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底入れのタイミング(2012年02月05日)
今日はホンダを取り上げ、チャートの見方の解説をします。基本的に株価の転換は前の二つの山を抜くことから始まります。ホンダの場合は2508円と2511円の山ですね。多くの人はAの出来高が膨らむところで株を買い始めます。しかし下がってきた当初の出来高増加で買うのは余程の資金がある人でないとなりません。自分の資金に見合う投資が必要な訳です。私は証券マンだったので無尽蔵にお金がありました。多くのお客様が居りましたからタイミングより株数を増やし、いずれ上がる株を入れておけばいい訳です。だからAのタイミングで買えば良いのです。最初の高値2570円でも過去のトレンドから見て何れ抜けるからですね。ただこの段階は買いやすいのですが危険ですね。
今回のケースの解決の兆しが見えるのは、11月末の世界各国の中央銀行による協調姿勢です。更にECBの3年物オペは決定的でした。だからドラギのクリスマス・プレゼントと述べました。しかしNHKや日経新聞はその後も懐疑的な報道を連日流していました。ところが…本日の日経新聞は流動性供給による過剰流動性相場を匂わせ、尚且つ、抜本解決が済んでないと逃げを打っており、実に巧妙な記事でした。確かに記事の中身通りなのですが、景気回復は資金量なのですよ。ジャブジャブにしておけば、市場は安心感を抱きやがてリスクを追うようになります。先駆した成功者が消費を拡大させ、輪が広がるのです。欧州危機も実体景気が回復すれば、やがて税収が増えて問題を問う人は居なくなります。まだ世界景気は確実に回復するとは言えませんが、世界の市場経済のリード役である米国がインフレターゲット論を導入したので、恐いことは何もありません。この考え方が基本認識です。
さて今日はテクニカル論ですから、Bの地点のRSIは30を割り込んでおりますが、先行するMACDは大きくマイナスになっていませんね。Bの出来高が増え始めた時点ではMACDは上向き始めているようです。しかし2511円までで、前の二つの山2508は抜きましたが、2570は抜いていませんね。注目はRSIの急落で、Dの様に再び30割れに近づきましたが、株価の位置は前回より上で止まり、しかも出来高がCのように極端に減っているように見えます。その後、MACDも上向きRSIも上昇し始めます。しかも今度は出来高が増えて株価が騰がっており、とうとう2511と2508の二つの山を抜きました。現在はセオリー通り200日線上で抵抗しています。この事は需給バランスが完全に改善していることを示しています。
先ほどの過剰流動性の環境を考えれば、この休みは何れ抜けるでしょうね。どのような形になるかは分かりませんが、早晩一段高すると言う予測は容易です。大切なことは、A~Bの変化のない時の行動は慎めと言う事でしょう。投資のベストなタイミングはCでしょうね。出来高が減っているタイミングから増え始めた位置が、狙い目でしたね。今、BかCのタイミングと思われるのがDENAです。2500円台に一気に入るか? それともホンダの様にもう一度下げてからくるのか? これは一概に言えません。ただ考慮すべきタイミングだと言うことは間違いないのでしょう。動意づいてから買っても遅くない…と何度も申し上げてきました。
グリーの決算を見ると、いくつかの疑問が浮かびます。海外会員数の比率が80%を大きく超えているのに…どうして売り上げのセグメントを発表しないのでしょう。決算説明会が注目されますね。課金制度が日本と欧米は大きく違うのでしょうか? この辺の見極めが株価判断を大きく変えるポイントです。会社資料には引き続き欧米アジアの海外部門の売り上げは織り込まず、保守的に想定していると述べているだけで全く説明されていません。事業展開を見ていると、これから整備するような意味合いも含まれていますね。DENAは既に3年ほど前から準備しているのですが、どうなっているのでしょうかね。
仮にこの時期に新高値を一気に抜いて来ても、買い増しあるのみで空売りなど厳禁ですね。一気に高値を抜くと多くの人が下値を見ているから売りたくなりますが、収益構造がガラリと変わる可能性を秘めているのです。今は200円程度の一株利益ですが、1000円、2000円になる素質があるから、安易な行動は控えねばなりません。グリーの出来高などをみると、ひょっとすると有力なヘッジファンドが玉を拾っているかもしれませんね。
私が今回DENAに拘っている背景は、前回、見過ごしたからです。分割前でしたが20万円台まで下がったDENAの株価が2倍になっても衰えず、どんどん上がり続けていき大きく戻ったので、多少の損切りで売ったら…さらに株価は急騰し、後で収益が急激に改善したのです。今度は世界が相手で、1億人の70倍ですからね。だから1万円説を前から述べています。果たして、どうでしょうね。久々のヒットになるか、それとも社会規制が引かれ、一気に急落するのか…。ハイリスク・ハイリターンの銘柄でカタル銘柄らしい動きが今後も期待されます。