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投資の原点(2014年03月09日)
バフェットやジョージソロスに憧れ、彼らの手法を学ぼうとして、ずいぶんいろんな本を読みましたね。ソロスの再帰理論などは、証券マンになりたての頃に読んだのでした。その後、彼は大成功し、祖国ハンガリーに寄付をしたり、社会慈善活動を中心に活動を続け、現役は早くに引退しました。しかしバフェットは、ご存知のように長く現役活動を続けています。僕らが投資で間違う大きな原因の一つに、自己中心的な考え方があります。株価は、市場が決めるものなのです。自分が決めるわけではありません。それにも拘らず、株価ばかりを気にしますね。でも彼らの行動に共通している概念は「時の流れ」です。
バフェットの原則は継続的な利益に趣が置かれています。その会社が成長する限り、株価がどんなに上がろうが…持ち続け、買い増しもしますね。米国金融危機の時に、バフェットは早くからウェルファーゴに投資をし、その後の混乱で、あのゴールドマンサックスから非常に有利な条件で株を手に入れました。彼の見込み通り、米国金融は立ち直り、シティーなどの株価は危機前の水準を回復していませんが、ゴールドマンサックスやフェルファーゴは、金融危機前の水準を回復しました。しかし彼は、何故か、儲かったはずの金融株を手放しませんでした。一つの企業を5年も10年も…場合によれば、30年以上も持ち続けるなんて、僕らの概念にあるのかどうか…。大概は、2倍になれば喜んで売ったりしますからね。
一方、ソロスは市場が間違っていると…「市場と現実」のギャップを探します。彼を有名にしたのは、イギリスの中央銀行を相手に通貨戦争に挑んだ出来事でしょう。彼はマーストリヒト条約の矛盾を突き、イギリスの中央銀行に挑み勝利しました。高く維持されていたポンドの歪を突いたのですね。イタリアによるリラの切り下げを切っ掛けにして、勝負を挑みました。二人の投資行動の手法は違いますが、何れも共通点があります。時代背景を考え、株価形成の矛盾を突きます。大切なことは、時の流れを読む力を養う事です。
カタルはよく投資相談のメールをもらいます。しかしアドバイスが出来る範疇は限られます。投資したお金の中身が分かりません。必要資金なのか余裕資金なのか? 読者の生活状況も分からなければ、更に投資する余裕資金があるのかどうかも分かりませんね。歩合セールスが良いところは、転勤がなく、顧客と一体化するところです。長く付き合っていると、お客様の経済状態や家庭環境が理解できます。家族的な付き合いに発展し、相手の懐事情を知るようになりますから、それに合わせた投資を薦めるようになります。…と言ってもカタルは、かなりお客様に無理をさせました。安全より収益を目指し続けたから…失敗をしました。
是川銀蔵は相場で大儲けをしました。住友鉱山や同和鉱で…。しかし持田製薬で失敗し財産を失いました。晩年の彼の生活を支えたのは、奥さんの為に残した5億円の国債だと言われています。絶頂期の彼にとっての5億は、紙くずに近い価値に過ぎなかったのでしょう。一時は、すごい勢いでしたからね。息子さんが癌に侵され…運命でしょう。彼の気持ちは良く理解できます。
カタルが007に出会ったのは2010年1月でした。当時、カタルは失意の中で生活をしていました。あの相場環境の中で、株価があれよあれよ…と騰がってきたのです。何故? QBの誕生ですね。カタルは技術屋でもなく、内容は分かりません。あの技術を見て当時は、全ての家電製品はプログラムで動いているので、この応用が出来ると拡大解釈をして相場に臨みました。しかし…なんと製品開発まで3年も掛かる訳です。プログラムの世界の事は良く分かりませんが…様々な製品との相性があり、整合性が得られるまで、原因を検証し、改善と実験をするくり返す試行錯誤の世界なのでしょう。言わば人海戦術が要求されるのでしょう。だから構造が単純なほど、手直しが少ないから、任天堂のゲームにWiFi技術が応用されたのでしょう。おそらく村田が、この技術を利用した製品を最初に発売したのも、簡単な構造だからだと考えています。今度はカーナビの経験が活き、IVIでも、開発過程の多くの実験は、既に検査済みで製品化は早いと踏んでいます。
