« 時間軸のズレ | 最新の記事 | ケネディクスの決算をみて… »
J・TECの決算をみて…(2014年05月11日)
どんな世界もスターが誕生しないと、場が盛り上がりませんね。株式市場にもスターが望まれますが…、少し株価が上がると、直ぐに規制を掛ける清貧思想は、人間心理を委縮させます。記録が掛かれば、最後まで投げさせるのが監督で、一本打たれ、記憶が断たれると交代させるテキサス・レンジャーズのロン・ワトソン監督の采配には人情を感じています。昨年も同じような場面がありました。一方、理研は小保方さんの再審査は止めになり関係者の処分に動くとか…。これだけ世間を騒がせたので、懲戒解雇は仕方ないのでしょうが…、どうも納得できません。医学界と同じで、おそらく研究者の世界も様々な業界の「しきたり」があるのでしょう。何故、完全でない論文を発表したのか? ここに問題があると思っています。通常、対外発表は、組織のチェク機能が働くはずです。トヨタが不良製品の車を、世に送り出しませんね。何度もの試験を経てから製品として販売されますからね。やはり理研と言う組織に、なんらかの問題があるのでしょう。
そう考えていたら、9日の日経夕刊に「特定国立研究開発法人」に関する法案の今国会提出の断念との記事が載っていました。なるほど…これだな。と、勘ぐりました。この法案を後押しするために、なんらかの成果が欲しく、課員に暗黙のノルマ意識が掛かり、功を焦ったのでしょう。カタルの推測ですが…この推測は充分に考えられます。可哀そうに…また若い才能が…、これでまた海外に流れるのでしょう。
新日鉄が最高益だそうですが、あれは2006年前後の話しでしょう。当時はライブドアがフジテレビの買収に動き、その資金元が海外資本でした。ソフトバンクがボーダフォンから日本法人を買収した資金も、海外金融に頼っていましたからね。当時、新日鉄の三村さんは買収の影に怯え、一旦解消したのにも拘らず、再び、銀行筋との株式の保ち合いに動きます。トップの誤りは甘く許され、下っ端は切られるのでしょう。日本と言う国は上に甘く、出る杭を打つ習性がありますからね。できれば山中教授の所へ、彼女を迎えてあげることが出来ないのかな…。同じ業界だから、やはり日本では無理かな…。
さて今日はお約束通り、J・TECの決算を見てのカタルの感想です。この会社の焦点は、二つの製品の伸びが…どの程度か? 一つは火傷を負った人工皮膚への需要です。この市場は限定的ですね。しかも皮膚の培養に3週間もかかります。だから火傷により生死を彷徨っている患者に、応用しようとしても直ぐに効果を発揮することは出来ず、皮膚細胞を培養している最中に、患者が死亡するケースもあり、きっと無駄も多いことは容易に想像が出来ます。人工皮膚(ジェイス)の薬価は314000円ですが、厳しい適用基準があり、収益を期待するのは無理がありましたが、それでもかなり伸びています。
カタルが期待するのは、ひざ軟骨の(ジャック)です。昨年4月から薬価収載されました。こちらのネックは、リハビリ施設が必要なために条件に合う病院が限られることでしょう。それに加え医師の研修が義務付けられているようであり、条件も厳しいですね。その為に新聞を読むと、現状は全国160か所の適性病院の内、現在は80程度の適用と、報道(3月頃の話)されていました。この報道は日経産業新聞のものです。この記事のなかで膝関節の市場規模が数百億円となっていました。これと富士フイルムがワラントを引き受けた行使価格が38万円との発表をみて…株価366000円の時点で、2012年秋の7万円台からの、再度のカタル推奨になりました。38万円ですから、親会社が過半数を握る為に、今の株価では1900円の価値があると、みた訳でしょう。我々は現在、それより安く株主になる事が出来ます。
