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おわび(2013年09月29日)
今日は先ずお詫びからのスタートです。本当は先週予告したように…コラムの内容を変えるつもりでしたが、それはまたの機会にします。今日は、昨日述べた効率的市場仮説の続編になります。実は、読者の方からメールを頂き、アイフォーンには村田のモジュールは採用されていますが007の技術ではない…との、ご指摘を頂きました。カタルも疑問を抱いていましたが、株価の上昇タイミングが絶妙に重なり、勝手にそうなのかな…と誤解をしていたようです。ネット上で調べてみると…此方の記述があり、使用されているのはブロードコムのBCM4334だそうです。
相場の切っ掛けは…、何でも良いのですね。2010年1月、カタルはユビキタスのQBのデモ映像を見て、この技術は全ての家電製品に応用できると考え、魅了されたのが007への取り組みの切っ掛けでした。カタルは当時、ベンチャーリンクの失敗で傷つき、巻き返しの銘柄を探していました。ユビキタスと言う社名は、ユビキタス社会、つまり「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」がコンピューターネットワークをはじめとしたネットワークに繋がることにより、様々なサービスが提供され、人々の生活をより豊かにする社会である事から、社名にしたのでしょう。
ユビキタス社会は、新しい時代です。ところが文章を書くと、社名か、社会か、どちらを示しているか分かり辛くなること。更に社名の「ユビキタス」の指からゴールドフィンガーと言う007の映画を連想し、現状の危機から救ってくれるという、脱出を願って「007」と、カタルのページではユビキタスの社名のニックネームを勝手に付け使用しています。救世主をイメージしたわけです。人間の最初の出会いなど…、所詮、インスピレーション、閃きであり、直感から全ての行動がスタートします。恋愛も似たようなものです。
カタルのページの影響で相場が動いていると考えるのは大きな間違いですね。一つのファクター(要因)に過ぎません。そもそも効率的市場仮説が、何故、卵と鶏のような関係の命題になるのか?…市場は全てを知っている訳です。このメールを頂き…カタルは市場の不可解な動きに納得しました。あの相場は24日の火曜日に始まりました。20万円台に入った直後に、友達の証券マンから電話をもらい、カタルは何故、今頃、反応するのだろう。…と不思議に感じ、友達と話していました。だって5月に発表されていた時に、既に村田のモジュールは2800万個と発表されていたのです。007が単独で売り出せば信用性の欠如から、なかなか大規模採用は難しいのでしょうが、村田のブランドが加われば、村田が保証していることになり、大規模採用が進みます。故に発表した時点で売り上げ計上は確実だったわけです。だからカタルは直ぐに…ひょっとしたら、アイフォーンに採用しているのかな?と疑心暗鬼ですが、タイミングも重なったために誤解をしたのです。
その不思議さを感じていた時に、相場はストップ高を付けました。通常、ストップ高のような特異なケースが発生すると、正確さが市場で確かめられます。株式市場の場合、経験則では5分から10分で、市場には正しい情報が伝達されます。だからあの日の後場に、何度かストップ高で、売買が成立したのですね。通常は2回です。最初にストップ高して売買が成立し、2回目のストップ高の時は、売り物が出なくなります。ところがあの日は何度か、売買が成立していました。つまりカタルの誤解は間違っていたために、市場はその間違った誤解と言う情報を、市場で淘汰していたわけです。
翌日、カタルは大量の買い物かな?と考えていましたが、意外に少なく安く寄りました。情報伝達から1日が経過し、更に市場は情報を精査し、正しい情報が広がっていたのでしょう。読者からのメールも、この日の情報を確かめているようです。読者は手持ちの20%程度を、間違っている情報が市場に反映されていると思い手持ち株を売ったようですね。読者は、市場がアイフォーンの採用と言う間違った情報で株価が高くなったので、だから手持ち株を手放したのでしょう。この動きが市場の情報の精査に繋がります。
25日の午前中に、株価は一旦高くなったのに20万円台まで再び急落してきました。カタルは現物株の入れ替えの為に安値で買った現物分を高値で売っていましたから、その分を買い戻したのが203000円前後でした。カタルは20万を割れないと判断し、僅かな株数なので成り行きで買ったのです。その直後に、株価は戻り始めてきました。会社側のIVIの発表が、いつ行われたのか分かりませんが、株価の戻りが強かったので、後場になりIRのページを開いたからIVIの発表があったことを知り、慌ててカタルは、すごいなぁ~と思い、再び買い増し動き、この日は238000円まで買いました。勿論、僅かな株数です。確か…この日の後場の寄り付きは227700円だったかな? だから、カタルは227000円の指値と、上の238000円でも買いました。メールで教えてくれた読者は、午前中に売ったのかな?
