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ケネディクスの決算(2014年08月10日)
今月は義理があり、聖教新聞を取っているのですが、あまり読むところのない新聞ですが、なかなかカタルの視点とは、違う言葉使いが載っています。「平和とは人間性の開花」と言う今日の一面は、心惹かれました。「平和とは、絶望を希望に変える間断なき闘争である。人間への信頼を断じて手放さない不屈の根性である。…弱き善は、常に強き悪に敗れてきた。…その為には強き善、悪とは徹底して戦い、勝つ善の勢力と連帯を広げていく以外にはない」と書かれていました。
文中の端を折りましたが、人間性の開花なんて…言葉が洒落ていますね。強い悪には勝てないが、心を強くして人間性を信じて、悪に臨むのだそうです。人間は堕落の動物ですからね。きっと、広宣流布の事を述べているのでしょうが…、もう死んでいると思っていた池田会長は、まだ存命なのでしょうか? この辺りがインチキ臭くも感じます。だって元気な姿の写真掲載が多く、今日なんか1982年の写真が掲載されていますね。
8月は終戦記念日で、昨日の長崎の原爆の日のイベントで、集団的自衛権に抗議していましたね。NHKの戦争ものの特集番組等を見る機会が増え、侵略戦争に進んだ日本人の歴史を考えると、時代の流れと言うのは、面白いものです。確かに欧米の覇権主義と日本の侵略戦争は、紙一重です。「八紘一宇」なんて言葉も、素敵な響きを感じますものね。蒙古襲来の「かみかぜ」神話も、同じ響きです。やはり歴史は面白いですね。中国の文革時代と同じように、日本にも特高警察時代がありました。結局、基本的に貧乏をすると、心も疲弊するのでしょう。
さて昨日、日本の土地が収益還元法価格(借り入れを起こし不動産を買っても、その不動産からの収益が、金利を払っても充分に利益が上がる不動産価格の事)になっても、尚、厳格な減損会計を求めていると…金融庁批判を書きましたが、本日のWSJの記事によれば、その方針が一部緩和されたようです。赤字企業にも銀行の裁量権で融資が実行されつつあるようですね。でも、まだまだですね。三井住友クラスで20社程度と言いますし、三菱UFJは、昨年から赤字でも融資対象になったと言う段階らしいです。昨年、ケネディクスが公募増資を実施した理由が、このような金融界の背景を知れば…良く理解できます。
その厳しい減損会計を求める処理により、ダヴィンチの金子さんは、米国の金融危機の煽りを受け、二番底に沈む地価動向に消えたのです。この過酷な条件闘争にケネディクスは生き延びました。この残骸がレガシー・アセットです。でも「遺産」との表現はおかしいですね。この決算説明会で使われているレガシー・アセットは、含み損失を抱える資産の事を示します。説明会によると…今期(2014/12)で含み損失は、一掃されると言います。今期、計上分は46億円の予想です。さて、一般の人は分かり辛いマジックの一つです。今期の通期経常利益は、55億しかないのに…46億円もの含み損失の計上により利益が圧縮されます。
実際には、当然、含み利益の物件もありますから、同時に40億円の特別利益を計上し、6億の実質的な損失です。しかし来期からは、この利益圧縮をしたくても出来なくなります。手持ち不動産は、全て利益になります。これまでも、ケネディクスは2007年当時に仕入れた不動産を中心に、膨大な値下がり損を処理してきました。ざっと2008年には161億円、2009年には186億円、2010年は47億円。そうして2012年に124億円など大きなものを取り出しましたが…、きっちり、金融庁様の指導の下で、簿価を下げてきたのです。この減損処理が、未来の利益になります。
今度は含み利益ばかりですよ。だから、いくらでも数字が作れます。ケネディクスは私募債の組成を得意にしています。海外の石油王が300億、500億と…不動産を買いたいと言えば、ケネディクスに依頼します。そうするとケネディクスは、傘下にあるリートや私募債などの中から、適当な物件を選び、ファンドとして組成して渡します。この過程で様々なフィーを抜きます。アクイジションフィーは、不動産取得にかかる手数料です。アセットマネジメントフィーは、不動産の管理手数料ですね。インセンティブフィーは、予想を超えた収益に対する成功報酬、そうしてディスポジションフィーは、不動産の売却時の報酬です。他にもコンサルタント料など…兎に角、いろんな項目を並べ、10%程度を超える収益に対し、投資家から利益を搾取する仕組みなのです。
…と言う事は、ファンドが増えるたびに、利益が増大する収益構造になります。故に2003年から2007年に掛けて、利益が10倍にも、20倍にも膨らんだのです。今回は外資系の参入もありますが、行き場を失った地方銀行などの国債資金の受け皿になっています。イワシ民族は横並び意識が非常に強いのです。AUM(受託資産残高)の推移をみてください。…この説明会資料だけでは分かり辛いですが…、カタルは事前に調べてありますから…期間の長いAUMの変化を見てください。如何ですか? 2003年から2007年に掛け、実際に2010年まで資産を拡大させていますが…2007年から2010年に掛けて増えたAUMは、含み損失を抱えている場合もあるでしょう。この分がレガシー・アセットになります。
何故、年末年始にケネディクスの株価が急上昇するか?
