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円安から…(2012年02月19日)
あぁ、やはり市場経済は生きているんだなぁ~。と感じています。一つは最近の円安傾向です。あれだけ円高で困っていると輸出企業は言っていました。ところが日本は安易な道を選択せずに国内生産に拘り続けました。本来はアップルが生産を諦め台湾の鴻海精密工業を使っているようにファブレス企業の道もあったはずです。
ところが…パナソニックもソニーも自社生産に拘り膨大な赤字を計上しました。日本では「ものづくり」と言うが…既に労務費から社会管理費(税金や電力など)などが高く競争に勝てません。土壌が違います。この僅かな差しか生み出さない利潤の分野に、何故、拘るのか、僕には分かりませんでした。トヨタの300万台生産宣言は、その代表的な事例です。テレビでは連日、大田区の下町工場が話題になります。
決して自国生産を否定するわけではありませんが、経営者である以上、儲かりやすい環境を利用するのが使命だろうと考えます。だからアップルのような道を歩めばいいと考えていました。だからこそテレビではなく、ネット・テレビのソフト戦略なのですね。NHKを始め、日本のテレビ局には豊富なソフト資産があります。ソニーに期待していましたが、出井さんは有機ELに拘り、技術認識の時間観を間違えました。後任のストリンガーは、成果はゼロばかりか、時間だけを失いましたね。ゲーム出身の平井氏が新社長に選ばれ、果たしてソフト資産を生かすことが出来るかが、ソニーの見所でしょう。シャープでは手がかりがありませんね。やはりソニーは経営戦略次第で、アップルに近づける存在でしょう。どうにもできない壁を、きっと出井さんは感じていたのでしょう。ようやく今年、有機ELの時代になりましたね。
私はこの20年間、待ちに待ったのに日本のトップがぼんくらで…悔しい思いをしてきました。日本の一方的な流れは、まるで戦争に突入する戦前の日本を連想させます。今の所、官僚組織相手や反対勢力に善戦をしているように感じます。野田内閣は、この春の難局を乗り切れるかどうか…。岡田さんの原理主義を取り入れ、正論で立ち向かえば良いと考えています。政治家や官僚への折衝ではなく、国民相手に赤裸々に語ればいいのです。もっと世論を揺さぶればいいのに…広報活動が下手ですね。
十字屋証券の安さんが廃業しました。僕が証券界を去った理由の一つが書かれていました。証券業は難しい。そもそも能力差が余りありません。単なるご用達の丁稚で商売ができる環境ではありませんね。手数料ビジネスは過去の遺物です。しかし日本人は情報の価値観が乏しいですね。新聞代もケチる人が何と多い事か…どうやって情報を集めるのでしょう。ネットも一つですが、情報とは角度を変えて、様々な角度から見ないと駄目ですね。ネットで流れる情報など二束三文、自分の回りの人脈が一番ですが、限られますから色んなツールが必要になります。役所が流す膨大な統計データを読む力が必要になります。ただ時代に合わせ統計方法を変える為に、やはり経験が必要になります。このキャリアはお金では買えず、時間を経た検証が必要になります。僕がテクニカルデータを集め始めたように…時間的な検証をしながら手法は確立されるのでしょう。
推奨した銘柄が当たるとか…そんな次元の低い話ではありませんね。そんな未来は誰にでも変動要因が大きく分からないのです。だから考え方のプロセスが理解できればいいのです。円安はどうして起こったのでしょう? 考えられる理由は二つかな? 一つは怯えたからですね。例の覆面介入ですね。日本は気付き始めたのかな? 日本の金利は1%、イタリアは先日まで7%でしたね。何故、この金利差を利用しないのでしょう。アメリカのTボンドは3%、Tノートでも2%弱です。30年は無理だとしても同じ10年で1%の金利差があります。もう一つが企業のアジア侵略でしょう。
基本的にGDPの成長率が高い勤勉な国なら、資産は上がり通貨も強くなります。だから日本でお金を使うより成長率の高い国に投じた方が有利ですね。ただし政治基盤や社会的な混乱がなく勤勉でないとなりません。ベトナムは候補地の一つでしょうが、経済運営が下手で高インフレなので政権の基盤が怪しいかな? 具体例の一つはこんなイメージですね。最近の注目はミャンマーでしょう。米国の対中国戦略が背景にあるのでしょう。アフリカも候補地の一つですね。ケニアは開発ラッシュのようです。
このように通貨を利用する市場原理が日本で生まれ、むやみに円高に向かう危険を市場は関知しているのでしょう。だからマツダの初動は強く注目される候補銘柄の一つに選ばれるのです。何故なら、ヘッジファンドの玉が残っているからです。素質はあっても、実際に業績が上向いても人気化しなければ意味はありません。所詮、成長株が生まれる確率は非常に低いのですね。だから仕掛け人の存在が重要なのです。自分で演出が出来るほど資金があれば簡単ですが…最低100億円以上は必要になりますね。だからしばらくは力を蓄える為に他人の力を利用することになります。そうすると、寄らば大樹の影です。環境を考え、力のある仕掛け人に付くしかありません。相場環境を常に考え、仕掛け人の力量を見るのがテクニカルなのでしょう。
今は円安の動向、米国の大統領選はこのままでは、清貧思想のオバマに軍配が集まります。しかし民主党のオバマはばら撒き政策で、財政問題が何処で発火点を迎えるか? いつまでドルの基軸通貨体制が続くのでしょう。SDRに移行するのは何時なのでしょう。だから欧州危機に揺れるユーロの実験は価値があります。ギリシャなどモルモットみたいな存在ですね。言葉の語弊があればお許しを…。中国の2度目の緩和でムードが更に向上します。しかし所詮は預金準備率の話しで、まだ2回目ですね。今年の中国株は注目されます。ざっと雑感を述べました。