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コラム

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選択(2011年12月23日)

しかし…この国の選択はいったいどうなっているのでしょう? 
私は東電の処理の仕方に大きな疑問を抱いています。この原発処理の仕方は後世にツケを押し付けるもので本当に腹立たしい限りです。菅政権は、本来、政策責任を認めるべきところ責任を逃れ、東電に責任を押し付け前面に立たずバックアップに回りました。しかもその処理に互助会形式を採用し、後でルールを変えて、東電以外の電力会社にもコストを押しつける「後出しジャンケン」は呆れる処理の仕方です。

案の定、東電の国有化が叫ばれ、電力料金は引きあがると言います。国有化で電力料金が下がるのでしょうか? 公立の病院は看護師が公務員なのでコストが高く、なかなか黒字化できないのですね。ただでさえ国際競争力の社会基盤が希薄化しているのに、年金などの労働コストは引きあがり、電力料金などのインフラ料金は上がり、どんどん国際競争力は奪われています。韓国は政府が電力料金を肩代わりして産業支援しているのに…我が国からドンドンと産業移転は必然的に起こり、とうとう貿易収支は赤字が定着する状況になりそうですね。

民主党政権が誕生した時は、甘える老人保護から若者支援に軸足を移し、働く人が頑張れる形ができるのかと思ったのに…。子ども手当はその象徴的な政策かな?…と考えて居ました。でも考えてみれば僕らは国に頼り過ぎていますね。

東京都は、今度、発電所を建設すると言いますが、僕にはやはり、その趣旨が理解できません。何故、地方自治体が畑違いの産業に乗り出すことになるのでしょう。もともとごみ処理も、下水道も、学校なども…みんな民間企業に委ねるべきと考えています。僕は基本的に小さな政府で自由な社会が望ましいと考えているのでしょう。法律は時限立法で公正な競争を保てる法律を主眼に据えれば良いと思っています。税金なども消費税だけと言うシンプルなものが望ましいと考えています。やはり株屋らしい考え方ですね。

弱者救済も程々にすべきだと考えています。生活保護なども本来は必要ないと思っているし、年金も本来は必要ないと思っているのでしょう。更に、尊厳死も認めるべきだと考えているし…。きっと、このような僕の考えを支持できない人は大勢いるのでしょう。

今年を振り返ると、年初こそ、QE2から景気回復機運がありましたが、震災、そうして欧州危機、タイの洪水に…次々に足腰が弱くなった体制が叩かれました。民間企業も…国家が民間の活力を奪い、足を引っ張っているから、どうしても浮上できない企業が多く存在するようになりますね。パナソニックやNECなどの大企業の株価を見ていると、情けない時代になったと考えています。

私が証券界に入った時は「ジャパンアズNO1」と言う会社型組織が生きていました。終身雇用、年上序列、株式持ち合い、土地神話など…日本独自の仕組みが生きており、高成長を実現するので、世界からあこがれの的だったのです。様々な仕掛けがきれいに働いていました。国民の生命と財産を守るのが国家目標なら、戦後の日本の躍進的な成長は見事なものです。

その根源を支えた仕組みがすべて否定され、新しい枠組みの競争を強いられています。資源の乏しい日本が生き残るには、ソフト資産の開発、そうして効率的な省エネ社会の実現ですね。この二つに力を注ぎ走らねばなりません。折角、天が与えた試練である震災を利用しない手はないですね。まだ残された時間はあるでしょう。何とか指導力を発揮し未来型社会を構築して欲しいものです。問題はお金でしょうが…何度も言いますが、日銀保証や国家の保証さえ与えれば、お金はいくらでも集まりますね。しかしこのタイミングを逃すと…切羽詰まったところでは、いくら国家が保証すると言っても…いくら日銀が保証すると言っても国民は馬鹿にして、信じなくなる時期が迫っていますね。

2006年のライブドアからブルドックの選択は、大きな間違いを犯しました。あのまま改革路線を歩めば金融危機の影響も少なく、立ち上がったと考えています。折角のチャンスだったが…既得権力者に陥れられたのです。そうして5年の歳月が経過し、2011年の選択も原発の処理で大きな失敗をしました。誰も電力料金が引き上がると産業基盤が失われると…指摘しなかったのでしょうか?もし東電の原発責任を有限にして、原発の継続運転も認める転換を選べば、社会コストは大幅に軽減され、未来社会への展望が開けた筈です。

まだ間に合います。是非、フクシマの汚染地区をすべて早急に買い上げ、未来都市建設を試みてほしいのです。予算などいくらでも集まりますね。日銀がメザニンローンで参加したり…いろんな方法があります。50兆円規模の未来都市建設なんて…夢のある話ですね。世界の何処にも存在しないSFの未来都市の実現を…内需振興の目玉にして欲しい。