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コラム

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「泣き」…(2014年03月21日)

今日は3連休の初日なので…少し悲観的なレポートを書こうと思っています。
人間の気持ちと言うのは、コロコロと変わりますからね。カタルは二つの指標株を提示しています。ソフトバンクとケネディクスですね。ソフトバンクはご存知のように52週線どころか…26週線上での株価推移が続いています。たとえ弱気市場でも、これが当たり前なのです。一方、ケネディクスは1月第3週に52週線の支持線を割り込み、未だに底入れ感が生まれず、下降波動(調整場面)が続いています。この違いは何処にあるのでしょう。ソフトバンクはスプリントに大規模投資を決め、現在はITモバイル買収に向け、米国民世論を動かすロビー活動を続けていますね。主戦場が米国です。一方、ケネディクスは国内不動産などを扱う国内が主戦場の会社です。

昨日は過去最大規模の95兆9千億円の予算が可決成立しました。しかし…この内、税収は50兆円しかないと言われ、残りは借金の国債ですね。ラストリゾート、日銀の国債保有残高は増え、低金利が維持されていますが、間もなく時間切れが迫っています。金利が急上昇するか…円が急速に売られるガラガラポン(限界点)が迫っています。でもね。まだかなり余裕時間がありますよ。川重はバイクの生産を、昨秋にタイから国内に戻したそうですね。しかし消費税引き上げが、延命効果になり時間軸が横ズレしただけのイメージが強く、ガラガラポンのリスクは、全体としては増しているのでしょう。ところが期待される日銀は、異次元緩和のカンフル効果に酔いしれ、米国のようにQE2、QE3の追加緩和姿勢を取ろうとしませんね。通常、米国は株価が政策発動の目安(市場原理主義)になっています。一昨日も…新任のイエレン議長の「6か月発言」の失言で、株価のブレが増したことが、大きく報じられていました。市場と対話するむずかしさを、彼女は痛感したことでしょう。株価を軽視する日本と大きく違いますね。

本日の報道では、「1兆円超の逆風をこなし、最高益になる意味は大きい」とトヨタの佐々木常務は自負していましたが、4000円の満額でも少ないのに…2700円にし、オーストラリアの工場閉鎖の連想を植え付け、下請け叩きして利益をあげるトヨタは、日本の主役に位置する企業の器なのかどうか…。消費税増額による一時的な落ち込みを防ぐためのカンフル剤とする公共事業投資などの発想は、古典派のケインズ論理の古いイメージを持ちます。時代はマネタリストの論理が正しく、需要は政策対応で、いくらでも効果的に生まれるでしょう。代表事例として、カタルは東京駅の空中権の売却を掲げています。政府が自ら主役になる必要は、全くありません。スマートグリッドを促進させるために、007がやっている電力の見える化(HEMS)促進などへの税制優遇など…。介護リートから水道リートなど…の円滑な発行を支援するとか…。いくらでも需要は創設できますね。それにも拘らず、政府が主導でやってやる…との傲慢な態度が、安倍政権でも消えません。故に「アベマゲドン」の俗語が誕生するのでしょう。

カタルは明治維新の時間概念からみて、今回はチャンスだと思ってきました。プラザ合意は1985年9月でしたね。この現象はやがて東西冷戦の終結(ベルリンの壁崩壊)から、市場原理の蔓延に繋がり、金融デリバティブの発展と共に、BRICsなどの新興国の底上げに繋がりました。同時に「アラブの春」と言う情報の均一化が、争いを生んでもいます。今はグローバル論理定着の過渡期なのでしょう。その競争の先端を歩んでいる企業は、ファースト・リテイリングやソフトバンクのように、グローバル市場が主戦場になっています。おそらく柳井さんは、筋肉質の企業体質を作る為に、雇用の正社員化を加速させているのでしょう。トヨタと対応が違いますね。真の強靭企業の姿を追及しているように感じます。誰もが憧れを抱き、入りたいと願う会社を目指すわけです。トヨタの内定を蹴りホトニクスに入社する学生がいることは、真の勝ち組とは言えないのでしょう。あの時代と、トヨタの体質は何ら変わっていませんね。

カタルは日本が世界でいち早く、グローバル化の洗礼を受けた国だと考えています。日本独自の終身雇用や年功序列などの内外価格差の仕組みを、グローバル化を前に全面否定され、その洗礼をバブル崩壊から受けてきました。長い失われた時代、つまりグローバル論理のパラダイムショックの出発点は、1985年のプラザ合意が基点です。日銀が「土地や株」の危険資産投資を始めた、「包括的金融政策」の採用が2010年10月ですね。この失われた時代は、グローバル価格への洗礼だったわけです。まだコメは残っていますが、日産マーチの移転が決まる2009年に、完全に転換したのでしょう。日本の構造改革が終焉を迎えたのですね。それを受け日銀は、世界でも類をみない画期的な政策、資産価格の改善に方向性を切ったのです。

