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ケネディクスの背景(2014年02月16日)

ケネディクスの決算は007と比較して何ら問題はなく、再建計画の前倒しから復配は確実の様子です。ご自身で確かめられると良いでしょう。既に決算説明会が開かれています。印象としてはアングラからクリアになって来ている様子です。それだけ内部要因が市況改善により追い風なのでしょう。ケネディクスは三菱地所などの大手と比較し、手持ちの不動産はAグレードからBグレードの物件が中心なのでしょう。しかし地所はSグレードなのですね。この違いは丸の内のビル群はSグレードと想像されると良いでしょう。新築の広い面積のインテリジェントビルを示すのでしょう。

ジョーンズ・ラング・ラサールのオフィスビルグレード定義によれば…Aグレードとは20階建てぐらいの3万平米以上の大規模ビルで1990年以降に建てられた物件を示すようです。SとAは物件そのものが希少価値になっており、売り物がないのですね。故に、あのへんてこな設計の新生銀行の本社(東京駅周辺)の不良物件も、昨年は売却され再構築される訳です。ケネディクスは資本力がなく新興不動産で1995年設立です。ダヴィンチと共に東京の不動産価格が採算利回りに合ってきたために、世界のお金が流入した時期の1998年近辺から急成長し、2006年の不動産ミニバブル時に高値の物件を掴まされ、その高値物件の処理を強めたので(金融庁による減損会計の強要)、倒産の危機に見舞われた会社です。カタルがよく批判する日銀の政策の2006年のベースマネーの急激な引上げと、米国の金融危機が重なったのですね。

大手不動産と違い、保有物件はBグレード中心の弱小の不動産会社です。Bグレードは1982年以降の竣工で、8階建て以上の5000平米以上の物件を示すようです。しかしこのグレード評価も…いい加減なのですよ。不動産業界自体が、かなりいい加減な業界です。そこにダヴィンチの金子さんが、不動産金融論理を米国から持ち込み日本の不動産市場を再構築したのです。その頃、ダヴィンチと共に金融論理を片手に論理的な展開で成長したのが、ケネディクスと言う会社でしょう。ノンリコースと言う考え方やメザニンローンなどのリスク管理の考え方を、米国から持ち込んだのですね。金融デリバティブの発展が、新興国経済を成長させGDPを押し上げる原動力になりました。メザニンローンは、ある意味でリスク分散の仕組み融資ですね。一種の金融デリバティブなのです。レバレッジを働かせるわけです。この考え方により不良債権処理が一気に、正常債権に変わり日本の不動産が底を付ける原動力になったのです。

カタルの友達が、この時期にリーマンから800億円の運用を任されましたが、600億だったかな?1年で消化する事が出来なかったのですね。その後、彼は2006年の危機に不動産から足を洗い(彼が優秀なのは、見きって転向したのですね。この決断が常人には出来ません。)会社再生ビジネス転換し、当時赤字経営が多かった医療分野に進出し、今では日本でも有数の病院経営をしている会社に育ちました。先日はベトナムにも進出していましたね。これは実話ですよ。カタルが信用創造機能の復活がなければ、日本は再生しないと定義して、ケネディクスに取り組んだのは、金融力を利用しなければ、絶対に経済は再生しないのです。日本は株価を軽視していますね。しかし米国は株価を主体にして政策を変えています。市場主義経済が主流なのに…日本の官僚は株取引を禁止する清貧思想がある為に、長い失われた時代を味わっている訳です。

製造業ではなく、007のような組み込みソフトの会社が成長できる環境にしないと、日本は再生しないのです。HEMSの補助金打ち切りは、ある意味でおかしな政策ですね。時代に逆行しているのです。日本の再生を考えていくと、必ずいくつかのキーワードが存在し、その流れに合う会社が育たなければ、日本は劣等国のままなのですね。ナノキャリアの株価は低迷していますが、なかなか見所のある会社なのです。赤字故に、人気が冷めていますが…。話しが飛びますが…カタル銘柄は時代性を背景に選択されています。

