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調整の違い(2014年01月13日)
今日は薄煕来や周永康などの中国の汚職に関する問題から中国経済の展望を考えてみたいと考えていました。基本的に北朝鮮もそうですが、対立する敵を潰す行動は、経済に打撃を与えることに結びつくことが多いからですね。この辺りの考え方も相場に影響を与える材料なので、自分なりに、一度、考え方を整理する必要性があると考えていますが…この事は次に機会にして、今日は、もう一つの「株の調整」と言う話題を採り上げましょう。調整には二種類あると言います。一つは株価が下がる「値幅調整」、もう一つが株価は下がらない横ばいが続く「時間調整」ですね。どうして、そのような現象が生じるかは興味深い現象でもあります。故にその事を考えてみたいと考えています。


実は先日、スクリーニングで挙がってくるリストを見ていたら…「ワコム」6727がリストアップされていたのです。記憶によればタッチペンが好調で、外資系ファンドが買っていた筈の銘柄です。そうして株価が急騰していたのです。この株価の動きを見てみましょう。切っ掛けは2012年初めのようです。つまりアベノミクスが始まる前に有望と判定され、複数のファンドが相乗りして買われ始めたのでしょう。2012年の春から秋にかけ高値での揉み合いが続いており、おそらくこの時期に、企業業績の変化が生まれているのでしょう。ところが株価は四季報数字で見る限り、好調が続いているのに…大きく下げ始めており、未だに下げが止まりませんね。業績は右肩上がりなのに…株価は下落を続けている。52週線を維持しても良いように感じるのに…未だに止まってないのは、どうしてなのでしょう。ケネディクスの株価と比較して下さい。

不思議さを感じませんか? 介入したファンドの狙い通り企業業績は大きく改善しているのに…何故か、ワコムは株価の下落が始まり止まりません。考えられるのは、この後の推移の伸びが見込めず、現状の数字が一杯いっぱいで、これ以上の進展が見込めないケース、それとも介入したファンドが玉を売り続けており、手替わりする買い手が現れないか? そこで過去の四季報の名簿と現在のものを比較してみました。2012年春に買ったファンドの多くの玉は売り切っていませんが減っています。自社株買いにも熱心な会社だったので、その持ち分をサムソンに5%程度、昨年は639円弱で渡しています。でも業績数字を見ると、売り上げの伸びの割に利益が大きく膨らんでなく、製品の粗利が悪いのでしょうか? 通常は損益分岐点を上回ると利益率はぐーんと上がる筈です。でも悪くない数字に見え良い伸び率ですね。この時期に株価が下落するのは、なにか不自然です。株価が落ちておりサムソンの買いコストの近辺でもあり、そろそろ下げ止まり反発するのでしょうか? 年末に自社株買いを実施していましたね。
問題は既存の整理しているファンドの玉が残っており、この人達は売り姿勢を継続するという問題でしょう。何社も売り姿勢のファンドがまだ存在するとすれば、株価が大きく反発するのは難しいかもしれませんね。でもこの業績数字に文句はないですね。詳しく調べてないから判断は難しいのですが…、ざっと見た感じでは、そろそろ一度、反発があっても不思議ではないですね。

さてこのような株価の動きの違いは、何処で生まれるのでしょう。ケネディクスは多くの外資系ファンドが完全の玉を外したようで…、個人の信用買いや日本トラスティ―信託は買い増しを続け、GSなどの新たなファンドか顧客も買っておるようですね。新規のファンドの名前も見られますから完全に手替わりしている様子です。しかしワコムは新たな買い手があまり見られないようです。おそらく、この違いなのでしょうね。この違いは何処から生まれるか? 今度は時間軸を引き延ばしたチャートを見比べると、企業の本来持っている価値観と言うものが見えてきます。カタルがよくチャートの時間軸を引き伸ばして銘柄を見るのは…長い時間が判断した企業の価値観が時間軸を伸ばす事で見えて来るからですね。


何故、多くの不動産株からケネディクスを、カタル銘柄に採用しているかという理由もこの辺りにも存在します。今日、触れた株主構成に理由の一端があるのですが、いずれ又、この事を解説することもあるでしょう。相場と言うのは「理外の利」と言うものが必ず存在するのです。2014年は、昨年、後半に抱えたジレンマを解消させる年でもあります。あの銀座のティファニービルはソフトバンクが買ったのではなく、孫正義個人が320億円で買ったものなのですね。如何にも、彼らしい発想ですね。期待利回りは2.6%とか言われているものですね。でも銀座中央通りの物件は少なく、賃貸料もブランド価格で多くの店は赤字の筈、所謂、アンテナショップとして、中央通りは広告宣伝の価値があるのでしょう。