他人事でないギリシャ危機(2011年11月06日)
2004年にオリンピックが開かれた観光立国のギリシャも荒れています。御多分に漏れずギリシャの政治家も世襲制だといいます。日本の芸能界も世襲制が多いですね。芸能ですから個人の才能が必要な分野に思われますが、あまり関係ないのかもしれません。役者などは、誰にでもある程度の努力をすれば出来るのでしょうか? ギリシャのGDPの推移をみるとそれほど落ち込んでいるわけではないと思いますが…。この統計値の推移からすれば、余程、日本の方が深刻だと思います。日本も話題になっていませんが、爆弾を抱えています。亀井静香の影響で中小企業金融円滑法が制定され、この不良債権が不処理のままになっていると言います。この政治家も僕同様に、時代認識が欠けている人間なのでしょう。
だんだん世相はグローバル化してきましたね。ギリシャの人口は1119万人ほどで日本の8.7%で、経済規模は3120億ドルで日本の5.3%しかありません。NHKのニュースで最近は世界のニュースを見る機会が増えてきました。ホームページも海外のものを見るケースが増えてきましたね。僕のお気に入りには、ウォール・ストリート・ジャーナルの日本版や中国のチャイナネットなどが並んでいます。でも大概、日本語版のせいかブルームバーグもロイターも扱っているニュースは変わりませんね。ギリシャだけでなくイタリアのベルルスコーニ首相も辞任要求が起こっていると言います。金融危機の第二波で失業率が高まり、国民の不満が高まっているのでしょう。
日本人は辛抱強いですね。僕も失われた時代を我慢してきました。後ろ向きの処理に呆れたのが、先日「下町ロケット」で直木賞を受賞した池井戸潤さんですね。たしか彼は三菱銀行の行員だったと思います。三菱も行内で派閥抗争があり、その様相も小説化されていますね。彼はきっと人間性のジレンマと闘い、組織を辞めたのでしょう。同じように不良債権処理に嫌気がさし、中国に新天地を求め日本を離れた若者もいます。後ろ向きの処理が続く日本と、前向きな中国の違いはデフレとインフレの世界です。
先日、あるアイディアで新しい事業をしようと考え調べました。我が国の金融機関の預貸率を…50%を割れている所はザラにあります。奈良や和歌山県では、なんと40%を割れていましたね。この数字は県レベルの統計ですから、信金や信用組合などの弱小金融機関はおそらく国債を買っているだけの幽霊組織でしょう。国債を買っていると言うことは過去にお金を使っているわけで、死んだ資金運用ですね。株式市場が低迷し国債が1%割れる常識外の活動が続いている現状に、疑問を持つ報道がないことがおかしいですね。
亀井静香という政治家の為に「中小企業金融円滑法」による延命処置が続けられ、不良債権が1.5倍の44兆円に膨らんだと言います。GDP比で10%規模に近いから大変な金額ですね。ギリシャの国債丸ごと分の不良債権が正常債権に変化しているが、あまり報道されません。要するにインフレにより借金を減らさないとなりません。
先進国から新興国へ富みの移転が進み、購買力ペース比で日本はインドに抜かれました。清貧思想の為にコンプライアンスの概念が、ねじ曲がっているように感じますね。その結果が40%を割れる預貸率を生んでいます。日銀の金融政策がデフレを継続させ、成功体験の確率を減らし、社会に閉塞感が生まれているのでしょう。なんとか過去に流れている資金の流れを断って、未来への市場経済への資金を流入させねばなりません。国債から株式へ。1%未満に眠っている国債の資金を、ROEの高い企業に使ってもらう社会構成に変えないと日本はドンドン沈みますね。やがて時間切れで日本は沈没し、今度は止められない円安が続き、狂乱インフレになり最後は食べるものがなくなり餓死をする。コントロールが効くうちに、早めの対処をしなくてはなりませんね。