているのでしょう。儲かることが銘柄情報ではありませんね。このIRNETをやり始め、松井証券より長くやっていますが、多くの投資家は情報の価値観を間違って捉えていますね。

情報とはヒントの意味合いが強いと思います。僕は今でも多くの情報元にお金を払っていますが、ヒントを多く提供してくれるかどうかが基準になりますね。日経新聞の価値観は下がっていますが、テレビの「ワールドビジネスサテライト」の時代を感じさせるレポートは好きですね。地方で興っている村おこしのイベントの取材などは面白いですね。先日も大阪で自転車を修理し、浮浪者を活用するアイディアを実現させようとしている人が紹介されていました。あのような番組を見ると…日本も変わるな。と思いますね。ようやく…13年ぶりに変化を見せるかな?と漠然と考えています。

実際、かたるも行動を起こしましたが、現実は壁は高く空振りでした。でも皆が自分のできる範囲で、やれる事から先ずは行動を起こすことですね。社会貢献はお金以上に楽しいよ。お金も必要だが…やはり社会的な使命感とか、そんな行動がやがて日本を変えていくのでしょう。カタルのつまらないコメントを毎日読んでくれる人が、今は減ったけれど5000人程度は居ます。皆が自分の周りで自分が出来ることから、まず一歩踏み出せば、やがて社会は変革していくでしょう。小さなことでも良い。道端の捨てられているごみを拾ってごみ箱に捨てることでも…。その行動を小さな子供が見ていたら、「あぁ、そうすべきだ…」と気づき、やがて輪は広がるでしょう。出来ることからやればいい。無理して背伸びをする必要もないし、自分のできる些細な改革が、やがて社会を動かす原動力になるのでしょう。