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ユビキタスの減額修正を考える(2013年11月10日)

さて多くの読者の人から007の減額修正についてのメールを頂きました。
その減額修正について、カタルの所感を述べないとならないのでしょう。ユビキタスは、少し異質な展開ですね。本来、ベンチャー企業の多くは、創業者が一人で、その人がリーダーシップを発揮して企業をリードし成長します。松下幸之助やホンダなど…。しかしソニーのように二人で会社を作るケースもあります。この会社の場合は、どうも3人が共同で会社の設立に関与し、現在は3人とも現役を離れているようです。鈴木さんだけは、まだ非常勤なのかな? その為に歴代の社長の失敗が重なり、僅かな期間で、よく入れ替わっており、なかなか定着しません。

過去には、任天堂との取引が打ち切られていますからね。
推察するに…両者の関係のなかで、嘗ての社長は余程の失態があったのでしょう。この経験を踏まえ、今回は、村田とは資本提携を模索したと推察しています。この取引に辺り、自社株買いの高い株を、わざわざ損を出して犠牲を払って放出しています。このような布石があったにもかかわらず、思うように業績が伸びない為に、今回も社長の入れ替えが行われたのでしょう。所詮、WiFiなどの使用許諾料などは、話し合いで単価が決められますから、よほどの優位性がない限り、交渉は難しいのでしょう。日本では、この技術料と言う価値が、世界基準からみると低く見られる風土が存在します。青色発光ダイオードの中村さんなどの訴訟にも表れています。米国の社会と構造が違いますね。

今回の新社長の佐野さんはスマフォ・コンテンツのエムティーアイからの抜擢のようです。職歴から見るとユビキタス時代の相応しい経歴のようです。IBMからマイクロソフトでデジタルライフ推進の経歴があるようですね。新しい事業展開が見られるかもしれません。期待されます。

さて皆さんの関心は、目先の企業業績の減額修正でしょう。減額修正ですから、当然、褒められた内容ではなく、村田製作との協業の成果も、今回は当然、加味されている訳ですが、おそらく契約単価も予想以上に低いのでしょう。ただ新規製品の立ち上がり初期にはなかなか新しいライフワークが確立されていませんから、新技術の定着まで時間が掛かるのが常なのですね。ダイキンの外出先からの帰宅時間に合わせた空調管理など…必要ない機能と言えば、必要がない代物です。我慢できますからね。しかしテレビのリモコンと同じで、スマフォの活用はどんどん進化し、生活にやがて定着して行くでしょう。だから立ち上がり初期は、どうしても画期的な売り上げ計上にならないものです。

カタルが密かに期待したWiFi通信モジュールのスマフォ採用は、アイフォンではブロードコムの製品が採用され、007は使われませんでした。おそらく007の売り上げを見れば、ギャラクシーも違うのでしょう。しかしWiFi製品の広がりは世の中の流れですから、どの製品にも何れ組み込まれ、村田の製品販売力が活きるのでしょう。まだ発売され半年程度しか経過していません。クラウド家電の発売はこれからが本番です。4月から経済産業省は使用を認可したのですね。007への期待は、IVIなどの先端製品への採用です。村田やルネサスと言う大会社に、弱小企業が組み込んでいる魅力ですね。僅か10億円ほどの売り上げは、時代が追い付くと…激変する夢があるのです。目先の業績推移ではないのです。この辺りの認識が、皆さんに欠けているので、目先の業績に株価が揺れる心配をするのでしょう。

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基本的に株価と業績の関係は、上のグラフのようなイメージです。赤が本来予測の業績推移を示して、縦軸が業績の増減で、横軸は時間軸です。グリーやガンホーのように、利益のピークを付けたと思われる業績修正(グラフでは青のcの部分です)と、今回の007の減額修正(朱色のa)は、株価へのインパクトが全然違います。同じ朱色でもaと、bも違いますね。今回の007も業績減額修正は、aのイメージです。それもかなり株価へのインパクトは軽く、場合によれば、発表当初だけの影響で終わるかもしれません。何故なら、売り上げが大きく変更されていませんからね。このような企業の場合、僅か1億円程度の読みの違いは、よくある事です。

