« NY株下落の要因 | 最新の記事 | 農業の課題 »
ピンチはチャンス(2014年04月20日)
昨日は利益の質をテーマにレポートを書こうとしましたが、失敗しました。でも、とても重要なのですね。一株利益が10円の会社が、同じ10円なのに株価は100円であったり、300円であったり、ともすると1000円であったりします。最近で時代革命期にあたり、最近は2000円の評価が生まれることがあります。この背景を探るレポートをNYヤンキースの黒田君を引き合いに出し、解説しようと…先ほどまで考えていました。昨日の黒田君は、4点のリードを貰いましたが、4-3のリードで降板しました。昨年は1点で完全に抑えていたのに、味方の援軍もなく負けていた黒田君。相変わらず、ツキがないですね。彼は努力で、今の地位まで来たピッチャーです。あまり良く知りませんが、NHKの特集番組で知ったのです。あの番組を観て、カタルは彼を好きになりましたね。努力に努力を重ね、ようやく手にした一流領域の切符なのです。しかし同じ一流でも、差は歴然としています。ダルビッシュは三振を取れますからね。マー君は不調でも、運が味方をします。この差は何処で生まれるのでしょう。
株価と野球では少し意味合いが違いますが…市場原理は、どの世界でも一緒なのですね。米国が優れているのは、常に自らが切磋琢磨し、ハードルを上げるのですね。ところが日本村は、自らの組織を守るために弊害を創るのです。JAを見れば分かります。自民党組織が最近は徐々に、昔に戻り始めていますね。TPP交渉を見ると反吐が出ます。一方、銀行の自己資本比率規制問題、世界はグローバル時代を迎え、BIS規制〈銀行の自己資本規制〉からIAS(国際会計基準)とグローバルに流れています。BISは、バーゼル3が今の国際基準ですが、米国では、さらに厳しいボルガールールを…。最近は、FRBがこの流れを引き継いでいますね。その為に、先日、みずほは劣後債を募集していました。劣後債は返済条件が緩く、自己資本に認められました。本当は普通株式だけにすべきなのですが…EUが問題なのですね。大きく遅れています。
しかし不良債権の認識基準などは、実に曖昧です。査定する人間にとって健全債権に見えるものが、人が変わると不良債権に認定します。しかし経済状態やその後の支援により、いくらでも健全債権に変わりますね。ギリシャやポルトガルを見れば分かります。ダヴィンチを、あの時に追い出さず、今の時代変化の環境では、既に健全なグループですね。運がない黒田君のようですね。ケネディクスを見れば、分かりますね。僅かな差が認識の違いを生み、PERの評価を変えます。一株利益の生まれている背景が…PERの変化を生み、企業の成長段階が…時代の流れが…景気循環が…国の政策環境が…すべてに於いて、PERの評価が総合的に変わります。今日はヒントだけに留めます。
実はもう一つのテーマ、黒田日銀総裁の異次元緩和は、確実に効いていると言うレポートを書きたかったのです。僕は不満なのですが…。異次元緩和は時間の経過で確実の効果を生むのですね。その意味を再認識しないと、相場が理解できないのです。その為に詳しい背景のデータを集めようとしましたが…なかなか見つからなかったのです。金融庁にある筈ですが…公開されてないようなのですね。ひとつひとつ決算書から調べる方法もありますが…これは時間が掛かり過ぎてパスです。だからカタルの裏付けのない認識と言う事で話を進めます。
今回はレポートのスペースもありますから、一つの事例に絞り話を進めます。2010年10月に白川さんは包括的金融政策を実施しました。日銀自らが流動性の罠を抜け出すために…国債買い入れと共に、株式のETFと不動産であるリートの買い入れを発表したのです。過去、中央銀行が自ら、危険資産である株や土地を買った事例などありませんね。それほど強烈なアナウンスメント効果の筈ですが、市場は長いデフレ環境に慣れ、不感症になっていました。実は2012年秋の段階で、既にマネタリーベースは伸び始め、黒田さんの異次元緩和を待つまでもなく、相場は発射準備を完了させていたのですね。そこにメディアを中心に、強烈な異次元緩和効果の宣伝が効き、相場が動きました。決して、黒田さんの異次元緩和だけが、効いたわけではないのです。その下準備が水面下で進んでいたのですね。この事は個別の株式評価にも言えますよ。良く材料を切っ掛けに株価が大きく動き出しますが…その下準備は、事前に出来ているケースが多いのですね。既に時期は来ていたのです。
さて異次元緩和は効いている。…の話です。確かに相場は昨年5月から調整を続け、既に1年になります。日経平均株価は52週線を維持できるかどうか…、既に割れている株もたくさんあります。通常は26週ですが…それぞれの移動平均線は、今の株価に収斂しています。何かを…待っていますね。さて異次元緩和は効いている実例の話を展開しますね。
