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コラム

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NY株下落の要因(2014年04月13日)

昨日からNY市場の下げの原因を探ろうとしていますが、本日の日経新聞にも続報が載っていますね。「モメンタム株」と言う表現は、カタルの現役時代にあったのかどうか…。カタルは「人気株」と呼んでいましたが、どうも株価変動率が高い、市場の人気株を表すようです。つまり昨年カタルが批判した新興御三家銘柄の「エナリス」「アドウェイズ」「コロプラ」などの株の総称ですね。最近では「日本通信」のような銘柄を示すのでしょう。時代のより変化するのですね。このような人気株は、昔からありましたが…最近は「モメンタム株」と呼ぶようです。物理の世界では、運動量や推進力を示す表現だとか…。つまり背景の業績動向はお構いなし。要するにネット・トレーダー達、「ご用達銘柄」です。手数料が安くなり、高速取引が盛んになり、売買が集中しやすい銘柄なのでしょう。

丁度、同じようなことを考えていました。この日経新聞のモメンタム株と言う表現の記事をみて、最近のNY株安の動きも理解できるように思います。実はカタルの原稿を読み返すと…(カタルの原稿のみの検索は、トップページから出来るようになっています。)カタルもこの検索を良く使いますね。理由は、頭が悪いから…いつの記事だったか? 思い出せないのですね。東大法学部卒なら必要な記憶は瞬時に出てくるのでしょうが…。本当ですよ。現役官僚と話をすると、キャリア組の記憶力には舌を巻きます。凡人との違いは明らかです。馬鹿は馬鹿なりに努力をしないと、金融の世界ではいつも劣等生ですからね。何しろノーベル賞学者が敗北する世界です。

昔は…古くてごめんね。でも経済論理は不変です。経済の活性化のためには、先ずは金融力なのですね。故に昔は、金利を上下させる金融政策が重視されてきたのです。金利は全ての経済活動に影響を及ぼす「負担金」を決めるからですね。カタルが原発政策を批判したのは、この金利負担金に匹敵する「電力料金」を左右させる問題だったからですね。すべての産業に、電力も影響を及ぼすのです。今はどうか分かりませんが、韓国はこの電力料金を税金で負担し、企業誘致を長く実施していました。だからサムソンが誕生できたとも言えます。半導体に対する設備投資の税金負担も、日本に比べ軽いのです。何しろ半導体は巨大な設備投資を必要とします。減価償却費の考え方は重要ですね。台湾や韓国に負けた日本は条件が不利だったのです。話しが逸れるので…戻さないとなりません。今日の趣旨は、米国株下落の背景を探る続編だからですね。昨日はFRBによる金融強化論、7兆円の自己資本負担の話を登場させました。

今日はモメンタム株の話ですね。代表事例としてSNS株やネット株の下落が記事に取り上げられています。昔から、金融相場と業績相場と言う言葉があります。つまり金融政策や財政政策(公共事業投資など)により、景気を刺激すると企業活動が活発になり業績が向上しますね。前者を金融相場と呼び、後者を業績相場と呼びますが…。これは基本的な現象です。「金融相場、業績相場、逆金融相場、逆業績相場」の4つのパターン、経済の「春夏秋冬」があるとされます。ところが…時々、100年、いや200年かな? つまり非常に長い景気循環において、技術革新が起ります。古くは産業革命、蒸気機関の発明により鉄道が生まれ、飛躍的に人類は進化してきました。

最近はネット革命により進化していますね。アラブの春と呼ばれる構造変化を世界にもたらしています。2010年12月18日に起ったチュニジアの民主化要求の暴動が発端にされていますが、この背景はインターネットであり、モバイル端末の進化で民衆の心が解放されたのですね。他の世界を知ったから、自分達の世界がおかしいと気づき…暴動に発展したのです。日本の55年体制崩壊なども同じ流れにあります。中国はネット規制をしていますね。情報をコントロールしています。日本人はこの感覚が疎いですからね。何しろ、考えないイワシ民族です。画一化教育の良い面が存在しますね。協調性が問われる日本村社会構造です。空気が読めない…と話題になるくらいです。

さて話を戻しましょう。このモメンタム株(人気株)が大きく下落し始めており、株の損失が膨らんでいると言います。日本と同じ構造です。日本もカタルが仕掛けているケネディクス、007も高値から見て半値以下ですね。他の株も、みんなそうですよ。日本通信も企業業績向上の背景はありますが、買われ過ぎであり何れ同じ目に遭います。しかしモメンタム株(人気株)を追うネット・トレーダー達にとって…銘柄など何でもいいのです。要するに、彼らにとって大切なのは、勢いよく動く相場、そのものが対象なのですね。企業業績の背景など関係ないのです。高速売買が問題にされており、間もなく、この動きに規制を賭ける話が、米国で起きているようです。NY株の大幅下落の背景は、この辺りにあるのかも知れませんね。

