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既に新時代(2014年07月21日)
市場には様々なリスクが存在しますが、基本的に株式市場では、事前に予想されているものは大きな悪材料にならないものです。問題が発生している時点で、対処が進むからです。水面下では、何らかの改善が進みますからね。ただその悪材料が、故意に利用される場合があります。たいした問題でもないのに、需給バランスの整理など、何らかの必要性がある場合、その材料を利用するのですね。仕掛け筋は、色んなことを考え、全体の相場観を構築しています。しかし、彼らも相場が思うような結果にならずに、間違う事も良くあります。常に環境が変化しますからね。問題はその様な、様々な要因をどう自分の相場観に取り入れ活用するか? 此処が、相場の読みになります。
昨日は日本通信の相場をみて、株価波動の上昇波が、だんだん角度を変えて、加速する事を学んだと思います。基本的に人間心理の人気の波及度合いが、あの株価の動きに現れていますね。基本的に小型株ほど期間は短く、大型株ほど期間は長くなります。1989年末、日本株は38915円の最高値を付け、25年も経過したのに…。日本は、今も、その高値を抜けていません。その前段階で、「NTTの上場」と言うバブルを煽るイベントがありました。当時、NTTの申込用紙を集める為に、カタルはノルマを消化し、全顧客から、新規顧客を開拓したことを記憶しています。お客様の中には抽選で当たったNTT株を、額に入れておくんだ…と、言う人まで登場する有様でした。その人の言い分が、だって大蔵大臣の次に、自分の名前が株券に刻まれると…興奮気味に話している人が居る始末です。
そのNTT株の公募株価は、入札の結果、1株、119万7000円で決まり抽選になりました。抽選に当たった人にも、外れた人にも上場初日に買い注文を入れた次第です。しかし上場初日の2/9は、買い気配で売買が成立せず、翌日の2/10は160万円で初値が入ったように思います。その後、数日間、棒上げに上がり、2月24日の278万円辺りから正常な売買が始まったようです。そうして4月22日に、318万円まで買われますね。そこがNTTの歴史的な高値です。これが、わが国、大蔵省のやり方ですね。姑息な目先論理を求める大蔵役人の政策姿勢です。
少し前にイギリスで公共株が一般投資家に売却されましたが…論理価格より割安な株価で一般投資家に放出されたのを記憶しています。日本は競争入札と言うやり方で株価が決められ、その背後には人気を煽る行動を、大蔵省は証券会社に、暗に求めたのですね。証券界も証券界です。正論を主張する人間が居ないのですね。この辺りがバブルに至った過程の一つでしょう。丁度、1987年のNTTの上場イベントは、日本通信の1万円台の株価だった春の段階なのでしょうね。そうして最後は、熱狂と共に終焉を迎えます。「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観と共に成熟し、幸福感と共に消えていく」有名な格言がありますが、この格言は「相場の春夏秋冬」を表しています。
さて前段は兎も角…、本日の日経新聞一面には「企業の不動産取引2.5兆円」との文字が躍っています。カタルは、このように考えて居ます。既に日本は新時代に入っているのですが…あまりに長い失われた時代だったために、その経験が、我々の潜在意識に刷り込まれているのです。しかし本来、市場経済と言う仕組みは、適度のインフレが人々を幸福にするのです。中国をみれば分かりますね。すこし前の中国は二けたの経済成長率を実現していました。固定資本形成など利用し、信用創造機能をフル活用して成長を加速させました。まるで嘗ての日本をお手本にして模倣したようなやり方です。安い人件費を活かし、加工貿易を加速させて外貨を稼いできましたね。今ではスマフォを始め、多くの製品は中国製がほとんどです。今、中国は無秩序な固定資本投資の咎を受け、市場原理化に仕組みを修正し始めています。大きくなれば、グローバル論理に従うのは自明の理ですからね。
日本はこのグローバル論理に移行するのに躊躇い、日本村論理に拘ったために、長引く構造不況を陥ったのです。そうしてTPP交渉にみられるように…、JA改革にみられるように…、ようやく自ら、失われた時代の克服に動き出していますね。異次元緩和から始まった一連の動きは、まだ始まったばかりです。通常は、遅行指数と思われる現象が、喫緊の課題から人件費の上昇となって、現れ始めました。面白いですね。2011年3月11日の金曜日に起きた東日本大震災が、切っ掛けになっています。これまで日本は、ヤンバダムや諫早湾などの非効率な固定資本投資(公共事業)を無駄だと排除し、民主党政権下で、財政難から仕分け作業を実施してきました。仕方なく大手建設を中心に海外事業を加速させてきましたね。その結果、鹿島建設などは、工事の未払い問題が発生しカントリーリスクにさらされています。大震災を契機に、僅かな需要増加に対応できないほど…業界が淘汰された実態を、さらけ出しました。その結果、建設作業員が不足し人件費の増加が起っている訳です。
この動きは、サービス産業に広がっていますね。徐々に、この人材不足の輪は製造業全般に広がっているようです。トヨタは新入社員を現場で働かせると公言しています。日本は、失われた時代で、完全に構造調整が終了したことに…未だに気付いていないのです。カタルは、こう考えて居ます。おそらく金融危機後の欧州危機の時に、過度の円高に悲鳴を上げ、日産などを始め、我が国の製造業は一気に行き過ぎた海外生産に走ったのでしょう。その代表的な事例が、日産マーチのタイへの生産移転です。僅か5万円程度の利幅を求めタイへ日本の需要分も含め、生産移転したのです。おそらく現在の為替水準ではトントン程度か…辛うじて利幅が確保できるかどうかでしょう。財務に余裕がなく、生産移転を出来なかったマツダが急浮上したわけですね。
分かりますかね。既に日本は新しい時代に突入しましたが…経営者は始め、多くの人が、まだその事に気付いていないか…、気付いていても、なかなか新体制に構造転換が出来ていないのですね。この現象が、急激な人材不足になって社会問題化しつつあります。水面下で、進展していた構造変化が、完全にグローバル論の水準に構造転換できたのです。株式持ち合い株も然り…。全ての日本村論理からのグローバル化への構造転換が完全に終わり、行き過ぎているのでしょう。揺り戻しから、新時代に突入するのでしょうね。
ずいぶん前置きが長くなりました。このような下準備がないと、カタルの構想が、なかなか理解されないから説明してきました。今日の日経新聞一面の企業の不動産取引2.5兆円は、どんどん増えますね。2006年前後は、外資系金融のレバレッジ取引が主体の投機が先行した動きでしたが、今度は、実態評価が存在する実需取引が主体で…力強い上昇が、今後、数年以上続き、おそらく政策当局も信用創造は、人々に希望を与えるとの認識を持っているでしょうから…半永久的に適度なインフレ成長路線が生まれるでしょう。
ここでカタルの推測ですが…もう直ぐ、人材不足問題と同じ現象が、不動産でも起りますね。一気に東京のオフィスビル需要が爆発します。既にSやAグレードはありませんから、Bグレードの不動産も瞬間蒸発しますね。その時に1兆円以上も保有している不動産会社の株価は、急上昇する筈です。この時期とPFIやPPPと言う概念が、先日の舛添知事の表明のように生まれていますから…、カタルの想像するケネディクスの1万円相場も眉唾と言えるかどうか…。今日は日経新聞一面から、日本通信の相場も1月28日の日経新聞、一面が、切っ掛けでした。
何となく、カタルの構想が理解されたでしょうか?