この記事通りの市場規模なら、確実に株価は、この水準から10倍程度になるでしょう。理由を述べますね。現在、J・TECは愛知県蒲郡市にある生産施設の空きスペースに新たな設備を5億円程度かけて新設していると言います。この設備で年間5千個の膝関節が培養できると言います。5千個で薬価が208万円ですから、売り上げ規模は104億円になりますね。ここで、この会社の損益分岐点を探ってみましょう。業績推移をみると、およそ20億円だと言うのが分かります。原材料費は微々たるものでしょう。つまり100億円の売り上げに対し、諸経費と固定費込みで30億円として70億円の粗利です。税金等で40%が引かれ、最終利益が60%としたら42億円ですから、一株利益は114円ですね。年間適用患者5000人が正しい数字かどうか…。人工関節に置き換えている患者数は、年間6万5千人規模だと言います。この数字より最終的には多くなると感がるのが、一般常識に見えます。早晩、培養施設の増築は決定的なのでしょう。日経産業新聞の観測記事である数百億円規模の市場だと言う推測を、カタルは支持しています。仮に500億円だとすると売上最終利益率が40%程度と過小評価すると…利益が200億円ですから、一株利益は543円ですね。やはり株価は1万円前後まで…最大評価はあるのでしょう。
此処に夢である細胞培養の工場に変身する想像は、容易に成り立ちます。富士フイルムが開発したIPS細胞の培養経費を1/10にする技術ですね。つまりJ・TECは世界の臓器製造工場に変身する可能性を秘めています。あの記事をみて、カタルは台湾のTSMCを連想したのです。TSMCはキルビー特許を保有するテキサス・インスツルメンツなどから、半導体の生産を受託生産する会社です。基本的な設計は親会社がして、その指示通りに半導体を造る会社です。IPS細胞などで臓器を作る基本技術は、各大学や研究機関が行い、J・TECはその製造を行う。臓器の製造受託会社のイメージです。親会社のフイルムの会社風土から見て、この発想は充分に成り立ちます。世界の臓器製造会社のハシリですね。カタルはフイルムからの技術移転を見て、直ぐにこの発想を思いつきました。果たしてここまで発展するかどうか…。ホラ、魅力的に思えて来たでしょう。単なるひざ軟骨だけではないと言う「夢」が生まれました。勿論、ひざ軟骨だけでも、世界に向けて飛び出れば株価価値は大きくなります。ただ当面は3000円から新高値を目指す辺りが目処になるのでしょう。後は業績推移を追うことになります。
目先の予想ですね。カタルは売り上げが倍々のペースで増える構想を、支持しています。今期予想の21億円はジェイスの8億円プラスαとジャックの売り上げですね。昨年4月に薬価収載になりましたが、実際は整形外科医の研修などの手間が掛かり、実稼働していません。故に売り上げが52百万円なのでしょう。10億円の売り上げと言う事は、症例数は500件です。研修医が3月時点で80人ですから、一人あたり6.25件になります。2か月で1件の手術になりますね。この研修は進んでおり、今年は160人規模になります。つまり来年はこの160人体制でフル稼働になっていきますね。一か月に1件以上はこなすでしょう。だから2016年も売り上げが倍増以上の40億円以上になるのでしょう。この数字が見えるのが、今年後半以降ですね。
このワクワク感が増幅するイメージが理解できますか? 今までは決算発表の時に、数字の推進力がなく、株価にインパクトがなかったのですが、今度は株価が高値になった所に、実際の数字が株価を支援しますね。だから高値を買う投資家が増えてきます。おそらく来年は公募増資をして、また新規施設の増築でしょう。更に時代の流れが追い付き、IPSの実用化が早まれば、臓器受託製造会社の地位を確保するかもしれません。なんだか、株価が1万円になっても、また買いたくなるような心境になりますね。あとは自分自身で判断する事です。株式投資はあくまでの自己責任であり自己判断なのです。カタルは最初から全力投球はしません。株式市場は経験上、何が起こるか分からないからですね。だから最初は最低投資単位の100株でも、500株でも、1000株でも、投資家それぞれの器の範囲で、無理がない程度の打診買いをしておくことでしょう。やがて数字の裏付けが取れるようになれば、また買えばいいのです。当面は買い場が続くのでしょう。ただ人気が沸騰し、ストップ高になるようなら…持ち株を外すリスクオフは常識ですね。株式投資で難しいのは、銘柄を当てることではなく、自分の力量を自らが知り、自己制御できるかどうかなのでしょう。