超金融緩和のQEシリーズ、異次元緩和など…世界の中央銀行は歴史的な規模でお金をばら撒いていますが…労働力のひっ迫を生むような状態になっていません。理由は明白です。新興国の躍進ですね。新たな生産エンジンを、世界は持ったからですね。カタルがよく話題にするTSMCなどのEMSの誕生です。カタルはこの動きから、早くからファブレスメーカーのザインエレクに注目しましたが、期待通りになりませんでした。007の発想も、実はこの辺りに原点があります。時代は組立ソフトだと考えています。村田と言う日本のTSMCと組み飛躍できるはずです。アップルのように…は大げさか。

中国もシャドーバンキングからPM2.5と…日本と同じような道を歩んでいますね。内需振興が求められていますが、国内資本投資の矛盾が噴き出ています。無駄な公共事業と揶揄された日本と同じ構造です。加工貿易の行きつく先ですね。ここにSNSなど…グーグルやアップルは新たな展開に入り、自走式車の開発、つまり「IVI」の開発に取り組んでいます。007は、ほんの一部分ですが、関与していますね。QBやWiFi分野で村田やルネサスと共同で…。

おそらく谷なのですね。FRBによる金融緩和の勢いが切れ、麻薬が切れるので希望と言う期待値が下がったのでしょう。日本でもナノキャリアは安値を更新し続けています。カタルは007の反省から、J・TECを採り上げていますが、3Dマトリックスでも同じことです。バイオと言う夢の成長分野の期待値が下がっているのです。故に金融相場から業績相場に移行する信頼感が欠けているのです。技術革新の波と相場との戦いで、時間軸が横ずれしている現象なのでしょう。昨日グラフで解説していますね。007のように…。

本来、新規産業が利益を上げられるようになるまで…。金融支援を続け希望の灯を消しては駄目なのですね。昔のエリートは、炭鉱に向かいました。帝大出の優秀な学生は、三井炭鉱に就職したものです。時代がドンドン変化し、最近はグーグルなどの新興産業界は、人気の的になっています。パナソニックやソニーではなく、DeNAやヤフーなど…なのでしょう。必須のアイテムは、プログラミング能力と豊かな発想力ですね。奇抜なアイディアを武器にする時代になっています。その為にアップルやグーグルは、産声を上げたばかりの赤字企業でも、多額の金額を惜しみもなしに使っています。人々は物より時間を埋める産業にお金を使うようになっています。文化の香りを、どうやって醸し出すか…。人々を魅了する付加価値を、情報と言う時間空間で、どうやって生み出すか…。PERの論理も変化していますね。何しろ時間的な広がりと伝達速度が格段に違います。昔はユーザー数を獲得するのに、10年、30年と掛かりましたが…、最近は3年程度で…LINEなど見れば分かるように…あっという間に5億の単位です。パナソニックの愛用者は何人いますか? ソニーの愛用者は何人?

LINEのユーザー数は、あっという間に広がりますが…、魅力溢れるコンテンツを提供し続けられなければ…あっという間に転落するでしょう。グリーのように…パズドラのガンホーも、いずれ低位株の仲間入りの日は近いでしょう。利益の信頼性が非常に低いのです。ソフトバンクの急落に驚きましたが…僕は日本通信の相場を買って、ソフトバンクを空売りする、総務省論理か…と思っていましたが、米国発のモメンタム株の側面が強いのですね。相場の解釈に迷っていましたが、これである意味で、納得です。モメンタム投資か…。この連中は、変身が早いですからね。新しいおもちゃを与えればいいのです。ケネディクスは貸借銘柄でありチャンスですね。この解釈なら、相場に対する過度の懸念は必要ないですね。単なる相場の谷なのでしょう。

カタルは1990年の相場を、度々引き合いに出しています。苦労して株価グラフの比較を作りました。僕の知識では…これ止まりですね。エクセルも難しい。時間の経過は4月中旬にも本格的な上昇期を迎えますが…。チャートの形は8月時点のようにも見えます。8月の時間軸なら、今週にも結果は分かりますね。しかし今週前半、頑張るようなら…5月に向け株価は上がるのでしょう。通常は上昇の確率が高いと思われますが…果たして、実際の動きはどうなるのでしょう。

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