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ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J・TEC)(2014年08月03日)
昨日は一緒にNY株安の事を、考えて頂きましたでしょうか? カタルの現在の考え方のヒントを昨日は述べましたが、結論らしきものは提示しませんでした。皆さんに一緒に考えて欲しかった…からです。確かに、金融緩和出口論を切っ掛けに、NY市場は本格的な調整場面を迎えるかもしれませんが、NYダウとSP500の2007年の違いをみて、カタルはナスダックが新高値を付けない限り、本格的な調整は始まらないと…現在は考えています。
先進国のスマート・シティー化を、相場が反映するのが自然だと考えています。2000年のITバブルは、その前兆だったのでしょう。ここで重要なのは、治験臨床データのように、現状は試行錯誤の手探りで非常に長い時間が掛かります。しかしスパコンなどの利用が進めば、一気に治験などを省くことが出来るようになるのでしょう。現在のオーダーメイド治療などは…その走りですね。医療分野だけでなく情報の活用により、人類は一気に進化を遂げることになります。今はその前段階ですね。ロボットの活用もそうです。だからナスダック市場がITバブル時の高値を抜くのは自然の流れ、その前に本格的な調整が起こるとは…少し無理があります。
もう一つの雇用統計と失業率のグラフですが…。日経新聞は2008年からのデータの掲載でした。これでは、前回のピークが見えませんね。金融危機は異常な現象だったのです。金融デリバティブの清算が出来ないと言う、金融システムそのものの破たんです。ポルトガルのエスピリト・サント銀行が、破たん危機にある問題とはスケールが全然、違いますね。世界中の決済システムの問題ですからね。今回はこの後始末からの正常化ですね。通常の正常化の基準が何処にあるか? 長いデータをみないと分かりません。本当はITバブル時ではなく、もっと長いデータをみた方が、より正しい判断が出来る筈です。
金融危機前のピークの失業率は、2003年6月の6.3%なのですね。大幅に改善しているとは言え、現状の6.2%は、やはりまだ高い水準失業率の位置です。賃金の上昇率が低いままなのも、分かる気がします。つまり本格的な調整を迎える山を付けた印象はないと言う事です。2000年のITバブルや2007年の金融危機前の高揚感は、今の米国にはありません。よって、単純な需給バランスの調整なのだろうと考えており、長くて2か月程度、通常は1か月程度の調整で、再び高値を目指すのでしょう。これがカタルの現在の考え方です。こんなものは何度も変わるのですが…現状ではそう考えています。
さてカタル銘柄のJ・TECの決算が発表されたので…これまであまり調べたことがなかったので、データを作成してみようと考えています。理由はようやく、期待される膝関節軟骨「ジャック」の収益化が見込まれるからです。会社説明会資料によれば、前期のジャックの売り上げは僅かに52百万円です。一方、人工皮膚のジェイスは、歩留まりが良くなり前期の売上は3億83百万円から8億1百万円と倍以上になりました。今期の会社予想はジェイスの売り上げが昨年の8億1百万円より減り7億円予想、一方、昨年52百万円しかなかったジャックの売り上げを、ジェイスを大きく上回る8億42百万円に設定しています。残念ながら1Qの決算短信にも会社説明会資料にもジェイスやジャックのセグメントコメントは見られず、1Qの部門別進捗率は分かりません。おそらく株価の反応が鈍いのは前期に比べ売り上げの伸び率が33.9%しか伸びておらず会社側予想を下回るとの読みが生まれた為かと思われます。
新工場の立ち上げもそうですが、新薬の立ち上がりも浸透率が当初は低いですからね。最初の1年や2年はなかなか軌道に乗らないものです。しかしジャックの受診機関は大幅に増える予定で急カーブの立ち上がりになっていくのでしょう。J・TECは今後角膜培養を手掛けており、再生医療の本命に違いなく、非常に期待されますね。何しろ会社側が、売り上げ予想を2倍に弾いているのです。ジャックの推移からみれば10億、20億、30億と言ううなぎ登りの売り上げ推移は容易に予想され、発行済み株式総数は現状では3681万株ですから、36億円の利益計上が出来ると一株利益は100円に乗りますね。
ジェイスの適用拡大も控えており、前回は一人20枚の規制が設けられていましたが、平成24年4月から40枚に広がりました。これから混合診療の拡大が実施されますから…おそらく利用患者は大きく増えるのでしょう。このような最先端医療の適用は当初、厳格な利用条件が定められていますが…だんだん適用が広がるものです。IPS細胞培養などの夢の人工臓器製造も絡み人気株の条件は揃っています。株式相場は赤字から黒字に転換する時に一番大きな変化率を示すのは経験則で実感しています。J・TECは、当面期待が続くカタル銘柄です。安い時に打診を入れて置き、いくらか揃えておくと良いのでしょう。早ければ今期黒字転換も期待できます。遅くても来期でしょうが…。
今回取得したデータの中で、このような研究開発型の赤字企業の目安として、利益余剰金推移は非常に重要になります。基本的には営業利益で、この利益余剰金のマイナスを埋めないと配当は出来ません。しかし他にも増資など色んなマジックで、一気に配当に進めることも出来ます。問題は本業で儲かるかどうかなのですが…。このグラフが一番会社の変化を捉えている様なので…一応、掲載しておきます。変化を感じ取れるはずです。毎年、赤字の垂れ流しから…明らかに変化が生まれていますね。
ジャックの適用範囲や受診機関の数の変化など…J・TECにはいくつかの見所があります。読む方も大変ですからね。いずれ又詳しく解説する事もあるでしょう。心配いりませんよ。J・TECは大幅高が期待できるカタル銘柄なのです。ここで注意ですが…確かにカタルは三菱化工機やNSWを推奨しましたが…カタル銘柄として推奨したわけではありませんね。カタル銘柄に類似すると言うだけの話です。こんな銘柄はこれまでも幾つも掲げていますが、現状のカタル銘柄はケネディクス、007、そうしてこのJ・TECの3銘柄だけです。誤解がないようにしてくださいね。J・TECは1万円に向けて…人工臓器製造の第一人者としての株価地位は動かないでしょう。