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コラム

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人気株の検証(2013年10月20日)

人気株を探る第二弾ですが…基準を厳しくして検索銘柄数を減らすことにしました。可能性のある銘柄が選に漏れますが、時間の節約でこの処置は仕方ないでしょう。この銘柄数でもざっと目を通すだけでも、1日10程度あり怠け者のカタル君が続くかどうか…。

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15日の電算システムは先週も取り上げましたが、なかなか良いセンスを持っています。カタルのお気に入りの素質を秘めていますね。2位の技研製作所は好業績の発表で寄り付きから高くなったようですが、基本的に復興予算関連ですね。圧入工法のインプラント構造を基軸とする前期赤字だった分野が黒字化したために利益率が上がったのでしょう。主力の建設機械は売上、利益ともに減っています。3位のソフトクリエイトは自社株買い効果が発生しているのでしょう。林さんと言う創業者は株価意識が高い人のようですね。会社説明会の資料を見てもその事が分かります。…がカタルには関心が見出せませんでした。4位のNSユナイテッドは最近の海運運賃の動向に影響を受けリストラ効果が生まれているのでしょう。ただ既に株価は充分に反映しているようです。5位の王子ホールディングは基本的に古巣の株価に帰る動きでしょう。嘗ては600円前後が定位置の会社でした。製紙業界は北越製紙の買収で揉めたように…古い体質ですね。なかなか日本村からの構造脱出が出来ない業界です。海外展開がカギでしょうね。この程度の収益の改善は普通です。でも大型株なのに珍しいですね。誰が何の目的で買ったのか…業界再編の動きがあるのでしょうか?この辺は謎ですね。でも興味はありません。

6位の中部鋼鈑は名古屋なのでパスです。7位の日本ペイントは自社株買いを効果もあるのでしょうが…増配しても良さそうですが…なかなか良い経営者ですね。海外展開も順調のようで自動車販売が好転している恩恵を一番受けています。機関投資家が組み入れる銘柄の中でも欠かせない存在なのでしょう。8位のアツギは駄目な会社です。本来なら真面目に中国などアジア展開をしっかりやっていれば、ピジョンのような会社展開も考えられたのでしょうが、たしかゴルフ場に絡んだ不良資産があり粉飾決算のような経歴が、昔、あったと思います。一度、何故、株価が安いのか調べて事があったのですね。ずいぶん時間が経過していますから、経営者も変わって、内容が変わったのかもしれませんが…その様な過去があると需給バランスは崩れていますからね。誰かが仕掛ければ300円程度は可能でしょうが…近づく気にはなりませんね。さて9位の大塚家具ならやはりニトリでしょう。ただ大塚家具は好業績の過去がありますからね。外部環境は円安なのでブレーキですが、国内販売は好調に推移する筈ですね。チャートの形は良いのですが…あまり心が動きません。15日だけ見ただけで1時間以上経過しています。トホホ…やはり続かないかな?

以後は効率的市場仮説を信じ…チャート動向の良い物だけを採り上げることにしましょう。5番目に位置しているポールテゥウィン・ピットクルーHのディバッグと言う意味は、プログラムのバグを発見し修正する事だそうです。成長業種なのでしょうが…基本的に人海戦術なので、当面は業績が伸びるでしょうが…成長度は限られますね。CKDは設備投資がらみですね。先週、銘柄検討した時も、ユニオンツールが顔を出していました。物流のダイフクの株価も好調ですが、確実に設備投資意欲は回復しているようです。工作機械業界の外需は不振が続いていますが内需は回復しています。消費税引き上げ前の駆け込み需要が、設備投資にも発生しているものと思われます。18日登場しているバイリーンは悪くないですね。3月の高値を抜け何れ4桁を目指すかもしれません。自動車マットなどが好調なのでしょう。先ほど見た日本ペイント同様の背景が働いているようです。

岡部なども最近の復興需要から、オリンピックや古い社会資本設備の更新需要を謳歌する会社なのでしょう。しかしカタルのイメージは低収益会社だったのですが…変わったものですね。能力のある経営者に変わる事が、高採算へ変化させるのでしょう。もう一つ陰に隠れているのが、岡部だけでなく歴史のある古い会社は、団塊の世代がこれからも続々と退職して人件費負担が減るのですね。これは日本全体に言える構造下にあります。鉄筋工が不足しているように、若者への技術伝承が出来ていない側面がありますが、同時に、高いコスト体質が「失われた時代」の時間経過により、空洞化体制に、会社の組織転換が完了したとも言えます。つまり安倍さんは、あらゆる面で「ツキ」があるのでしょう。

重工がリストに顔を出しています。米国での原発訴訟問題を抱えていますが、基本的に日立や重工と言う社会基盤整備企業の活躍場面は、日本の更新需要だけでなく、アジアインフラにも貢献しますので、バックボーンは非常によくなっています。加えて岡部のケースで述べましたが、歴史のある企業は多くの団塊世代が退職を迎えますから、基礎的な人件費が下がる傾向にあります。この事は目に見えない増益効果に繋がるのでしょう。残念ながら今回のリストからは、カタル銘柄の候補は生まれていませんね。まぁ、程々のクラスだけでした。16日にリストアップされたポールテゥウィン・ピットクルーHは関心を惹いたのですが…人海戦術では利益の上積みが限られます。粗利が高くないと基本的にROEが高くなりません。その点007は、売上高全てが、開発さえ済めば利益になるのです。カタルがユビキタス時代を迎え、株価の天井が分からないワクワク感を、抱き続けている根拠の一つですね。