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当たらない予想(2014年02月11日)
年初に調べたように…貿易赤字の拡大により経常収支の黒字幅が減り、12月も6386億円の経常赤字でした。ガラガラポンのリスクが膨らんでいます。金融危機後のコスト削減競争を、日本は持続できなくなり自助努力を諦めたのです。分岐点は日産マーチのタイへの生産移転が「切っ掛け」です。その後、タイでは下請け工場が育ち、日本車各社の生産基地の受け皿になっています。この最後の空洞化は過剰なのでは…と、カタルは実効為替レートによる推測から、内外価格差による空洞化が、分岐点を迎えていると考えています。JVCケンウッドの株価が低迷している理由は、為替水準の読みにありました。逆輸入がコストを引き上げたのです。日産自動車の増益率が鈍いのもグローバル化が進展しているからですね。逆に、海外進出をしたくても出来なかったマツダは業績が大きく伸びたから世の中は面白いものです。まるでウサギとカメの話です。負け組が勝ち組に転じるのです。月曜日は決算発表を受け、人気になったアークの特別利益もこの影響を受けています。
日経新聞を読むと分かりますが…自動車産業は空前の活況です。カタルは2010年にマツダに拘っていました。当時は為替の見方と中国市場の伸びに期待したものでしたが…。2年のタイムラグが生まれました。実際は、異次元緩和を「切っ掛け」にした転換でしたね。構造的な下積み(環境の条件が整っている事)が存在し、起爆装置が働くと株価が爆発します。ケネディクスの現状は、基礎的な条件は揃っていますが…何かインパクトが足りないのでしょう。007も同じ環境下にあります。誰が起爆剤を仕掛けるのか?
今の相場は「1月の警戒感」の見方が問題になります。一番大きな懸念材料は、消費税の引き上げ後の腰折れ景気が予想されるからですね。ダボス発言も市場に影響を与えず、むしろここに来て、好材料が出ても日米両国の株価は下がりました。1月に株が下がるのは、珍しい現象なのです。米国も大統領教書を発表した直後に下げてきました。背景にはFRBの金融緩和縮小があるのですが…2006年の日銀の失敗と同様の過ちを、FRBも冒すのかどうか…。カタルはCDSを含む店頭デリバティブ取引残高は600兆ドル程存在し、新基準に移行する準備時間は、もう直ぐ終了しますが…ファニーメイやフレディーマックの正常化が遅れているように、FRBは正常化と言うか…改善を急ぐべきではないと言う意見です。米国金融株価を見ても分かります。GSもJPMも新高値を大きく更新していませんね。
カタル自身も分かっているかどうか…難しいので、皆さんは一層、何のことか…サッパリの人も居られるでしょう。現在は過熱した金融デリバティブの縮小過程にあります。金融が縮めば、景気が拡大する筈がないのです。しかし世界の中央銀行が揃って、その不足分を埋めたのがFRBによるQE1~QE3や日銀の異次元緩和政策ですね。日銀はバブル崩壊の後、後処理の不良債権処理が終わったとして…2005年頃から生まれた不動産ミニバブルを過剰に警戒し、急速に資金を絞ったのです。それがマネタリーベースの前年比のマイナスです。この悪影響により、折角の上昇ムードが金融危機も加わり壊れ、再び奈落の底に…。ダヴィンチの経営は、論理的だったのです。その論理を否定したのが金融庁の清貧思想です。だから失われた時代が延長されたのです。FRBが同じ間違いをする可能性があり、そのような下地があるので…1月の株価が過熱感の訂正を含め下げたのでしょう。
此処に米国景気回復の上昇角度が試されています。日本は消費税の引き上げ、中国はシャドーバンキングですね。このシャドーバンキングは、闇から表への正常化作業の段階になっています。地方政府の起債により、影の表面化作業が行われています。つまり2014年は読み〈先行きの展開〉が難しいのです。その為に市場は過度の楽観論を修正したのですね。通常、調整は二段階が常です。今は一番目が終了し二段目への移行期なのでしょう。こう考えるのが自然です。3月から5月にかけ株価は戻るのでしょう。この戻りの角度を決めるのが、業績は好調な自動車業界の春闘です。期間工の正社員化が、実効為替レートやTPP交渉を見ても正しい姿です。そうしてベースアップをすれば…外人投資家は、日本経済の立ち上がりに自信を深めるでしょう。
ところが…業績が好調のトヨタが、自己利益を優先する行動を取れば…日本の消費税引き上げ後の落ち込みは大きくなり、日経225の多くは、ケネディクスの株価のように52週線を維持できずに、下がることになります。特にソニーは、空売りの対象になる可能性があります。ただでさえ、大幅な損失を埋める為に、資産を売却したのです。物を売ると言う行為は、あとがないことを示しています。パソコン部門の「バイオ」売却は、ある意味で合理化推進にも見えますが、危うい現象の一つとも捉えられます。どちらか難しい判断ですね。
この春闘と共に注目されるのが、日銀の政策ですね。金融緩和に慎重派の白井さんの金融緩和追加講演に沸いた市場は、指数買いを先行させ、年末株価の押し上げムードを演出しましたが、黒田会見のデフレ克服会見の自信を、市場は否定したのですね。単なる消費税の駆け込み需要と、円安による物価高なのに…彼は勘違いしている可能性を、市場は危うい現象として捉えたのでしょう。故に株価は白井発言のところまで下げました。行って来いと言う「出直り相場」になりました。
これがカタルの現状分析です。此処からの注目は「春闘」の動向、特にトヨタの動きと「日銀の政策」次第で株価の位置が、決まります。満点を叩き出せば…株価は当然、2万円向け上がりますよ。ケネディクスの4ケタは確定します。しかし空振りなら…日経平均の52週線(14158円)も維持できずに、下げますね。今は回復過程で、裁定買い残も一旦は解消され、戻り相場に入ったのでしょう。しかし…春闘の出来や日銀の追加の予防処置がなければ…、市場は政策の催促相場に突入することもあり得るのでしょう。2月は戻り、3月は未定という感覚なのでしょうね。きっと…。なかなか当たらないカタル予想です。