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007の決算説明会資料を見て…(2014年02月23日)
昨日は株価が下がることが、最大の好材料だと述べました。悪材料を織り込み考えられる懸念を株価は先読みするからですね。むかし日産自動車が経営危機に揺れたことがありました。その時に日産自動車がとった行動は、本来は来期発生する経費を、今期に計上し赤字額を見せかけ上膨らませ、業績のV字型回復を印象付けたことがありました。昨年のパナソニックとソニーの決算処理の違いを考えてみても良いでしょう。パナソニックは2013年3月に大幅赤字にしましたが…、ソニーは同じ時期に黒字を演出しました。
会計は色んなマジックが存在し、恣意的にかなり操作できると思った方が良いのです。所詮は、会計士が、どう判断するか?という個人の裁量に委ねられます。大きな会社では10名程の会計士が入り、助手を含めればかなりの数でしょう。しかし小さな会社は、個人の税理士のようなものです。一応は会計法があり、大きなデッサンは決められていますが…かなり恣意的なのです。
007の決算説明会があったようです。固定資産の減損部分に、これから売り出す「Dalchymia」を費用として今期に押し込んでいましたね。通常、これから販売するものなら、売り上げ計上した段階で費用として計上することが認められている資産だと考えますが…不思議ですね。3Qの段階で4Qの悪い数字をわざわざ打ち出す事も謎ですが…。このような行動は、分からなくもありません。社長が交代し、辞めていく前任者に責任を押し付け、自分の成果にしようとする気持ちも理解できますね。大幅赤字を計上することで、社内の空気を引き締める演出効果も期待出来ます。よく考えると12日水曜日に再減額修正を発表し、株価はストップ安が当然と思われていましたが、何故か、1151円で値段が入りました。通常は一度値段が入っても、その後売られ、再びストップ安するケースが多いのですが、その日は1218円で引け出来高も122万株と大きく膨らみました。
その後も58万、28万、35万、52万、55万と金曜日は、出来高が落ち着き15万と通常のペースに戻りましたが、先週は大きく膨らみましたね。カタルが事情通の買いを指摘する理由は、この辺りにあります。そもそも村田との量産効果を期待したのは、5月9日発表のIR資料にあったWiFiモジュールの出荷数が、月間で2800万個と言う部分だったのです。1個1円なら、年間で3億36百万円、2円なら6億72百万円、5円なら16億8千万円です。カタルは故に、必要に追っかけましたが…この効果は、今の所は現れていません。でも世界の無線通信機器、スマフォにタブレットなどの製品化は増えるばかりです。必ずWiFi機能が必要になりますね。何故、収益化が見えないのでしょう。村田が最初に取り組んだという事は、可能性があるから製品化した筈です。この製品発売から8か月になりますが…収益化は期待できないのでしょうか?
今回の「Dalchymia」の事業化に際し、わざわざ野村証券の資料を、何故、持ち出すのでしょう。IoTとかM2M市場の成長市場は、急展開している成長分野です。カタルが、昨年、富士通を何度か紹介しているのは、クラウドを調べていくと、関連企業の中に、必ずピックアップされるからですね。会社側もその方向で収益化を図っています。007も同じことなのです。気象情報の「ソラテナ」は、現段階では小学生の実験室のレベルでしょう。しかし未来の利益の卵にも、感じられます。農業分野の気候管理は非常に需要だからですね。色んな応用が考えられます。「電力の見える化」事業は、新築のマンションにも応用され始めているようです。経産省から補助金を獲得した実績のある技術で、最先端を行っていますし、東電のスマフォメーターの設置から、電力の効率活用はこれから進む分野ですね。現状はかなりの電力が上手く使われずに、捨てられ消えているのです。
依然、007の夢が消えた訳ではありません。むしろ事情通の新規の参入が、考えられるような展開にも見えます。カタルは先日、この水準で買い増ししましたが、多く買ったわけではありません。株価の下値は限定的と見ているから、買い増しただけですね。しかし高値を買うのは、勇気がいります。だから8月に発表される予定の4―6月期の数字を見れば、ある程度の未来予測が立つのではないかと現状では考えていますね。どうしても3000円、5000円と、株価が高値を追うためには…企業業績に寄与する何らかの確かな材料が欲しいのですね。現状の出来高推移を、それを知っている可能性もありますから事情通の買いの可能性があると指摘していたわけです。村田の量産効果が、ある日突然、発表されても何ら驚くものではありません。かなり好意的なレポートを書きましたが、固定資産の減損会計から最悪の展開懸念は、消えつつあるように感じました。
会社が目指す時代性が正しいなら、いずれ効果は生まれるものでしょう。ケネディクスの信用創造は日本に必要な部分なのですね。スマートコミュニティーの実現は、少子高齢化の社会では絶対に必要なのです。例えば高速道路に自走ラインを設けたとしたら、渋滞はなくなり、時間効率が生まれ、物流の労働生産性が格段に上がりますね。学習もそうですよ。最近はタブレットを利用した家庭教師タイプのサービスが生まれていますが、生徒が塾に通う交通費や個別学習に対応するシステムなど、非常に従来にはない効率の高さですね。カタルがJVCケンウッドに注目している理由の一つに、学校の電子化事業があります。電子黒板やタブレットを繋ぐサービスですね。この分野の競争は激しいのですが…エプソンなども関連してきますね。
007の事を書いていたら長くなっちゃって…。今日は実質GDPと名目GDPの違いの意味を解説する予定だったのです。今回のGDP成長率は予想よりかなり悪かったのです。故に外人からもアベマゲドンリスクを指摘されるのですが…、確かに褒められたものではありませんが…、実質水準を、僅かですが名目数字が上回ったのです。この意味は非常に重要で、我々人間にとって、希望が生まれつつあるのですね。僕らは名目の世界で生きているのではあって、実質の世界で生きている訳ではないのです。だから給料が毎年上がると希望が生まれるのですね。

トヨタ社長が、果たして昨日の話した先代の証券会社社長のように、度量の大きな社長なのかどうか…。今回のベースアップで判明するでしょう。カタルは意外に、坊ちゃんなのに彼が好きですね。満額回答を早く出してくれないかな?…そうすれば、今度はトヨタの車を、買おうと考えても居ます。GDPの解説は省きますね。ただ実績数字を並べておきますから…、自分なりにカタルの趣旨を考えてみるのも一考でしょう。念願の内需振興にもなっているし…いろんな点で見所があるのですよ。メディアの間違った解説は、何処かおかしいですね。
