思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

« 昨年の反省3 | 最新の記事 | 村田メールか… »

今年の動き(2012年01月08日)

今年の株式市場はやはり高くなりますね。
ひょっとすれば、本格的な上昇に向かっても不思議ではないですが…それは今の所、分かりません。「失われた時代」は過去の清算に時間をかけたためだと思います。基本的に日本は内外障壁を高くして日本の雇用を守りグローバル化を阻止して輸出を伸ばしてきました。この背景は東西冷戦があったために、世界の基準国家である米国の庇護があったので達成されました。ところが米国は1985年のプラザ合意でこの関係を断ち切ろうとしました。そこにベルリンの壁崩壊ですね。日本はグローバル化の中に放り込まれます。ところが我が国はそれまでの成功体験から抜け出せず、また抜け出そうともせずに抵抗しますね。(まるでトヨタの戦略です。)これが既得権力者たちの抵抗です。その極みが2006年に様々な現象として顕著に現れました。政治の世界では「八ッ場ダム」や「諫早湾などの干拓事業」などは象徴的な事例でしょう。

私は昨年から、日本も変わり始めたな?…と、感じています。金融危機後にドルの流動性供給で円高になり、いまはECBの資金供給で、ユーロに対しても円高が進んでいます。だからFXをしている人はユーロ売りの円買いが目先は正しい姿勢なのでしょう。何故なら昨日述べたように、2月末もECBの大量の流動性供給が予想されています。FRBは管理しながら資金供給し毎月実施しましたが、ECBは民間の要望に応じていますから、一気に進む可能性があります。だからユーロ安が加速しても驚きません。FRBの例から見ればユーロが80円程度まで売られても別に不思議ではないのでしょう。まぁ、ECB次第です。自ら資金供給すれば無駄なブレは防げるでしょう。ドラギ総裁は市場原理派のような危険な考え方なのかな?本来はECBが自ら問題国債の買い入れを実施した方がよかったようにも感じます。

c20120108a.gif

余談になりましたが、何故、明るい兆しを感じているかと言えば、一例を掲げると松下(パナソニック)ですね。まだ株価は反応しておりませんが、組織力を動かそうと努力していますね。この株価推移をみると日本経済全体の動きを示しています。トヨタも日産に比べグローバル化が遅れましたね。中国アレルギーがあるらしく、大きく出遅れました。代わって失敗の反省からか?インドは積極投資し始めていますね。しかし嘗ての歴史上、中国は覇権国だったのですね。日本の貿易数字を見れば輸出入ともに米国を抜いています。当然、日本は中国寄りに舵を切るべきなのでしょう。この辺、野田内閣は下手ですね。TPPに参加した影響もあるのかもしれませんが、米国は軍事予算削減の為に中国に的を絞りましたね。でも日本は天秤にかけた方が得だと思います。

野田内閣は米国の要望通りに、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に、第5世代ステルス戦闘機「F35」を選定しました。この事実は日本がアジアの非公式の連合航空隊の一員になれる可能性があり、すなわち米国やオーストラリア、韓国と同じ戦闘機を有することになり、それら国々とより緊密な協力が可能になったことを示しています。この辺は日本の親米派の勝利ですね。小沢さんなら、別の選択をしたかもしれませんね。TPPではなくて日本・韓国・中国のFTAと言う選択もあったはずですね。中国を中心とする東アジア戦略の方が自然な動きのようにも思いますが…現時点では、どちらが正しいか、難しい選択ですね。ただ欧米の中央銀行が流動性を大量に供給しているから、日本は選択肢が増えますね。

最近、官僚が取り組んだ政策の中でヒットがあります。しかし、メディアはあまり評価していません。でも昨年8月に財務省が行った「円高対応緊急ファシリティ」は素晴らしい政策です。もっと大規模に実施すべきですね。1000億ドルと言わずに日銀と組んで短期国債を日銀に引き受けさせて50兆円規模で実施すべきでしょう。規模が小さすぎます。でもあのアイディアが後押しをして日本企業はグローバル化に拍車をかけています。一方、震災復興の流れが単なる復旧ではなく復興に重点を移すべきですね。菅内閣は盛んにその事を言っていましたが、今の所、目に見えて実現されていません。折角のチャンスが無駄にならねば、いいのですが…。

震災復興は90年代に行った公共事業と同じなのですね。次世代の産業を育てる点に主眼を移すのです。細かい点まで指摘すれば、全ての都市はLED照明しか使わせないとか…。スマートグリッドを導入し、太陽光発電を地域で整備するとか…。色んな実験が考えられます。是非、行ってほしいのが電子マネーの普及です。端末機に補助金を付けて、全ての商店に導入させて税務署組織まで広範囲に情報を一本化します。更に重要な交通の要所や繁華街に監視カメラを導入しセキュリティー対策も完備させます。警察庁のNシステムもすばらしい仕組みで、復興都市に予算を組んで実現させてほしいものです。

グローバル化と内需振興の両輪が動くことになりますね。
東アジアへの予算の重点配備を実施して、情報のデファクト・スタンダードを握ることですね。本当はソフトバンクに期待したが…荷が重いかな?…やはり国家レベルでしょうか? 目先の株価は下げて、欧州危機も炎上しているように見えるから、多くの人は不安でしょうが私はいろんな点で明るさを感じています。まだほんの走りですね。その意味で誰もが期待している大阪市長の橋下さんに、私も期待をかけていますね。だから2012年は明るいな…と漠然と考えています。私の予想が正しいなら…と言うより皆が理想通りに動けば、3月頃から新しい兆しが台頭する筈ですね。果たして今年はどんな年になるでしょう。

私自身は、上記のような期待もありますが…自分なりに努力し、どんな変化にも対応できるようになりたいと考えています。