結局、今の所、QBのカタルのイメージは具体化していません。カーナビからIVIに勢力図は動いているようですが…。カタルの2010年当時のイメージは、テレビからCD機やコピー機など、全ての家電製品にQBが応用されると考えていたのです。車はバッテリーで動きますから必要度が増しますが…、家庭で使われる待機電力も相当な量だと思います。もしQBの価値が共有され技術が広がれば、日本の基礎体力も、人類の無駄なエネルギー消費量が、どの程度、効率化されるのでしょう。株価が上がるとか…下がるとかの話しだけで、カタルは、銘柄選択をしているのではないのですね。日本に必要なものは何か? 時代の要請が背景に存在するのかどうか…。
株式投資は早い話し、無限のお金があれば…必ず儲かります。発行済み株式総数の50%以上を買えば、好きなように会社を運営できます。株価も市場に出回っている株を買えばいいだけの話です。しかし…自分の価値観を他人が認めて、初めて価格は成り立っています。だからどんなにお金があっても市場価格を歪める投資行動は、慎まねばなりません。多くのファンドが10%未満に持ち株比率を抑えるのは、その様な理由だからでしょう。中にはサーベラスのように経営に乗り出すファンドも存在しますが、投資の世界では異質です。
昔、近藤紡と言う人が居ましたね。カタルが勤めていた会社の社長は、名古屋支店長当時、彼の下に通い注文を貰ったとか…彼は売りで有名でした。何故か、空売り相場で負けても上機嫌だったそうです。理由は自己資産の値上がりで、株式投資はその保険に過ぎないと…空売りしか、しなかったと言います。今日の文章は駄目ですね。なかなかうまく書けません。カタルは自分が買った株価は、絶対的な価値ではないと言いたかったのですが…。大切なことは、時代背景であり、希望が失われたのでグリーを諦めたのですね。一般株に成り下がったのです。あの当時、カタルはグリーとDeNAがゲームの世界を二分すると考えていました。でも結局、ピンハネをしたのはアップルの方が上でしたね。しかし本当は携帯会社が、その大元の権利を握っている訳で…搾取できる本当の仕組みの胴元は、やはり携帯電話会社なのでしょう。あの時点で1万円の可能性が消えたので、株価が下がっても追い続けるカタルの姿勢が変化したのです。株価が下がったから諦めてわけではないのですね。どんなに株が上がっても市場とのギャップが消えない限り、推奨は続けるでしょうし、逆に株価がどんなに下がっても、市場とのギャップが埋まれば、やはり売りなのでしょう。そこに存在する筈の、自分が買った株価位置などの細かいことは、どうでも良いのです。
大切なことは、時代に流れる本筋の流れを見極める能力なのでしょう。今日の日経報道の棒鋼ですが…合同製鉄や東京鉄鋼などの株価は、全然動いてないのですね。少しびっくりしました。でも共英製鋼などの株価は右肩上がりなのですね。やはり電力料金の影響が大きいのでしょうね。市況だけでは何とも言えませんね。熊谷が先日、人気になりJR東海のリニア関連とは…カタルの知識になかったのです。カタルは第二次オイルショックの入社ですからね。昭和30年代の黒四ダムの時代、熊谷組、間組に佐藤と…活躍した時代を知らないのですね。
老朽化する日本の生産設備は、長い間、本格的な補修が行われず、道路や橋などの社会基盤だけに留まらず、石油精製設備なども更新需要を迎えています。デフレ環境下で余裕がなく、補修だけしか繰り返していないのです。相当な設備投資が潜在的に求められている環境です。最近は事故が多発しているのは、老朽化故の原因が多いですからね。ここにIOTと言う考えが導入され、効率化が進みます。あらゆる物、工場の生産設備も全てが、インターネットと結びつき、クラウド上で管理され、無駄が省かれますね。
分かりやすい事例は、物流システムですね。ヤマト運輸の技術革新などは、すごいですからね。電車の運行管理も世界一でしょう。物流の管理能力はクラウドを利用する事で、更に効率化が推進されます。昔は東京―大阪間の移動時間は、一日がかりの筈です。それが日帰りになり、ITのテレビ会議を利用する事で効率化が更に進みます。少子高齢社会を克服するのは、やはりクラウドの活用でIOTの活用なのでしょう。007のダルキュミアなどの事業化が、日本の効率化を後押しするわけですね。最近の新築マンションには、HEMSが応用されています。電力の見える化も時代の流れなのでしょう。