その中身も『費用面では、研究開発や技術開発・新規事業活動による外注費等の増加、製品売上の計上に伴う売上原価の計上、及び予定販売数量の見直しによる販売用ソフトウェア償却額の増加などにより、総製造費用が当初予想より大幅に増加しました。また、研究開発や技術開発フェーズから商品開発フェーズへの移行遅延による販売用ソフトウェア仮勘定振替高の減少等により、当初予想より売上原価が膨らみました』となっており、『通期業績予想については、売上高は当初の予想を達成する見込みですが、費用面は上期に引き続き、研究開発や技術開発・新規事業活動費用、販売用ソフトウェア償却費の増加などにより、当初予想より費用が増加する見込みであり、第2四半期累計期間の業績を踏まえて上記の通り修正を行います』となっています。

まぁ、株価に全く影響はないとは言いませんが、僕らが狙っている変化に影響を与えるものではなく、潜在的に予想していた大幅赤字の最悪の結果ではなく、カタルのとってこの減額修正は、僅かな揺れというイメージです。むしろ売り上げが大きく減額になっておらず、頑張っているな…と言うポジティブな見方もありますね。1Qの数字をみて、本当は潜在的に心配もしていました。更にいうなら、もし今回の2Qの段階で、まさかの黒字…があるなら、もっと早くに株価は新高値を付けていたのでしょう。しかし今回の事前の株価の動きは26万円までで…弱かったので、株価は事前に、この減額を加味していた可能性もありますね。これが「効率的市場仮説」と言う命題が発生する所以です。株価は全てを知っているものです。だからチャート論信者が存在し、テクニカル協会などが存在するのです。

カタルは、前から何度も述べています。黒字にならなければ2000円以下なら、現物で1株でも良いから買い、黒字になったら信用でも上値を買っても良いと…。前から意見は変わりませんね。カタルの意見は、あまり変化しません。駄目ならハッキリ言います。グリーやアークのように…指摘していますね。でも両社とも継続のフォローもしています。駄目と言っても下がる訳ではなく、一般株の認識ですよ。

カタル銘柄に採用しているケネディクスや007は、依然、大変化を示す可能性が高いのです。両者の業績推移を見て下さい。007もケネディクスも赤字からの推奨であり、ケネディクスは黒字転換しましたが、利益剰余金がマイナスで復配が出来ない状態です。この状態が激変する可能性があるのですね。一般の赤字から黒字とは、少し意味合いが違います。利益剰余金がマイナスなのですね。それほど危ない会社だったのです。一般的に盲腸で入院しての退院とは違い、生死の際を彷徨って…諦めていた時点からの生還なのですね。だから株価は、激変するのです。故に100円以下から第一株価波動が10倍になったのですね。ようやくケネディクスは、今度、第二株価波動に突入する前夜なのです。

007に至っては、時代の入り口に位置する会社なのですね。単に業績の上下と言う一般的な景気循環とは違うのです。産業革命の鉄道株のような指数を作るような歴史的な変化に位置する会社です。マイクロソフトが、何故、100倍とか200倍とか…の天文学的な成長を遂げたか…。良く時代背景を考えて見れば分かります。一般の景気循環で上下する株などは、所詮、上値は知れています。007は時代変化に位置する組立ソフトの会社なのですね。だから長い間、割高にも拘らず、注目し続けているのです。

まぁ、カタルの相場観が正しいとは言いません。
人それぞれには独自の考え方があり、自分の信じる道を歩めば、良いだけの話です。あくまでも、投資は自己責任で、自分が選択する結果が、未来に訪れるのです。所詮、自分が選択する事ですね。他人の意見など…どうでも良いのです。互いに頑張りましょう。