オリンピックとツキ(2013年09月08日)
オリンピックの開催が決まり、安倍政権の「ツキ」が証明された形ですね。もともとアベノミクスのスタートは、既に下地が完成しており後は切っ掛けだけの状態だったのです。最近の政策実行を見ると…なかなか色んな工夫がされており、決定的なホームラン・バッターは誕生していませんが、敵打を繋ぐ工夫が随所に見られます。金融庁の検査体制の見直しは一つの橋頭保です。更にオリンピックの開催は、人間心理に大きな影響を及ぼします。1964年のオリンピックの開催のイメージを良く表現した小説があります。奥田英朗が書いた「オリンピックの身代金」と言う小説です。この小説の舞台は、昭和39年の東京の様子を描いています。末端の建設作業員の様子が良く描かれており、印象に残った作品でした。デフレ脱却のためには、お祭り騒ぎも必要なのでしょう。経済的には大きなプラスとは言えませんが、人間心理の転換は、この時期にどうしても必要な演出です。消費税の引き上げが円滑に進み、GDPデフレターなどと言う言葉が消える日は、やがて来るのでしょう。無人運行の路面電車などが開発され、銀座とお台場を結ぶようになるのでしょうか? デフレで沈んでいたお台場地区の活性化が始まりますね。
このツキを、どう呼び込むか?
ほんの些細な違いだと思うのですが…人生の「幸、不幸」は僅かな選択の違いによります。失敗したかに思える選択も、実はその失敗の選択が正しかったという事もありますからね。よく表現されるのが「塞翁が馬」という故事成語ですかね。インターネットで調べてみるとこんな解説があります。
占いの術に長(た)けていたその老人は、人々から「塞(とりで)の近くに住んでいる翁(おきな)」、すなわち「塞翁(さいおう)」と呼ばれていました。ある時、その老人の飼っていた馬が、北方の異民族の地へと逃げて行ってしまいました。馬は貴重な労働力であり、財産です。人々が「お気の毒に」と声を掛けると、その老人は「いやいや、これが福をもたらさないとも限らないさ」と応(こた)えました。数ヶ月たったある日、逃げていった馬が、異民族の地から駿馬を引き連れて帰って来ました。人々が「おめでとうございます」とお祝いを述べたところ、老人は今度「いやいや、これが災いを引き起こさないとも限らない」と応えました。
やがて家には良馬が増え、老人の息子は乗馬を好むようになりましたが、ある時馬から落ちて、股(もも)の骨を折ってしまいました。人々が「お気の毒に」と慰めると、老人は「いやいや、これが福をもたらさないとも限らないよ」と応えました。それから一年ほどすると、異民族が国境に攻め寄せて来ました。健康な男子は皆、弓を手に取って戦場に赴き、塞(とりで)の近くに住む若者は、十人のうち九人までが戦死してしまうほどの惨状でしたが、老人の息子は足が不自由だったために戦いに駆り出されずに済み、父子ともに無事だったといいます。
このような内容ですね。最近、ネットで麻雀を良くするのですが、その展開などを見ると、面白いですね。必ず、誰かの当たりパイをひいたり、何故かリーチをかけると、誰かが直ぐに積もったり…。何故、こんな不運が連続して続くのか…と思う事が良くあります。しかしこのネット麻雀で、人生で初めて先日、「天和」を体験しました。この確率は非常に低く、珍しい手なのだそうです。一生に一度、体験できるかどうかと言われているようです。それで持っている株が上がり儲かったと言うなら、良いのですが…。折角、珍しい手を上がったのに、株で損をしてようじゃ、運は好転しているとは言えないのかもしれません。
しかし「ツキ」という事を、株式投資をしているとよく考えます。証券マンは信心深い人が多いですね。加藤あきらなどもそうだったようです。友達のよっちゃんが、熱海の旅館で加藤あきらと一緒にやろうと誘われたそうですが…。彼の話によると、株の話など全くしないのだそうです。一種のカリスマ性を秘めた人間だったらしいですね。怪しい雰囲気と言うのはあるのでしょう。宗教団体もそうですね。何処か…謎めいたところがあります。このツキと言う概念は科学的でなく、最近、流行りのアルゴリズムの対極に位置する概念ですね。
でもいろんな経験をして人生を送っていると、人間関係の不思議さを感じるのですね。出会いなども含め、運命的なものを感じる瞬間があります。何故、この人とこんな関係になるのだろうと…考える事もあります。人生は不思議です。出会いが行動を呼び、その行動がまた人生を変えていく。ネットもそうですね。カタルがこのネットの作業を始めて15年もの歳月が過ぎようとしていますが…この間に様々な人と出会い、色んな展開がありました。面白いものです。カタルはある意味で運命論者でしょう。メール一つにしても、運命的なつながりを感じています。江戸時代から明治に変遷する姿を「八重の桜」は描いており、最近のNHKの大河ドラマにしては面白く見ています。脚本家が、どのようにあの時代を感じ、想像するのか? 客観的な資料は、ある程度あるのでしょうが…、人間心理の駆け引きが面白いのですね。
株式の値動きを見ていると…投資家の心理が反映されていて、一日の動きの中でもドラマがあります。株式投資の面白さは、世の中の移り変わりが市場に反映され、市場が再び現実社会に影響を及ぼすところですね。先週から始まった金融危機の裏側のコラムが、日経に掲載されています。今日はカタルがあの時に、読めなかったCDSの存在の話しが載っていました。今でこそ、当たり前のCDSの存在ですが…、当時の新聞はその存在も報道してなかったのです。全てはブラックボックスで、現役の当事者でないと、客観的にはCDSの残高が膨張している事など…分からなかったのですね。故にサブプライムローンの問題を軽視し、2006年の解説になっていました。しかしあの時に、既に破綻していたのですね。この金融危機は市場が現実社会に影響を与えた事例ですね。普通は企業業績などの実体経済の動向が、市場に影響を与えるのですが…。
カタルは、市場は鏡であり実態経済の発展させるためには、市場の拡大を通じて信用創造の力が必要だと…日本経済を分析しています。金融庁の検査方針の転換は、この信用創造を増進させる行為です。オリンピックの開催も、同じベクトルを示します。故にケネディクスの相場が、カタルの想像のような展開を、徐々に見せるのでしょう。つまりダヴィンチと違い、ケネディクスと言う会社は「ツキ」を持っているとも言えますね。不思議なものです。9月11日に値決めが実施されるのでしょう。