本当に達成できるか疑わしくもありますが…予定では1兆2527億円から、この半年で一気に1473億円も、AUMを増やすと言います。既にブリッジファンドなどを通じて物件は手配してあります。昨年末から6月末に掛け、有利子負債残高が急増していますね。660億円から971億円に増えています。(この物件は未来への投資です。)ファンドやリートの上場に備え、事前に不動産の手当てをしています。残りの不動産は手持ちのAUMから調達するわけです。何故、カタルがこの受託資産残高の推移に拘るかと言えば…全ての利益の源泉は、此処から生まれます。AUMの1%程度は安定利益でしょう。これから空前のブームが来ると考えると…利益はAUMの5%程度まで膨らむ可能性は、充分にありますね。だから株価は10倍の可能性もあります。
実際にケネディクスが不動産を持っていなくても、持っているようなものなのです。三井不動や地所などは、自己資本により不動産開発をしています。多くは自社保有ですね。しかし…ケネディクスのリートなどは他人資本でも、自己資本と同じ効果があります。言葉の選択は悪いですが、リスクは他人が持ち、うまい汁は自分達が吸い上げる吸血鬼のようなものです。ユダヤ人が嫌われるのは、このような金融の仕組みに精通しているからです。このやり方をダヴィンチの金子さんは、米国で学び日本に導入しましたが…失敗したわけです。新興国が金融デリバティブ機能を利用し、発展したのも同じ仕組みです。中国をみれば分かります。適切なリスク管理をすれば、金融は大儲けが出来ます。
此処で不思議なのは…前回の説明会資料では、年内に介護リートの上場となっていましたが、今回の説明会資料には来年前半となっています。これで本当に、あと半年足らずで、1473億円も、AUMを増やす事が出来るのでしょうか? ここが疑問点ですね。ただここに来て、ようやくイワシ民族の本領発揮で…地銀などは挙ってリートや私募債ファンドの購入を、先を争って行っているようです。ようやく異次元緩和効果が、実社会に影響を与えています。このタイムラグが、日経平均株価の乖離調整になって表面化している訳です。だんだん難しくなって来ましたか? もし会社説明会の社長談話のように…ほんとにリートなどの上場なくして、あと半年で1473億円もAUMを増やせるなら、たいしたものです。株価は一気に超人気株になりますね。でも疑わしいと…カタルは思っています。
今回の説明会をみると、この介護リートや商業リートの上場は来年前半となっています。だから来年は一株利益が、含み損失処理も消えていますから、一気に利益が膨らみますね。今回の説明会で、社長はROEと自社株買いにも触れています。来年の何処かで…人気が沸騰しますね。ケネディクスの山場を、来春に観ているカタルの見方の裏付けです。簡単に解説しました。日本でこのような1兆円を大きく超える不動産の在庫を抱える会社はありませんから、「信用創造機能」復活の恩恵を一番、受ける会社になります。カタルは最低で、4桁から2000円を見込んでおり、環境次第で上場来高値更新の4000円台、更に「リートはPFI」とのイメージが、一般化すれば…株価は1万円だと述べています。だから株数勝負なのですね。
今の日本は、明治維新のイメージなのです。歴史的なパラダイムショックの時に、三菱のような新しい財閥は誕生します。ソフトバンクやファーストリテイリングは、その候補でもあります。僕らも一緒に、この恩恵にあやかりたいものです。