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欧州危機を受けて(2011年12月11日)
昨日の日銀短観からの銀行の貸し出し態度をよく見て頂くと分かると思いますが、既に日本は復活の序盤入りしている可能性が非常に高いのですね。1998年12月にバブル崩壊の整理が一巡する底です。それから改善し、私が批判した小泉・竹中内閣の二番底に向かいます。このボトムが2002年12月です。何故か12月ですね。
そうして名目成長率が久しぶりの成長し、株式市場も右肩上がりの時代を迎えます。
しかし2006年に私が政策批判しているように日本は選択を誤ります。ライブドアからブルドックソース。市場原理派は旧来主力の既得権力者派閥の反逆に遭います。更には新日鉄の株式持ち合いの復活は、企業統治の問題でありオリンパスと同じ問題なのですね。
しかし2006年~2007年に米国の金融危機です。サブプライムからCDSの崩壊ですね。このボトムは2009年6月です。そこから立ち上がりますが今回の欧州危機は米国の金融危機に対する二番底になります。この下降波動は短く小さいはずですね。
バブル崩壊による不良債権処理は時間がかかり処理が大変でした。日本が震源地だからですね。米国発の金融危機は震源地の影響は大きいとはいえ米国ですからね。日本ほど深刻ではありません。この二番底の震源地は欧州なので、日本経済は軽微の被害と言えるでしょう。
この短観による業況判断指数は、日本経済の実態を良く捉えていますね。株式市場はこの銀行貸し出し態度に先行します。およそ半年から1年でしょう。来年の夏ごろにはかなり改善されます。この欧州問題は、無完全ながら一応、財政規律問題に楔を打ち一定の評価を得られるでしょう。加えて市場関係者は2000億ユーロのIMF拠出金による安全網が設定されましたが、ESMは合意に至らず先送りされました。棚上げするんじゃないかな? 米国の大統領選挙は来年後半に予定され、圧力をかけても改善しませんでしたね。しかし対症療法は実施されています。時間的に不安感を抱えていますし、イタリアの危機まで市場は織り込みましたね。この織り込み方は不完全ですが…。イタリアは輸出依存度から見て、産業は確りしておりギリシャと違いますね。市場関係者としては、財政規律が持ち込まれたから共同債の発行かECBの登場を願ったのですが…両方とも見送りになっています。共同債は大変ですが、ECBは何とかなりますね。
世界の経済は米国の大統領選に向け動いているわけで、アーカンソー州から予備選挙は始まります。やはり時間的に見てそろそろFRBは動かないとなりません。基本的に日経新聞はようやく新興国からの資金引き上げ懸念を報じていますが、こんなことは既に報じているように改善の糸口が見えた連鎖による事象ですね。だから市場は弱いながらも新しい上昇期に入っている可能性は高いと思っています。