つまりカタルの思い込み情報は、市場で淘汰され、消化されている訳です。他にも多く、読者と同様の行動を取った人が居るのでしょう。正しい情報が伝達されていき、ドンドン情報が消化されている訳です。1日、経てば大概の情報は、精査されています。更に2日目(26日)は、情報が更に末端まで届いているのでしょ。この日の寄り付きは、たしか…売り気配スタートだったですね。2150円のスタートでした。カタルはこの寄り付きでも買っていました。この日の下値は2080円で、前日を上回っています。おそらくアイフォーンの間違っていた誤解は、市場で淘汰された瞬間なのでしょう。昨日の金曜日は完全に払拭されている為に、逆に高寄りしています。効率的市場仮説とは、株価は全てを知っているのですね。このようなドラマが、日本中至る所で起こり、人間の思惑が市場でぶつかり合い、材料が市場で消化されていきます。
でも、何故、村田は資本提携まで踏み切ったのでしょうね。キーワードは此処にあります。007も、何故、10万で買った自社株を5万かな? わざわざ損をして村田に売ったのでしょう。カタルの推察が正しいかどうか分かりませんが、任天度との失敗を生かし007は村田に対し、恩を売ったのでしょう。しかし村田は、何故、株を持ったのでしょうね。圧倒的に優位な立場である村田が、通常は僅かな利益の株を買ったりしませんね。あの提携段階では、既にカーナビのQBは完成されておりIVIへの応用が決まっていた可能性がありますね。村田は先細るスマフォから、業容拡大へのステップが欲しかったのでしょう。ルネサスにとっても渡りに船、世界の車に007のQBがIVIと言う形で提供されますね。
株価はこの将来性も読み始めるでしょう。スマフォは単価が安く1円や2円、ともすれば数十銭の単位でしか、儲けを出す事が出来ません。非常に価格競争が激しい世界です。しかし、車は本体価格が数百万ですから…IVIは20万前後の価格でしょう。付加価値を付ければ30万程度に膨らむのでしょうね。QBの価格が引き上がる可能性が高いのでしょう。きっと未来の利益を株価はこれから織り込むのでしょう。
更に、まだあまり一般化してないHEMSですが…この背景も面白いですね。この補助金は復興予算から生まれていたのですね。その為に復興とは関係ないという事で、削られている背景がありますが…、東電などはスマートメーターが一般化しており、更に本日報道のように、シャープはクラウド環境を利用するために、ネット家電に力を移すようです。分かりますかね。急速に情報が家電に組み込まれ、ユビキタス社会が浸透して行きますね。
007の提供するサービスはナビエネだけでなく、東大とのソラテナまで関連しています。時代が、ようやく加速します。ユビキタス社会に向け…村田が資本提携と言う珍しい形まで踏み切る理由も分かりますね。唯一の懸念は、買収ですね。安い価格でTOBを決められると…大変、困ります。株価が1万円に乗っているなら別に構いませんが…、2000円台のはした金では、とてもとても…早く利益を計上し、株価に見合った業績を上げて貰いたいものです。ソフトバンクやヤフーのような創設期を連想しているのは、カタルだけなのでしょうか。全ては効率的市場仮説の中に…、釈迦の手の中にいるような孫悟空の心境です。