ケネディクスの詳しい内容は、会社説明会をご自身で、26分程なのでお聞きになれば分かります。こんな事をカタルが、クドクド述べても仕方がないから…、ポイントを述べるとすれば復配は含み利益から確実なのでしょう。故に私募リートの組成の成否が重要で3月に予定されるものは、既に募集が済んでいるのでしょう。此処にレガシーアセットと呼ばれる不良物件と優良物件を抱き合わせて販売し含み損失を減らし、利益を計上し数字を作っていきますが、問題は不動産市況なのですね。故に容積率の拡大の成長戦略や東京都の震災対策の新基準などが問題になります。

基本的にケネディクスは、Bグレードの物件の宝庫で、急激に利益が膨らむ体質を持っています。容積率の引き上げ効果は非常に大きいですね。この基準変更で古いビルの建設費がなくても、新築に変わります。実際に東京駅の再開発費は容積率の売却により、(特別立法ですね。)建設費を捻出したのです。株価の成長を考えると分かりますが…最後はゴミのような小さな会社まで、1000円以下の株価がなくなるのです。1989年のバブル相場を述べていますが…。最初は優良株が買われ…だんだんグレードが落ちるのですね。出遅れ銘柄を買って、投資が広がる訳です。不動産も同じでしょう。既にSグレードの物件は土地の手当てが難しく、地上げ作業は大変で…纏められない訳です。数十件から場合によれば100件以上の地権者の土地を集めるのは、開発期間だけで10年を優に超えるでしょう。金利負担はどうなりますか? いくらお金を積んでも頑固者は絶対に動きませんね。だから相続税が払えなくなるまで、待つしかありません。死ぬまで待つわけです。これが現実ですよ。100室ある古いマンションに、二人だけの頑固者が住んでいる為に、彼らが死ぬのを待って遺族と交渉をするわけですね。そうしてやっと再開発になるのです。これが現実ですよ。Sクラスのビルなど、既にないのです。だから地所は、丸の内の再開発で商業施設も集め、街づくりに金をかけ付加価値を上げるのです。

Aクラスも、なかなか市場には出てきませんね。東京では経済危機がないと、なかなか物件が出てこないのです。既に経済は立ち上がっているので、ダヴィンチの抱えた軍艦ビルのような物件は、市場になかなか出てこないのです。あれは1982年に建設された古いビルですね。しかしBグレードの物件は、かなりあります。おそらくケネディクスが日本で一番、保有、管理しているのでしょう。東京の地価がこれからカタルの予想のように騰がると…一番恩恵を受けるのは、ケネディクスなのですね。故に株価が4000円で、政策次第で1万円と言っているのです。2006年の不動産ミニバブルの水準を超える正常化、所謂、信用創造機能の復活が、日本の再生には欠かせません。これは絶対条件なのですね。地所が抱えるSクラスは宝物で価格が下がりませんが、天井は知れています。変化率と言う観点で見れば、Bグレードのビルが一番、価格上昇するのですね。株を考えて御覧なさい。トヨタが2倍、3倍になりますか? 安心感は一番ですが、変化率の観点ではそのような成長は見込めません。しかし007は半値になりますが、10倍になる可能性がありますね。不動産のグレードも同じことです。まぁ、株価程、派手ではありませんが…似たようなものです。

だからケネディクスの株価は、正しい政策が実施されるなら10倍になります。ここが味噌ですね。今期の業績が良いのを、株価はすでに織り込み済みです。復配の3円も織り込んでいます。こんな事は、昨年から分かっていたのですね。カタルは今期利益が3倍程度に膨らむと考えています。だから4桁以上に、年末にはなると考えていますね。消費税の引上げからの経済成長の減速は大きくなく、無難に通過すると考えています。すべての条件がそのような状況を示しているからですね。しかしそれならば…何故、年初から株価は下げているか?

