思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

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25.9%(2014年09月15日)

本日の日経新聞で、一番、気に入った記事は、景気指標16面の滝田さんのレポートですね。シェールガスの発掘が、技術進歩で容易になり、時代を変えつつあります。原油価格が20ドルや30ドルでは、きっと価格競争面で勝てなかったのでしょう。しかし100ドル近くになり原油価格が下がり始めたこという事は、価格優位性を発揮してきたのでしょうね。その為に様々な産業が新たに誕生しました。排ガス規制なども新たな産業を生みます。市場主義と言うのは…面白いですね。宇宙開発のスペースXが民間から誕生し、基本的にNASAの役割が低下します。しかし日本は、産業革新機構だとか…日本政策投資銀行だとか…官が民の役割を奪っています。

民間企業も、グローバル展開で考えた場合、ごく僅かの経営者しか…合格点レベルに達していません。ソニーは明らかに豊富な経営資源がありながら…、経営判断ミスの為に、凋落していますね。音楽好きの大賀さんも含め…(彼は嫌いではないですよ。)僕は、出井さんはソニーの歴史の中で、最悪の経営者の一人だったと思っています。こう見ると…、独創的な経営者の後進は、なかなか育ちませんね。ユニクロの柳井さんも、一度は道を譲りましたが…駄目でした。不幸な事件が重なったスズキもまだ、世代交代が出来ていませんね。名物オーナー企業の世代交代は、果たしてスムーズに進むのでしょうか…。永守さんの所もそうです。

まぁ、この問題は、何処の国でも一緒ですね。最近、カタルが思うのは、日本の経営者の資質の問題です。アジアは、魅力にあふれる市場なのですね。世界の先進国で、日本は一番、恵まれている環境下にあります。確かに、米国にはシェールガスがありますが…アジアのような市場が、近くにありませんからね。米国の原動力は、明らかにアメリカン・ドリームの存在です。明日はよくなる…と、希望に溢れる国づくりです。故に、大義の為に、イラク戦争などを始めるわけです。しかし…眼に見えない採算効果と言うのは、やはりあるのですね。それが原油安の力学と言う軍事面のパワーバランスを示すレポートです。

東京に出てきて、思ったことがあります。京橋に様々なブラシを並べている小さな店がありました。店は非常に小さいのですが…。何故、ポツンと一軒だけ、商売が成り立っているのか、最初は不思議だったのですね。親父さんに話を聞いてみると、日本で一番ブラシを取り扱っている問屋だと言うのです。店は小さいのですが、兎に角、さまざまなブラシがありましたね。外見では分からないものですね。そう言えば…、江戸川区の小さな縫製工場を訪ねた時も…驚きましたね。地方に何百人も使っている縫製工場を二つも持っていると言うのです。流石、東京だと…感心したことがありました。

一見しただけでは…内情は分からないものです。僅かな現象が、大きなパワーバランスを変えることがあります。最初は小さな水漏れを見過ごしたために、大きな川の土手が崩れ…やがて堤防が破壊され、決壊します。インドがどうなるか分かりませんが、中国の爆食が峠を超え、新興国に流れた資金が、断たれ始めているのかもしれません。自己資本比率規制強化も、その一環作業の流れにありますね。

イスラム国への資金を提供しているのは、サウジとも言います。当初は、米国がこのグループを支援し、シリアを叩こうとしたとも言われています。水面下の内部抗争が複雑化し…感情が絡み合い、難しい問題になっています。フセインを叩く事の変化が、こんな変化をしているのですね。あのイラク戦争の為に、ますます複雑化していくのです。市場にポツンと小石を投げ入れただけなのに…。複雑な変化をみせ、発展する力学は、カオス理論とも呼ばれますが…実に面白いものです。

株式市場の流れの分析も同じです。基本的に人気株が、市場の流れを形成します。今年の出世株は、今の所は日本通信でしょう。如何にも…小ぶりです。嘗て、NTTの上場が、あんな形でバブル相場を演じ、「失われた時代」と言う長い反省の氷河期に、突入する切っ掛けになると…いったい誰が想像したのでしょう。NTT株の当選が、銀行融資により実行された時代もあったのです。

この事を肝に命じ、市場動向を注意深く観察して、時代の流れを読まねばなりませんね。背景に流れている動きを、如何に的確に読み切るか…非常に重要なのですね。しかし不思議ですね。追加緩和をしたわけでもないのに…、どんどん円安は進行しています。スタグフレーションの「ガラガラポン」のリスクが増している様に…、100兆円超えの予算を思うと少しゾッとします。大丈夫かな…。はやく日本人は、ぬるま湯体質から…脱出せねばなりませんね。日本からも「スペースX」社を超えるような、夢のある企業を育てたいものです。人類の進化の過程に貢献できれば…、それは想像を超えた人生ですね。

83歳のおばあちゃん(妻の母)は、昨日、長岡に帰りました。一人暮らしなのです。今の時代は、まだ若い方でしょうが…、65歳以上が、総人口の25.9%と言う事は、3人が1人を支える社会構造なのですね。技術革新のスピードを上げ、ロボットを活用して生産効率を上げ、農業工場を作り、ハイテク化した食料栽培国家を実現させねばなりません。冷凍技術の進化など…兎に角、やることは、目白押しにあるのです。スマート・シティーの構築に、早く着手しないとなりません。ガラガラポンの時間は、迫っているのです。市場が、早く反応する事を願っています。全ては、政策の進展次第です。それでは…また明日。