昨年、5月。ブルームバーグは「京都銀行や横浜銀行がJリート投資を背極化、国債より高利回り」との記事を提供しています。国債金利は1%を割り、しかも日銀が買っている為に、在庫がどんどん、なくなっています。今では値付けが困難なほど、市場の流動性が失われています。この資金の受け皿として貸し出しを促していますが…日銀と金融庁は喧嘩状態です。口では方針転換と言いながら…、金融庁はみずほのやくざ融資を梃子に、頭取の首を取りましたね。子会社の不祥事を種に、親会社を強請ったように見えます。金融庁の天下りポストを、更に要求したのでしょうか…。JAと同じ日本村論理を疑いますね。あくまでカタルの推測です。カタルが上京した頃…銀行は子会社の信託会社や信販会社を通じて、地上げ屋に資金提供していました。先日、話題にした虫食いの鉄砲洲の遊休地のマンション建設などの資金は、大元を辿ると…大手銀行に繋がっています。
バブル期の話ですからね。その前か…。カタルの友達のよっちゃん達のグループが、日本航空を仕手戦に持ち込みました。その時に雑誌などは、海外資金の関与など…と嘘の報道をよくしますが、実態は国内の信販会社、まだそのファイナンス会社は存在するので、実名はまずいから…○○ファイナンスにしますね。そこから数十億円のお金を引っ張っていました。ところが当時の日本航空は、親方の支配下です。ある大物政治家が…「日本航空をおもちゃにするとは…どうしたことか」と…激怒し、おそらく背景には日本航空からの要請ですね。それで政治家が動き、仕手グループの資金提供者を調べ、圧力をかけてきました。そうしたら…その○○ファイナンスの部長は、申し訳なさそうに…よっちゃんに弁明し…融資の約束があったのにも拘らず、その融資を断わってきました。かくして、その仕手戦は終わりを迎えました。これは実話です。もっとも、よっちゃんからの伝聞でカタルの実践ではありませんが…彼は嘘をつくような人間ではありませんからね。おそらく本当の話です。
だから土地を纏める為に、やくざ絡みの融資は当たり前なのですね。やくざと言うのは商売になれば…合法スレスレの行為で商売を進めます。それをたかが100万程度の融資に金融庁さまが、目くじら立てて…親会社の親分の首を取るのです。消えたUFJと同じです。このような積み重ねがデフレを生んでいきます。バブルとはある程度の行き過ぎを容認する事です。社会に「遊び」を創るのですね。車のハンドルと同じです。もともと踊る人間は、ある程度は抜けています。完ぺきではないから面白いのです。相撲界の朝青龍のような存在ですね。清貧思想ばかりでは、人間は疲れるばかり…。ライブドアは潰れ、オリンパスは、何故、生きるの? おかしな論法ですね。日本村の行き過ぎですよ。バブル期のリクルートも、カタルは理解に苦しみました。ライブドアもそうです。ダヴィンチもそうですね。
何も画一化を…そこまで強要しなくても、良いじゃないかと考えますね。カタルはね。意見は色々あるでしょう。清貧思想を崇める人も居るでしょう。でも僕は、やり過ぎだと考えています。だから「流動性の罠」に陥り、正常な「金利裁定」観念が、市場で働かないのです。こんな事を続けるから、三菱UFJの株価が、いつまでも割安のままなのですね。この基準であるものさしを、三菱UFJが4桁を回復するまで戻さねば、日本は世界競争に勝てませんね。小さな害にならない程度の小者まで、大物の金融庁が出しゃばり、取り締まることはないのです。せいぜい、みずほの問題は、口頭注意喚起、この程度が相応しい事案ですね。だいたいトップに人が居ないから、大岡裁定が機能しないのですね。日本村の良さが消え、悪い面ばかりが表面化しています。TPP交渉も同じ土壌です。65.8歳の農業に、明日があるとは思えませんね。クボタが負けオランダが勝つなんて…農業国家の自負は、何処に消えたのでしょう。
さて話を戻さねば…。行き場を失った資金は、国債からリートに流れています。今の所、金融庁はこの手段を容認しています。なにしろ中央銀行は買い入れているから、危険資産だからと…咎めるわけに行きませんね。しかし先ほどの米国のボルガールールが間接的に影響を与えますね。でも地銀は大丈夫です。リートの利回りが1%下がると、おそらく数十兆円単位の経済効果が生まれるのでしょう。誰かが検証する必要があります。当たり前ですね。最近はこのリートを通じて、日本の不動産価格が上がり始めています。徐々に異次元緩和効果が、信用創造に繋がり、信用乗数効果を上げていますね。お金が回り始めています。この回転速度が鈍いから…ケネディクスの株価は52週線を維持できず、時間調整を強いられたのですね。でも冷酒のように効いていますね。三菱地所が不動産の評価損を計上し利益を隠したのです。今の不動産業界のトップがこの状態ですね。PER100倍が妥当なのでしょう。夜明け前の状態なのでしょうね。
少し難しいですか…相当の知識がないと、理解できないかな? かなりカタルは噛み砕いて解説しましたね。世の中に起っている現象を組み合わせ、現在の経済状態のスピードを観察しているのですね。今は何処に位置しているか…。この認識が独りよがりになると…先走り過ぎて、追証などの失敗に追い込まれます。ヘッジファンドは、この時間差を争っているのですね。だから彼らは間違っていると思うと…。「モメンタム株」の調整を演じます。この検討は先週でしたね。心配して背景を探ったのは…。まさにピンチは、チャンスなのでしょう。