« この国の形 | 最新の記事 | NY株下落の要因 »
方向性(2014年04月06日)
昨日は日銀の物価目標の意味を、少し解説しました。消費増税は2%ではなく3%なので昨日の原稿は変える必要があるでしょうが…まぁ、良いでしょう。要するに…豊かさとは何か?と言う問題ですね。日本に漂う閉塞感は、色んな複合的な理由から発生しています。カタルはこのように考えています。日本と言う国は、村社会の為に皆が納得する落とし処を求め政策が実行されてきました。正しい選択より日本社会の合意が優先されます。戦後の高度成長時代は、それで良かったのです。大蔵省は外貨が不足するときに、社会基盤づくりに力点を置き経済成長を加速させました。電力債や割引債などの考え方は、少ない資金を効率的に運用していました。100点満点の政策運営でした。
1964年の東京オリンピックの時を見れば分かりますね。地方から出稼ぎ労働者を集め、重点的に東京と言う都市の社会基盤づくりを加速させ…、首都高速を始め新幹線を開業させましたね。まさに国家総動員で日本の社会基盤づくりに邁進したのです。この投資が効率化社会を加速させ、日本の近代化に役立ったのです。昔は地方から上京するのに大変な時間が掛かりましたが…鉄道などの社会基盤が整備され、効率化社会が築け「ものづくり」が活きたので、世界競争に勝てたのですね。
いつしか…このような固定資本形成中心の戦略論は、経済成長の足かせになります。田中角栄の全盛期を過ぎる辺り…が分岐点だったのでしょう。この為に日本独自価格が形成され始めます。(内外価格差の発生)奇しくも田中角栄が脳梗塞に倒れるのは1985年2月です。2月7日には竹下登が創政会を立ち上げ、この影響か…角栄は2月27日、病に倒れるのです。そうしてプラザ合意が、この年1985年の9月22日ですね。世界はグローバル化に流れ、TSMC(台湾積体電路製造)が誕生するのが1987年です。1989年にベルリンの壁が崩壊し東西冷戦が終結。一気に市場原理が認められグローバル化が加速します。世界はファブレス企業の国際分業時代に入ります。しかし日本はNECのように選択を間違えましたね。半導体の歴史を見れば分かります。村論理に溺れたのです。その結果、デフレ環境の失われや時代が継続します。この内外価格差を逆手に取った企業がユニクロです。

