昨年の反省1(2012年01月01日)
あけまして、おめでとうございます。
例年とは異色のアップです。事を検証するために反省から入ろうかと考えています。
人気の海外ドラマの「24」ファイナルで、テイラー大統領は真実を歪め和平調印をしようと画策しますが、最後は自らの罪を認め事の収拾に乗り出しました。難しい問題に対処するために困難な決断をしなくてはならない事が、間々あります。最近、耳にした珍しい言葉の「トリレンマ」と言う、好ましくない三つの選択肢の中から決断を迫られ、決断せざる得ない場合が多くなっています。欧州問題も一例ですが、日本では米軍基地移転や八ッ場ダム、消費税なども…その範疇の選択でしょう。苦汁の決断と言う表現が用いられます。
本日の日経新聞の社説にも、中外商業新報のくだりが用いられていましたね。2006年にくだした選択から、私はしばしば政策批判を繰り返しています。ライブドアの粉飾決算発覚の1月から、ホリエモン逮捕の3月、上場廃止の決定は4月。その後IHIの粉飾が明らかになります。その粉飾決算数字をもとに2007年2月に公募増資実施し639億円者お金を集め、6月に300億円の社債で資金調達を実施していますね。2007年10月?事実は発覚しました。このIHIは上場廃止にはならず、16億円の課徴金で済んでいます。今はオリンパスで揺れています。同じ粉飾と言う事実に対する異なった対応は、裁量権の難しさを指摘し、市場原理に疑問を与える問題です。
ブルドックソースの問題をたびたび引き合いに用いるのは、スティール・パートナーズがブルドックソースの株式を保有していることが、最初に判明したのが2002年12月ですが、私が疑問に感じるのは、論理的価値に基づく経営提案と日本的な経営との対立ではないのです。
この経営対立はやがて激化しスティール側はTOBを選択しますが、(2007年5月)、同年7月に会社側は、全株主に新株予約権を発行し対抗します。しかしスティール側には新株予約権を選ぶことが出来ず、お金で対価が支払われます。この処置は株主総会を経ているからという理由で、最高裁は平等な筈の株主の権利を、歪めた会社側の対応を支持したのです。この後出しジャンケンの仕組みを容認した日本の考え方を批判しているのです。株主の権利が、市場で株を買った人によって、株主権利の内容が変わると言う異例の判決です。
最高裁の判例によって、市場原理の根幹を歪めた日本の社会は、海外勢が論理的に割安になった日本企業を買収しようとしても、所詮、無駄だと世界に公言したようなものです。故に日本企業の株価価値が純資産価値を大きく割り込み、底なしに下がる一因を作りました。本来は解散価値を基準に株価は動くはずです。
まして黒字で配当をしているのに、純資産価値を割る異常な株価をどう説明するのでしょう。前に掲げた事例が影響しているのは事実でしょう。選択と結果は自明の理でしょうね。今年、予定される東証のよる大証の併合は、まぁ、合併でも統合でも良いですが、上場規律が歪められる問題を孕んだ裏口上場とも考えられます。東証はこれまで上場基準を歪める裏口上場を否定してきましたが、当事者になると許されるのでしょうか?
欧州問題においてドイツが財政規律を必要以上に問題視するのは、このような根本的な事例を歪めると、どんどんタガが緩み危険ゾーンに入るからですね。それこそ法律が通用しない無法ゾーンに突入する前兆なのでしょうね。昨年は原発処理で誤った決断をしました。原子力賠償法の解釈において裁量権があったのですが、一義的に東電の責任としました。私は 原子力委員会、原子力安全委員会、そうして経済産業省の原子力安全・保安院と…三つの組織が検査、承認して起こった結果なので、国家責任を問い、民間企業は支払い能力からみて1~2兆円の有限責任にして、あとは免責にすべきだと主張しました。しかし結果は最悪の互助会方式です。政府の昨年の対応により、原発の技術を否定し、なし崩し的な廃止論に向かっています。資源のない日本の選択はどうなのでしょう。私なら原発を否定しませんね。誤った選択の決定は、必ず後で結果の報復を受けます。今のところ、世情の評判は芳しくありませんがTPPと消費税の方向性は正しく野田内閣の選択は及第点でしょう。
さて、ここまでIRNET述べた過去の批判を纏めましたが、要するに選択と結果に至った理由や背景を検証することで、失敗を犯す選択を減らす事が、成功への選択に繋がると思われます。新年は何処も希望や期待を前面に取り上げますが、今年は反省でスタートしたのは、このような考えからですね。よってこれから、何故、昨年、あのタイミングで株を買って失敗したのか? どんな理由でその株を買ったのか?を、時間的に検証してその背景を探ってみたいと思います。
さて昨年初は…鬼怒川ゴムを選んでいますが…買っているタイミングが中途半端ですね。週足のチャートでみると11月から動意付き2月に小天井で休んでいる時に震災を経験しています。その後一貫して上がり続け夏から横ばいですね。しかし流石に多くのファンドが介入している事と業績は読み通りの展開でいつこの揉みあいを抜けてもおかしくないですね。おそらく間もなく前からの約束である4ケタ銘柄に育つのでしょう。
Aでは、1月6日に439円から440円で買っており1月11日に457円で売っていますね。その後Bでは3月の震災直後の3月18日に367円買って22日に414円で売っています。しかし…結果論ですが一番正しいのはその後の、CかDのタイミングでしょうね。基本的に業績の裏付けのある銘柄なので…あとは売買するタイミングが問題なのですからね。AのタイミングではRSIは過熱状態を示していますから、失敗していた可能性もあります。Bのタイミングは素晴らしいが…危険もありますね。だから落ち着いたCかDの時期が相応しいのでしょう。その後、この株価は7月27日の677円まで駆け上がります。1万株買っておけば、200万は儲けられましたね。生活費の足しになります。要するに…いい銘柄は限られており、あとはタイミングの問題だけなのですね。
明日は大好きな箱根駅伝がありますが…時間が許せば、コラムにて続きを書きたいと思っています。今年もご愛読をよろしくお願いいたします。