ケネディクスの株価下落は、個別株要因ではありません。市場全体の要因の為に、仮需が重い為に下げてきたのですね。007は両方の要因ですね。個別株要因もあり市場要因と重なったので、大きく下落したのです。日経平均225銘柄が52週線に位置しているという事は…既に異次元緩和効果が、陳腐化しているのです。だから市場が反応する政策を取らねばならないのです。それを木内さんは、円安による消費物価の上昇を楯に、追加政策を拒んでいるインタビューが掲載されていました。彼は優秀かも知れませんが、野村に育てられたロボット人間ですね。苦労して実践を積み重ね挙げた人と違いますね。全然、経済を理解していません。きっと追証の苦しみを味わったことがないのです。友達も自殺したような人が、周りに居ないのでしょう。しかし僕ら現場の人間は、真剣に働けば働くほど、生死の現場に直面します。お金の世界は非常にシビアです。僕は故に耐えられなくなり会社を辞めたのです。あほらしい政策が続くので…証券マンなどやってられないと思ったのです。たかが1000万程度の収入の為に…追証の痛みをお客様と共に味合う限界を超えたのです。40億の損失はそんな価値でしたね。

日経新聞を読んでいると、眉唾記事が多いですね。さかんに中国のシャドーバンキングの不安を煽っています。しかし実態経済の自動車販売は、6%だったかな? 依然、伸びていますね。しかも中国では高級車が売れ、日本の販売台数も伸びましたが、みんな軽自働車ですね。1000万クラスの車が、どこ程度、売れたのでしょう。確かに…中国の火種はありますが、今の所直ぐに、問題化しませんね。少し景気が良くなると、途端に権力争いを再開した自民党の危機感の無さや、異次元緩和のカンフル効果による円安と消費税の効果による物価高を、インフレ目標2%の達成成果と捉えているノー天気の黒田さんとは違いますね。市場は、此処の矛盾を突いているのでしょう。政策催促相場に入る可能性と、再び信頼を勝ち得て株価が上昇する可能性と、今は5分5分でしょう。

ケネディクスの業績は、何ら問題はありません。007は様子見ですね。余裕のある人は買えば良いし、追証懸念のある人は整理しなくてはなりません。そんな事より、全体論が問題です。どんなに良い銘柄(好業績銘柄)も、全体市況が追い風にならなければ、当然、沈みます。今の所、2月4日が目先の底だったように感じています。今は二番底を固めている所でしょう。52週線をキープし…再び浮上できるかどうか…。この辺りは、政策次第なのです。おそらく直ぐに力強い上昇には、移行しないでしょう。やはり8月を待たないと駄目だと考えています。ただ上昇相場に移行しなくても往来相場に移行し、ここが当面の底になる可能性は、非常に高いですね。それほど…異次元緩和効果は続けるだけで、意義が生まれてきます。だんだんベースマネーの増大がジワジワと冷酒のように効いてきます。やはりケネディクスは2月4日の348円が、当面の底なのでしょう。007は仮需の動向に左右されますが、すでに昨年後半から売られており、かなり整理が進行しています。社長が言うようにV字回復演出の減損会計かも知れません。年末にケネディクスと共に相場がなかったですからね。整理はケネディクスより進行しています。

新規ファンドの参加がなかったから、当然、株価が下がりますが…株が下がることによって魅力が増し、リスクが減りますから、新規の参加者が参入しやすくなります。ブツブツが良く「株価が下がることが、最大の好材料なのです。」と言って、セールスをしていました。どんな業績の善し悪しよりも…株価が下がることが、最大の好材料であり、どんなに好業績でも、株価が上がることが最大の悪材料なのですね。これは世の中の常識ですね。まぁ、業績の見方より背景評価を中心にケネディクスのレポートを作成しましたが、一番大切なのはマネタリベースからマネーストックが増えている過程だという事を実感する事でしょう。故に抱える不動産の価値が上がるのです。100億単位で含み利益が上下する会社ですよ。PERを10倍とすれば1000億円単位で時価総額が増えるのですね。よく背景を考えてくださいね。

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