本当は、もっとインパクトがある方向性の転換だと思うのですが…何しろ経済規模に比べ、チビチビのおっかなびっくりの打診からスタートしましたね。でも隠れていたプラザ合意は1985年9月で、実際の表面化は1990年2月でした。今回は2010年10月ですからね。あの時の転換は1990年2月に市場でグローバル化現象となって、株価に現れ始めました。この4年に及ぶ時間差が、認識が広がる時間概念なのでしょう。故に、カタルは今年末から来年3月頃までに、劇的な転換点を確認できる時間軸が到来すると…現在は考えています。これはプラザ合意からの時間軸を、イメージしているからです。1990年2月から…あの時は、実際に株価が急落し始めます。劇的変化を迎えたのです。だから来年の3月頃までに、顕著な現象が市場で生まれ、日本はスマート・コミニティーへ向け、一直線に向かうと言うデッサンが現在のイメージです。

でも現状はアベマゲドンを、市場は織り込み始めてきました。カタルが最初に、この言葉を使い始めたのは1月16日のFTの記事を見てからです。実は昨年後半のみずほのやくざ融資問題から、この懸念は、ある程度は想定していました。故にケネディクスの500円割れを見て、一旦は玉を外し空売りしたのですが…450円どころで直ぐに買戻し、ドテン買いを入れています。この辺りの実践結果が、3流の評価なのでしょう。しかし…市場は淡いこの期待を打ち砕き、現在は300円台の攻防になりました。今のイメージは500円台で、何度も619円を抜けるか?…と賭けた、あの感覚に似ています。週末の306円は500円台の株価位置に、イメージが被りますね。株価位置は200円下げましたが、何も変化は生まれません。外部環境は6.1%の地価上昇が確認され、確実に異次元緩和効果は続いています。どうも…上昇確度が、かなり鈍いのでしょう。だから通常、2段下げが正しいエリオット波動なのに…。弱気市場の3段下げのイメージが、現実は浮かんでいますね。折角の異次元緩和効果は、間もなく消えますね。

52週線を割り込む三菱UFJの株価を見ると…日本経済は既に崩れているイメージを連想させられます。2006年、1950円を付けた三菱UFJが急落してきました。半値になり、800円台になってからカタルはお客様に推奨を始め、三菱UFJを買い始めました。2008年春の話です。しかし日銀は自分達のミスに気付かずに、あの時も強気でしたね。その後、三菱UFJが500円台に入った時は…カタルは超強気に転じ、お客様すべてに三菱UFJ株を、買わせ始めたのです。しかし現実は、あれから3年間も株価は低迷を続け300円台のままで…超割安にも拘わらず、株価は安値に放置され続けました。今回ようやく見直し買いが入り、株価は700円台まで戻りましたが…、再び52週線割れになっています。カタルは、今でも4桁が、最低ラインの正常値だと企業価値を評価しています。しかし信用創造機能を無視する政策当局の政策次第では、再び「失われた時代」への逆戻りの様相を示していますね。ガラガラポンまで時間がないのに…呆れる構造です。

ケネディクスの株価を見ると、この銘柄は「極に」位置するハイリスク銘柄なので…当然、上下の幅は大きくなります。来週は諦めの境地が生まれるのかどうか…。619円が正しい選択だろうと…当初の分岐点を考えてきました。…が、つい先日、この分岐点は200円下の418円の転換点に下げたばかりなのに、直ぐに、この目標値は405円に修正されました。また修正を余儀なくされるのでしょうか? 3月18日は、カタル独自データは好転し、いよいよ始まるか…と期待されましたが、金曜日は再び悪化し、再び底が見えなくなっています。基本的に転換信号は確認され始め、実際の転換まで2か月ラインまで来たと思っていますが、株価の瞬間的な安値は、分かりません。あと2か月以内に、何らかのアクションが、株価面で起ると考えています。

通常、大口のヘッジファンドは、必ず空売りから入ります。そうして、このように下がり続けるうちは、売りを継続しますね。彼らにとっては、どっちでも良いのですよ。株価が上がっても、下がっても…。だから分岐点が近づくと、彼らは空売りから入り、相場の堅さを、確かめに来ますね。逆もあるのですね。昨年末の日経平均株は、指数からの上げが続き、現在の下げ相場の演出を担っていますね。彼らはいつも「際」を狙い行動します。コツンと…音が聞こえるのは、何時になるのでしょう。カタルの経験則では、目安は株価ではありません。出来高推移です。おそらく1億株を超える出来高が、出来る日が分岐点になるのでしょう。でも自分の力量を考えると…この発想は、ゾッとしますね。

木曜日は友達から相次いで、「泣き」が入っていました。ベテラン証券マンの泣きですよ。
追証ラッシュが続いているようです。そりゃ、そうですね。強かった筈の日立まで、下げ始めています。まだ26週線攻防ですけれど…。ここにきて急速にアベマゲドンが横に広がっていますね。日経平均株価で8月の安値、6月の安値と…政策発動まで市場は催促を続けるかもしれません。しかし通常は1990年の本格的な弱気相場でも、4月、5月と戻していますから…。あのバブル崩壊の事例でもそうなのです。だから、この正念場を超えれば…一旦は落ち着く場面も、あるのでしょう。ソフトバンク型にイメージするか、ケネデックス型をイメージするか…。ピンチはチャンスとの言葉がありますが…。時代の流れを味方にする前に、返り討ちにあい討死しそうだよ。トホホ…。来週こそ、分岐点で来てほしいと願っています。今の変化点は相変わらず、405円ですね。弱小投資家は他人が雪山ラッセルをした後に、続くのがセオリーです。