ここで米国と日本の名目GDPの成長率の比較をしておきましょう。グラフの差は名目GDPと実質GDPの差も掲げました。この名目と実質のGDPの差の違いの意味は、「希望度」の違いです。明日は良くなるアメリカンドリームと、出る杭は打たれる日本村との違いですね。基本的に、失われた時代は米国に負け続けています。この理由はグローバル化への対応が上手く出来なかったのですね。エルピーダの歴史を見れば分かります。半導体産業の歴史は、日本村社会の好事例です。ベルリンの壁崩壊の本当の意味を、政策官僚も理解してなかったのでしょう。しかし2009年に日産は大衆車のマーチをタイに生産移管しています。三菱UFJはユニオンバンカルの投資に続き、2013年にタイのアユタヤ銀行を買収、ソフトバンクのスプリントに、サントリーのビーム社など…の現象も、ある意味で遅れていた時代の改善かも知れません。
基本的に、失われた時代の改善が始まっています。象徴的な現象として、カタルは良く、2010年10月に実施した日銀の包括的金融政策の実施を事例に掲げています。デフレの根幹である「土地」や「株式」の価値改善に踏み込んだ姿勢転換だからです。しかし余りにポーズだけと言うか…。自分達の政策に対し自信がない表れと言うか…。僅かな金額のマスターベーションなのですね。故に、なかなか明確な立ち上がりが実体経済で見えなかったのです。その為に企業は積み上がるキャッシュポジションを、投資に振り向けませんね。シャープに減損会計適用を迫る金融庁の態度は驚きでした。故に信用乗数効果は落ちるのです。その為に日銀は異次元緩和に踏み切ります。最近ようやく、確実な円の劣化を視野に置く、ソフトバンクなどの行動が見られるようになってきました。
でも…何故、株価はもっと力強く上がらないのでしょう。現状は52週線を挟む展開で、明らかに腰折れとまで行きませんが、中だるみ現象が起きています。東京オリンピックの頃は道路や鉄道の社会基盤に重点的な投資が起きました。しかし今は、これらの社会基盤の更新需要はありますが、新規の社会基盤投資は効率的なお金の使い方かどうか…。そこで登場するのが、LTEなどのブロードバンドを利用した効率化社会の構築ですね。何故、カタルが準天頂衛星の計画を前倒しして、早く4機体制を整えろと言っているのか? ジオフェンスなどを利用した様々なアプリソフトの誕生が、社会の効率化を変えるからですね。時代はハードだけではなく、ソフトの進化なのです。SNSからLINEまで…。スマートコミュニティー推進が、日本の少子高齢化を救いますね。
羽田沖の川崎市のバイオ村などが、特区構想に選ばれましたが…成長戦略の矢はスマートコミュニティーの推進にあります。スマート家電なのです。スマートグリッドを使えば、効率的な電気の使い方が出来、無駄が省けます。やがて電力料金も引き下がるでしょう。自走式の車が効率的な運転をすれば…燃費のみならず、クラウドで渋滞情報を加味すれば時間の効率化に繋がります。世の中から渋滞がなくなるのです。物流のスピードが改善され、世界で一番効率的な社会が構築できますね。感じて欲しいのです。日本は再び高度成長の入り口に位置しているのでしょう。日本橋周辺の街づくりを見てください。東京駅周辺は激変していますよ。
何故、カタルが「リートはPFI」に変貌すると述べているのか? PFIとは民間の力を利用した投資です。水道リートを説明しましょうか…水道事業は戦後埋設された古い水道管が更新需要を迎えています。しかし配管は腐りますが…その埋設費用を出す地方自治体には投資をする余裕がありません。その為にリートを活用し水道料金をその利息返済に充てますね。全てが、この仕組み利回り採算により投資の位置づけが決定されていきます。非効率な投資は、民間では行われません。しかしどうしても必要な非生産性の高い投資は政府が担うべきでしょう。カーボンナノチューブを利用する宇宙エレベーターなどの開発は、どうしても採算に合いませんからね。しかし未来を考えれば必要になります。
非効率な地方自治体の組織は、民間に業務を委託すればいいのです。図書館リートも考えられます。市民の福祉サービスは民間に委託すべきでしょう。小さな行政をめざし、効率化社会を歩めば良いのです。クラウド環境を利用するスマートコミュニティーの構築は効率化の観点から欠かせません。だから富士通なのですね。おそらく、すぐに株価は上がりませんが、やがて嘗てのコマツのような大成長を、何処かで、株価は示す筈です。クラウドの需要は加速的に増えますからね。総合的に対応できる企業は、やはり限られます。年金ファンドはNECや富士通をファンドに必ず入れておかねばなりません。浮動株がどんどん減っていきます。その時に業績の変化点を迎えると…株価は一気に3倍、5倍と跳ねるでしょう。

相場はアイディアなのですね。ケネディクスの潜在成長力は非常に高いのです。先ずは下げ続けた日本の地価の修正が起りはじめています。その様子をもう一度見てくださいね。東京都の商業地の地価動向が指標なのです。失った1300兆円の揺り戻しは爽快でしょう。1月の公示価格が先日発表され、次は7月のものが秋に発表されます。この時にケネディクスの含み損失が消えるのですね。おそらく今期に完全に消えると考えています。業績の上昇確度が、今年後半から来年にかけ大幅に角度を変えます。この好業績の時に…介護リートなどが続々と生まれると…不動産リートの広がりが見えてきますね。日本国債投資しか選択肢がなかった地方金融機関は、挙ってリートの購入に動き、一気にGDPの成長率が加速します。日本もようやく金融デリバティブの活用に動く訳です。基本はメザニンローンの利用率により、レバレッジを変えられます。リートのCDS版ですよ。行き過ぎれば規制をかけねばなりませんが…、今の所は加速だけを考える局面です。

何度も…同じことを解説しているから、多少、言葉の意味が理解されなくても大筋が見えると思います。時代の流れを考え、その流れに乗る大相場に付けばいいのです。ヤフーへの投資は200万円が、5億円に化けました。「乗るは大相場のみ…」、「後ろ髪を確りと掴め」と言う諺を、噛みしめる時かも知れません。あとはマー君じゃないけれど…運ですね。政策の選択など…どう転ぶか、誰にも分かりません。出来る事なら豪州とのEPAを決め、米国大統領来日にTPPを纏めれば…、この動きを市場は完全に無視していますから…外人投資家の評価が、アバマゲドンからアベノミクスに、再び回転し出すかもしれませんね。やはり一時的な戻り相場ではなく、二段上げの本格展開の芽もあるのでしょう。どっちに転ぶか…時代が経過しないと分かりません。しかし時代に沿った投資をしていれば…たとえ、株価が調整により下げられても、再び新高値を目指すのですね。007も同じことですよ。大切なことは、やはり時代の流れに乗ることなのです。