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一川保夫防衛相の進退(2011年12月04日)

今日は一川保夫防衛相の進退問題を考えてみます。
事の発端は日米同盟の問題ですが、鳩山元首相が安易に沖縄米軍基地移転を沖縄以外にすると発言した辺りから県民感情がこじれていきました。安易に人間の感情を刺激するとの認識が乏しかったようです。もともと鳩山元首相も移転したかったのでしょうが…勉強不足だったのでしょう。素人考えでは何処かの無人島に移せば良いように感じますが…きっと、いろんな問題があるのでしょう。この問題を契機に日米同盟のあり方を考え直し、徴兵制度を含めた国防のあり方も考えれば、いい切っ掛けになると思いますが、今の所、今回の沖縄問題も根底に流れる日米同盟から国防のあり方を考えるまで発展せず、小手先の話題に終始しているようです。

それにしても、政治家は橋下市長誕生の背景を学んだのでしょうか?自民・公明・民主・共産が支持する候補者を打ち破り、橋下市長が誕生したのは、このような目先の罷免争いにうんざりしているからですね。それよりTPPや消費税、更にはGDPを伸ばすための経済再生のあり方に時間をかけるべきで、一大臣の進退などどうでも良いように思います。国民感情を無視する世論誘導のメディアと政治家の実態は、失われた時代を長引かせるばかり。何故、こう近視眼的な風潮が続くのでしょうか?

事の発端の田中聡前沖縄防衛局長の不適切発言とは…、名護市辺野古移設に向けた環境影響評価(アセスメント)評価書提出をめぐる話で「これから犯す前に犯しますよといいますか」との不適切発言があったからだと言います。この犯すと言う言葉が強姦を連想させ、「1995年9月沖縄のキャンプ・ハンセンに駐留するアメリカ海軍軍人Marcus Gill (22)、アメリカ海兵隊員Rodrico Harp (21)、Kendrick Ledet (20)の3名が基地内で借りたレンタカーで、沖縄本島北部の商店街で買い物をしていた12歳の女子小学生を拉致した。小学生は粘着テープで顔を覆われ、手足を縛られた上で車に押し込まれた。その後近くの海岸に連れて行かれた小学生は強姦され負傷した。」事件を連想させたようですね。

そう言えば、つい先日も沖縄で起こった交通事故の話で、この「日米地位協定」が話題になっていました。この交通事故を起こしたのは聞き慣れない「軍属」と言う言葉でしたが、辞書の解説では、軍人でなくて軍に所属する者。陸海軍文官や技師などの総称。となっていました。敗戦を切っ掛けに沖縄は米国に占領された歴史があります。北方領土は返還されませんが、1972年5月に、敗戦から27年後に返還されました。この時の経緯がどうなのか詳しいことは分かりませんが、その背景で「日米地位協定」が生まれたのでしょう。もともと沖縄は無条件降伏し米国のものだったのですね。北方領土の存在を見れば、如何に米国が紳士的か分かります。まぁ、ある意味で別の見方をすれば、情報のコントロールが優れているのでしょうが…。

だからあまり強く米国に、ものを言えない立場が日本にはあります。この1972年は重要な年でした。前年の1971年にヘンリー・キッシンジャー米国務長官が極秘に訪中し1972年にニクソン大統領が中国を訪問します。この時に、総理である田中角栄は米国に先手を打ち、日中共同声明を発表し国交を正常化させます。米国への事前説明なしに行った、この動きが米国の逆鱗に触れ、ロッキード事件から地検の動きに繋がります。沖縄返還から日中国交正常化へ、この一連の動きは、戦後の日本のあり方を大きく変える働きをしました。この時に間髪入れずに、ソ連との北方領土交渉も実現させればよかったのですね。お金で北方領土をアラスカのように買っても良かったのです。国際紛争の領土問題はお金で解決すればいいのに…竹島なども問題もそう考えます。しかしもう駄目ですね。

話しを戻しますが、この1995年の沖縄少女暴行事件を「詳細には知らない」と述べた国会答弁が問題になり、現在は問責決議に至っているようです。ただ田中局長の話も朝日新聞に報道されていますが、(田中局長は「『やる』前に『やる』とか、いつごろ『やる』とかということは言えない」「いきなり『やる』というのは乱暴だし、丁寧にやっていく必要がある。乱暴にすれば、男女関係で言えば、犯罪になる」)なると内容が報道されていますが、言葉のアヤだった可能性は高いですね。確かに比喩の表現は相応しくなく、どんな集まりで述べたものか? 背景は伝わっていません。不適切には違いないが…政治情勢を歪める問題なのかな?

私は今のあげあしを取る為に、時間を費やすこんな情勢を改善すべきだと思います。メディアも悪戯に視聴率を稼ぐために面白おかしく、一面だけを誇張し取り上げるやり方はドンドン日本を悪くしていますね。猛省すべきでしょう。橋下知事が何故、既存政党相手に圧勝したのか?今の堂々巡りを繰り返す時間が日本に残されているのでしょうか?

何故、TPPのあり方や消費税のあり方を、もっと突き詰めないのでしょう。沖縄問題も基地の移転に終始する近視眼的な視線ではなく、日米同盟のあり方から徴兵制度を含めた日本の国防問題に議論を発展させるべきでしょう。昨日、NHKで日清戦争から太平洋戦争の体験者の証言が放映されていました。しかし上に、人が居ませんね。メディアもメディア、報道の主眼を変えなくてはなりません。スキャンダルのような次元の低い報道を繰り返すのは井戸端会議の世界ですね。メディアは国民教育の義務を秘めているのでしょう。その義務を成し遂げる精神は何処に消えたのでしょう。NHKも最近はその影が薄くなっています。視聴率など、どうでも良いのです。もっと別の次元の評価があっていいはずですね。頑張れニッポン!